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異常性癖が異世界転生した結果  作者: 冷精 紅鴉
第二章 スピカ王国編
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101話 従魔との関係

夜なのにも関わらず、俺はスヴェンと外で二時間ほど戦って再び中へと戻る。



「随分と強くなったなぁ」



スヴェンと戦って思ったが、前よりも見違えるほどの実力がついており中々苦戦を強いられた。おそらく今のスヴェンなら魔族の一匹や二匹は余裕で倒せるだろう。



「そりゃあ父さんたちから散々しごかれたからね、兄さんたちが居なくなってからその分が僕に回ってきた感じだったよ」


「そうか、それはすまんかった」



俺とシャロンがいなくなったから、その分合計三人分のシゴキがスヴェンに降りかかったのか。アレが三倍になると思うと、考えただけで身震いする。



「大丈夫だよ。兄さんが王都に行ってから二週間ほどはちょっと恨んだりしたけど、今じゃ中々歯応えがあるしね」



ちょっとは恨んだのね。それは本当に申しわけがないな。あの二人のーーもとい、実質母シーナのシゴキに耐えられる者がいるなら見てみたいものだ。


そんなことを考えながら家の中へ入ると、そこには先ほどとはうって変わった様子のフィリアが目に入った。



「のじゃあ……キサマぁ、絶対に許さん……」



そこまで言い切ってフィリアはガックリとうなだれた。服装はシエル学園の制服からメイド服っぽい、それもやけに露出の多い服を着せられていた。


なるほど、これがステラの言ってたやつね。確かにこんなの着せられて戦わせられたら恥ずかしすぎで嫌になるだろうなぁ。



「フッ、随分と可愛い格好じゃあないか」


「キサマぁ!他人事だと思ってぇ!」


「実際、他人事だし」



自分の従魔(ペット)ではあるが、知的個体なわけで他人といえば他人だ。



「ぐぬぬ!」



フィリアはこちらをキッと涙目で睨みつけてくる。その恥じらった様子が俺の性癖を刺激する。


嫌がる女の子を無理やり、そそりますなぁ。ここに悲鳴やら臓物やらが加わるとさらに良い。



「っ!」


「キュアアア!!」


「む」



そんな俺の考えを見透かしたように、フィリアは一瞬おびえるように、ミリィは毛を逆立てこの間のように威嚇行動をとった。



「ミリィ?」


「キュア!」



シャロンがミリィを宥めようとしても変わらずミリィは俺に向かって威嚇し続ける。



「このままじゃ前にみたいにラチがあかない。一旦従魔を控えさせるぞ」


「う、うん」


「『控えーー」



そう提案してそれぞれ控えの呪文を唱えようとした時、シーナがステラとフィリアを抱きしめた。



「ダーメ!」


「うぷっ!」


「のじゃ!」


「この子たちとはまだ話したいの、だから一晩だけお願いできないかしら?」



なんかこの光景、どっかで見たような気が……

というか、やってることが子供みたいだ。これが母親なのかと思うとなんだか少し恥ずかしくなってくる。



「……まぁ、俺は構わないけど」


「のじゃ!?キサマぁ!」


「ぷはっ、ちょっと!アンタはそんなことしないわよね!?」



ステラはアクリーナの方を見て必死に懇願する。まあ流石に一晩は可愛そうじゃないかと思ったりはするが……



「良いですよ」


「あら〜アクリーナちゃん、ありがとうね」


「へあっ!?」



ステラは変な声を上げ、信じられないものを見るかのような目でアクリーナを見つめる。



「昔のステラの話を聞いてみたいし、それに私だっていい加減舐められたままじゃいられないしね」



確かにアクリーナとステラの関係を見ていて思うのは、主従関係が逆転してる傾向があるしなぁ。ステラってプライド高そうだし、アクリーナの種族がアレだからってこともあるのかも。



「アンタぁ、よくも……!」


「命令よ。大人しくしなさい」


「くぅぅ……」



アクリーナが強気な態度でステラに命令する。ステラは屈辱的そうな様子で段々と大人しくなっていった。


……ステラの過去の話を聞く限り、シーナに辱められてあんな性格になってしまったのだろうか。


うーむ、知的個体の従魔だと関係が面倒だな。いっそミリィみたいな魔物ならこんな苦労はしないだろうな。あっちは別の意味で苦労はしてはいるが。



「まあ今夜はもう休もう。帰ってきて色々とゴタゴタしたからな」


「そうだね。兄さん、久々に一緒に寝ない?王都での話、もっと聞かせてよ」


「ああ、いいぞ」


「俺も聞かせてもらおうか。俺たちの鍛えたクーラスの活躍がどんなものかをな」



と、ここで今まで空気だったラルスが会話に混ざってきた。『俺たちの鍛えた』ね、しごいたの間違いだろう。



「それなら私たちはこっちで、シャロンちゃんたちに話を聞かせてもらおうかしら。こんな大人数だなんて、今夜は眠れなそうね」



シーナが楽しそうに微笑む。その一方でーー



「くぅぅ!」


「のじゃあああ……!」



約二名が何か言いたげな様子でこちらを睨みつけている。フィリアはわかるが、ステラに関しては知らんがな。



「じ、じゃあまた明日」


「ええ、おやすみなさい」


「また明日、旅行の話をしようね」



そう言って男女に分かれて寝室へと向かう。男同士だけで寝るだなんて、思えば久しぶりだな。王都にいる間は、一人だったかフィリアと二人だったからな。


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