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俺たちの星間大戦  作者: 鳥海秋生
14/16

第14話/決戦! 終戦! 大団円! ……なのか?

来た!

来た来た!

ミサイルとかレーザーとか、青いのとか赤いのとか。

電光石火のように八の字を描く輝線を描きで宇宙忍者モンハンは、まるでメダリストのフィギュア選手のように廊下をホバリングして空中滑走しながら、全方位攻撃しながらこちらにやって来た。


その姿はまるで動くイルミネーション。

その姿はまるで動く夏の花火大会。


スコンスコンと重低音をたてながら飛んで来るレーザーだのミサイルだのを、ひょいひょいよけながら不良番長は、まるで流行のダンサー張りに身を上下左右させてよけまくった。

迫り来る変態天使の羽根金属ボールの攻撃も、ついでによけまくった。


びゅるるーん、スカッ。


この、びゅるるーん、と言う音は、猛ダッシュホバリングする宇宙忍者モンハンが不良番長のすぐ横を通り過ぎた時の音である。


この、スカッ、と言う音は、宇宙忍者モンハンの強烈なラリアットを不良番長がウルトラ必殺エビぞりの身で、見事によけた時の音である。

まるのその姿は、キュートなリンボーダンス。


カシュ、ギュルルーン!


来た!

こちらに来た!


この、カシュ、と言う音は、満身のスイングをよけられ、空振りして急ブレーキをした宇宙忍者モンハンがたてた音である。


この、ギュルルーン、と言う音は、新たな攻撃目標である、この俺めがけてホバリングしながら猛ダッシュしてくる音である。


来るぞ!

来る!

やれるのか?

やっちゃうしかないのか?


俺は構えた。

さっきまで、空中に浮かぶ謎の空中オートバイ兵器をボコボコにしていた。

さっきまで、迫り来る宇宙忍者モンハンのミサイルとかレーザーとかの攻撃をよけまくってた。


そして、烈火のごとく怒りの炎を上げて、こちらに向かって来る宇宙忍者モンハンと対峙しなくてはならない。

そして、劣化している、少しボコボコになっている金属バットで宇宙忍者モンハンを退治しなくてはならない。


俺は構えた。

俺は見つめた。

迫り来る脅威を!

ここで行われている、全銀河全宇宙の命運を決める一大星間大戦の結末を見るために。


------------------------------------


びゅーん、すかっ、びゅびゅーん、ぐらっ、がこーん!、ぽよぽよぽよーん。


さて、説明しよう!


この、びゅーん、と言う音は、宇宙忍者モンハンが猛スピードで俺に迫ってきた時の音。

結構、重低音のサラウンドが聞いていて、音質としては良かったが、あまりいい印象はない。

出来る事なら、二度と聞きたくはない。


この、すかっ、と言う音は、はい、もうわかりますよねー。

この俺が全神経を集中させ、俺がこれまで生きてきた十五年もの人生のすべてをかけて集中して遂行した、フルスイングの音である。


そう。

その通り。

思いっきり空振りしました。

またもや、思いっきり空振りしてしまいました。


この、びゅびゅーん、と言う音は、満身のスイングをして空振りした俺の横を、冬季オリンピックのボブスレーのように、宇宙忍者モンハンが猛スピードで通過して行った時の音である。


あっ、ついでであるが、宇宙忍者モンハンが俺の真横を通過する際、強烈なラリアートをかましてきたが、それは計算済みである。

不良番長に対しても、同じような事したからね。

意外と宇宙忍者モンハン、学習効果ないなあ。

血が頭に昇っているから、冷静な判断見失ったのかな?

宇宙忍者モンハンの血の色が何色なのか、ぜひあとで聞いてみたいところだ。


俺は強烈なラリアートが来るのはわかっていたので、ヘルメットをかぶった頭をよけながら、金属バットをフルスイングした。

だから、空振りしたのかな?

重心がぶれたから、空振りしたのかな?

ま、それはどうでもいい事だ。


この、ぐらっ、と言う音は、俺が自分の人生のすべてを賭けてビルドアップしたチャペック一号が傾いて倒れる音である。

俺は、自分の人生のすべてを賭けて作り上げたチャペック一号に、その意思が宿り、クリエーターである、創造主であるこの俺のピンチを救うために、身を呈して、俺を守るために傾いた、と解釈したい。

なぜなら、チャペック一号は、突っ立っているだけである。

ただ突っ立っているチャッペック一号が、自分の目の前にいる俺を守るためには、倒れ込むしか、ない。


だが、本当は、チャペック一号が自分の「意思」で傾いたのではない。

本当のところ、チャペック一号が自分の「意思」で俺を守ろうとしたのではない。


ハナコだ。

スライムお化けのハナコさんが、この俺を守るために一体化したチャペック一号とともに身を呈して行動してくれたのだ。

スライムお化けのハナコさんが、(勝手に、一方的に)愛してくれている俺の身を宇宙忍者モンハンから守るために、必死の行動をとってくれた結果なのだ。

なぜなら、それを証明するかのように、俺のすぐ横で、俺のすぐ耳元で、一千ものあつーい瞳のラブラブ視線と「うっふーん」と聞こえるようなため息が、やまびこのエコー音のように響かせていたからだ。


そしてそして、がこーん、と言う音が、我らがスーパーロボット、俺たちのスーパーロボット、チャペック一号が、満身の思いを込めて、宇宙忍者モンハンに頭突きをした音。


そしてそして、そして、ぽよぽよぽよーん、は、頭突きされた宇宙忍者モンハンが意識を失って、その場に、俺たちの高校の廊下に、倒れていく音なのであった。


終わった。

すべては終わった。


全銀河全宇宙の命運を左右する、未曾有の一大星間大戦の、運命の一戦が、今、ここに終結した。

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