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異能都市エスティシア  作者: Die魔王
第二章 ~異能都市~
4/7

2‐1

 異能都市エスティシア。それが俺の住む街の名前だ。人口およそ一二〇万人、日本の異能者の九割以上がここで暮らしている。

 そして、その街は日本の地図には載っていない。

 この街は日本という国から独立し、一つの国になりかけていた。

 二〇三八年、今から五〇年ほど前に世界中で異能者達が出現し、それに対抗すべく日本では対異能組織(ハンターズ)が結成された。そして、異能者達は彼らの脅威から逃れるべく兵庫県北部に集い、二〇四六年にこの街は創られた。それから少しずつ異能者達は安全圏を広げ、現在では兵庫県北部の但馬地域全土がエスティシアの領土になっている。

 その異能者の能力と数から、対異能部隊(ハンターズ)は容易に異能者の殲滅計画を行うことができず、近年ではエスティシアの境界の警戒だけに力を入れている。


 しかし、今日は違ったようだ。

『今日の深夜二時頃、エスティシアの第三区で対異能組織(ハンターズ)と見られる集団が街の防犯カメラに映っていることがわかりました。それによる被害は今のところ見つかっておらず、警察は第三区の調査を行うと共に、境界の警戒の強化を進めています』

 どうやら対異能組織(ハンターズ)が境界の警戒をかい潜り、エスティシアに侵入していたらしい。

「まったく物騒な話だ」

 俺が住むのはエスティシアの北西に位置する第四区だが、第三区はそのすぐ南に接しているため、そこで対異能組織(ハンターズ)が見つかったとなると、どうしても気になってしまう。

「そういえば、この前は第二区の方でも対異能組織(ハンターズ)が見つかってたよな?いつか、こっちにも来るかもしれないな」

 俺は最期に味噌汁を飲み干し、手を合わせた。

 そして食器をキッチンに置くと、着替えを始めた。その髪は、風呂に入って少し湿っている。

 今日は学校ではないので私服に着替えると、テレビと照明の電気を消してマンションの部屋を出た。

 いつもは休日に、それもこんな時間には外に出たりしない。むしろまだ寝ている時間帯だ。しかし、今日は病院に行って昨日の異能の調査の結果を聞く必要がある。

 別に午後であっても構わないのだが、どうしても気になって仕方がなく、しかもやけに早く、といっても平日に比べれば遅いが、目が覚めてしまったので午前中に行くことにした。

 時刻は九時四五分。この調子なら、開院時刻の十時には着けるだろう。

 基本的に平日以外の外出をしない俺だが、今日の空は天気や風が気持ちよく、たまには外を散歩するのも悪くないなと思った。

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