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騎士道プライド  作者: 椎名咲水
3章【そよ風兎編】
28/50

26.料理娘

 馬車を急がせて農業大国のネストへとやって来た。

 俺は相変わらず馬車で酔って気分が悪くなっていたが、今回はアキレスも酔っていたので仲間がいて嬉しい。

 青い稲穂が揺れているのどかな風景を見ながらアキレスと並んで座り、その間に元気な御者とフィオナが宿の手配や近くの食事処を探してくれていた。

 新人なのに動かないとは何事かとフィオナはアキレスに対して怒っていたが、馬車で酔う気持ちはよく分かるのでフォローしてあげた。

 こればっかりは仕方ないと思う。


「……ああ、アキレス。膝枕してほしい」

「オレも誰かに膝枕してほしいくらいだぜ…、ほら、どうぞシャロル様」

「お、アンタって言わなかったね。偉い偉い」

「あのなあ…年下に偉い偉いって言われても……嬉しいけどさ」


 素直だな。

 体を持ち上げて頭をナデナデすると顔を背けてしまった。

 ついでに胸もナデナデすると顔を真っ赤にしてこちらを見てきた。

 今にも手を上げそうな形相でとても怖い。

 ……フィオナと同じくらいあった。

 平均以上のサイズかな。



「シャロル様に何されても我慢しろって言われてたけど…こういう事なのか?」

「どうだろう。私はお胸大好きだけど…」

「いやまあ…男に触られるよりはマシか。好きにしろよ、どうせ奴隷だ」


 オレはお前の事嫌いじゃないし。

 彼女はそう言ってパタンと後ろに倒れた。

 倒れたアキレスの視線の先には覗き込むように立っているフィオナの姿だった。

 急に顔が真っ青になってアキレスは小さな悲鳴を出しながら跳び上がる。

 鋭い眼光をしたフィオナはアキレスに近寄り、無言でアキレスを謝らせる。


 俺に対しての態度が全体的に気に入らないらしい。

 俺はこういう友達関係っぽいのも悪くないと思うんだけどなあ。

 フィオナとアキレスが仲良くなる時は来るのだろうか。

 不安だ。



 ネストでやる事は料理人を雇う事とレミエル・ウィーニアスに会う事なので順序や予定を組んである、レミエル・ウィーニアスは何度かネストに行った事があるそうなので美味しい食事処を紹介してもらう予定だ。

 そこで良さそうな料理が出てくればその場で新人に声を掛けても良いと思っている。

 急に食事処で料理人の引き抜きっていうのは非常識のようにも思えるがネストでは割と日常的な話らしい、料理人として一人前になるならネストで働けと言われるほどネストは引き抜きの多い場所なのだそうだ。


 ネストは川もあり海もあり山もあり農業も盛んで非の打ち所がなくのどかな場所だ、食材も豊富なので料理人が料理の勉強をするには持って来いの場所なのだろう。

 ここで基礎を教わり、引き抜かれた職場先で応用を学ぶようだ。

 だからネストには突出した珍しい料理が少ない、美味しい料理を考え付いた料理人は早々に引き抜かれてしまうから作れる人間がいなくなってしまうのだ。



 レミエル・ウィーニアスと会うまで時間があるので宿屋に行って体を休め、アキレスに似合う服を女三人で探しに行った。

 最終的にホットパンツを買うだけに留まった。

 なんか、スポーツ少女って感じである。

 ボーイッシュのテンプレートみたいな感じで全く捻りが無い。


 本人は動きやすいと気に入っていたので良い買い物だったとは思う。

 嫌がっていたが似合っていたスカートをいつか履かせたい。

 今度フィオナに言って買って来てもらおうかな。

 恥ずかしがっているアキレスを見て萌えようじゃないか。



「…ところで、レミエルって奴はどんな奴なんだ?」

「知らない。フィストランド校の生徒って事くらいしか分からないな」

「アキレス?」

「あ、ああ!……レミエル様な?分かってる、分かってる…」


 この思い出しの良さはまるで生存本能のようだ。

 俺が見ていない間にアーリマハットで怖い教育をされたのだろう。



「あああ、シャロルさんですよね!お待たせして申し訳ありません!」


 遠くから走ってくる少女が大きく声を上げた。

 白いローブを着た金髪ロングの女の子、左目の泣き黒子、どこかで見た事のある姿に目を細め、彼女が俺の近くまでやって来るまでに思い出す。

 そうだ。

 俺が武闘大会の選抜を落とされかけた後の散歩で出会った少女じゃないか。


「初めまして…じゃないよね?随分前に一度…」

「覚えていてくれて光栄ですぅ…。

 一度スパイしに公国に行っていた時に……ああ、もう運命ですぅ……」

「……」

「し、失礼しました。改めまして自己紹介します。

 レミエル・ウィーニアス、コリュードのフィストランド校生徒四年生です。

 よろしくお願いします」


 四年生か。九歳か十歳……という事になる。

 ユーリックは俺と同じ二年生だがクライム学園は入学時期が一年ズレているので俺よりもユーリックが一歳年上で、レミエル・ウィーニアスは更にその上だ。

 魔法科学生なので右腕には細長い杖が握られていた。


 杖が魔法にどういう作用をもたらすのかはその杖によって変わるらしい、詳しい話はレミエルさんから食事中にでも聞けば良いだろう。

 杖は使わないだろうと割り切ってあまり勉強して来なかったので面白い話が聞けるかもしれない、そう思うと少し楽しみになってくる。

 アキレスは俺の肩をポンポンと叩き、ちょっとヤバそうじゃないかと耳打ちしてきた。

 頷きたいが苦笑で我慢しておく。

 ユーリックの会ってくれという頼みを蔑ろにする訳にはいかない、あくまで彼女に交友的に接するのはユーリックのためだ。

 ユーリックのために我慢しよう。


 食事処をレミエルさんに選んでもらって料理は適当に頼むと敢えて店側に一任した、座る席は俺の隣にアキレス、向かい側にフィオナとレミエルさんという構図だ。

 アキレスを客人の隣に置くのは問題だとフィオナが判断した結果である。

 彼女達の不仲にはもう何も言うまい。


 料理が届くまではレミエルさんが俺に会いたくなった経緯について聞く事にした、ユーリックから既に軽く説明は受けていたが本人から聞かない限り詳しい内容が分からない。

 ユーリック曰く、光魔法を追い求めているそうだが。


「光魔法の真髄に迫るため、シャロル様にお手紙を出させて頂きました!

 私の目は所謂魔眼というものでして魔力の流れがちょっと分かるんです!

 最初にお会いした時からもうずっと気になっていたのです!

 溢れんばかりの光を感じます!」

「そ、そう……魔眼ねえ。それって珍しいの?あと君は魔族の方?」


 ポワルの精霊スウィフトハートも同じような目を持っていた。

 こうも立て続けに変な目を持った人が現れると凄味が分からない。

 ただの特徴のようにも思えてくる。


「とても珍しいですよ!

 ……そこまで冷静に受け止められてしまうと自慢もしにくいですが、コリュードで持っているのは私だけのはずです。

 あと魔族じゃないです。

 コリュードは魔族への差別意識が高いですから魔族は多分住めません」

「…魔族だと疑ってすまない、コリュード人に対しては失礼だったね」

「いえ気にする事はありません。国柄ですからシャロル様に非は無いのです」

「あの、様付けは控えてくれるかな。ちょっと恥ずかしい」

「失礼致しました!何分この時を心待ちにしていたもので…っ!」


 これまでも光魔法の研究を続けていたりして多くの光魔法使いに弟子入りさせてほしいとお願いしに行ったらしいが会う事すら出来なかったそうだ。

 そんな時に出会ったのが俺で、最初に出会えた光魔法を使える人間も俺だったようだ。


 レミエルさんは光魔法を追い求めているものの光魔法の才能は無く、基本的には火属性の魔法を使っているようだ。

 火属性には二種類あり、彼女はその二つともを使用できるのだという。


 一つは通常の火、そしてもう一つは原初の火を操るらしい、通常の火が光に近いのに対して原初の火は闇に近い特性を持っているのだそうだ。

 この二つを両方とも操れる人間は少ないという。


 コリュードでは将来有望の生徒として期待されているようだが、本人はどうしても光魔法を習得したいらしく、光魔法を使いたいが故に火属性の魔法で疑似的な光魔法を作り出したりしているそうだ。

 魔力量的にはかなり効率が悪い。


「もう酷いんですよ、最近会いに向かっている光魔法使いなんて俺の女になっても光魔法を教えるなんてお断りだって言うんです!どう思います!?」

「許せねえな!女を何だと思ってんだソイツは!」

「そう思いますよね!女の底力なめんなって思いますよね!」

「……レミエルさんもアキレスも落ち着いてくれるかな。

 ここは他にもお客さんがいるんだから静かにね」

「は…失礼しました、ついムキになってしまって……」



 レミエルさんは熱狂的光信者というのが第一印象だった。

 光神を崇める白教の信者で学業よりもとにかく光魔法を習得する事に熱心になっており、学校の友人も少なく成績も並以下、学業を放って各地を転々とし、光魔法に関しての文献や資料、遺跡なんかを見て回っているらしい。

 学校に留まっていられるのはその魔法の実力を高く評価されている事と、若くして白教の中でも司祭のような高い位を獲得しているのが理由だそうだ。


 コリュードのフィストランド校は自身の学校から有力な生徒が卒業したという事実が欲しい為、在籍している有力な生徒は学業がどんな成績であれ卒業までの道を作ってくれる。

 つまり学校を休みまくっても実力さえ示せれば卒業させてくれるのだ。

 それを良い事にレミエルさんは各地を転々としている。

 同じ学生として感想を述べるなら、ふざけるな……と誰しも思うだろう。

 世の中理不尽だらけだ。



 ――意気投合しているレミエルさんとアキレスに溜息を吐いてから、持ち運ばれた料理に視線を移した。

 お茶漬け。

 三百六十度どこから見てもお茶漬けなお茶漬けが目の前にあった。


 小魚ウィープルの唐揚げに、マグロとアボカドをタレに漬けたような料理がおかずとして用意されているが、昼ご飯にしてはヘルシーすぎる気がする。

 スポーツ体質になったからお腹が減りやすいのだろうか。

 何かこうガッツリと食べたい時にこういうのはあんまり好かない。


「見た事のない料理ですが、これは雑炊のようなものですか?」

「アリュースの料理だそうですよ。

 薬膳料理の一品として名があるらしくて私は結構好きなんですよ。

 値段も安いし疲労回復にも良いって聞きました」

「へえ、薬膳か……」


 お茶漬けではなかった。

 緑色になっているのは薬草等の色だろうか、薬膳というのは栄養や効果、味や香り等を揃えてようやく薬膳料理と呼ばれるハードルの高い料理である。

 味はお茶漬けとは違い爽やかで若干甘く胃に優しい感じがする。


 フィオナやアキレスには好評だが、どちらかといえば朝の料理だと思う。

 触感もサラダを食べているみたいでシャキシャキと気持ちいいけれど、この爽やかさは間違いなく昼飯じゃなくて朝飯だった。

 味は良いし文句は無いが……。


「……うん。皆、相違なければこのシェフを雇おうかな」

「私は賛成です」

「ああ良かった。お気に召してもらえましたか?お役に立てて光栄です」



 良い店を教えて貰えたのでレミエルさんには素直に感謝しなければいけないな。

 手を挙げて店員を呼び、作った料理人を連れてきてほしいとお願いすると店員は苦笑しながら何か問題がありましたでしょうかと答えた。

 アキレスやフィオナが首を傾げる中俺は動じずに料理人を連れてきてほしいともう一度伝えて店員を下げさせる。

 何か問題がある料理人がこの料理を作ったのだろうか。


 口周りを拭きながら待っていると髪を纏め小さな花模様のピアスを両耳に付けたジト目の女の子がやってきた。

 また女の子か、と思いつつ辺りを見渡すと意外にも厨房の比率は男女五分五分で現実世界ほど男女差別は厳しくないように見えた。

 厨房に女を立たせるなっていう世界では無いようだ。

 まあそんな事を言うのは頭の固い連中だとは思うが……、見た目からしてやる気無さそうな少女がこうも目の前に現れるとその気持ち分からんでもない。


 チャーミングな泣き黒子が右目にあるがジト目が凄い気になる。

 だがそれが良いっていう人向けの少女だ。

 ……って俺は一体何を考えているんだ。

 冷静になろう。



「私は料理を一任したけど何故君はこの料理を私達に出したの?

 昼に食べる料理というよりも朝食べる料理だったように思えるけど」

「……ちっ」

「ノイエラ!すみませんお客様、教育が行き届いていなくて…まだ新人なんです」

「構わない。私はその子に料理を出した理由を聞いている。

 上が指示した料理なら素直にそう言ってほしい」

「違う、私が決めた」


 正直に言えば結構イラついているが、ここで怒っても良い事なんてない。

 ノイエラと呼ばれた少女はフィオナより一回り胸と身長が小さい少女だ。

 中学生くらいの年齢だろう。学校に通わず料理の勉強をしてきたのだろうか、それとも学校を卒業してから料理の道に進んだのだろうか。

 何にせよ元々新人を雇おうとしていたので幸先が良い。



「……黒子金髪はこの料理好きだし、そっちの赤髪は体調悪そうだったから作った。

 あと、この料理作るの楽だから…」

「黒子!?貴方だって右目の下に泣き黒子あるでしょ!?一緒じゃない!」

「…ネストでは左目の泣き黒子は悪運の証って言われてる」

「そ、そうなんですか?」

「嘘だけど」

「ノイエラ!お客様に失礼だろう!」

「すいません店長」


 客を馬鹿にする態度はレミエルさんにとっては気に喰わないだろうが、当人ではないのでちょっと面白かった。

 アキレスに体調が悪かったのかと聞くとさっきまで乗り物酔いしてたからなと答えてくれた、アキレスにとってこの料理は食べやすい物だったらしい。

 性格がどうであれ作る物が良い物ならば雇って損は無いだろう。


 フィオナは彼女の態度に苛立ちも覚えているように見えたが俺は実力重視でこの子を採用しようと思う。

 思いやりが料理に出ていたのだ、作り手の本心に思いやりが宿っていないはずがない。



「私は公国から料理人を一人雇う為に来たんだけど、ぜひ君を雇いたい」

「……やだ、私コリュードが良い。公国って海ないじゃん」

「給料は多めに用意しよう、当然衣食住も付ける。

 数年契約で良い、契約期間内は出来る限りの料理知識も君に提供する。

 ステップアップとしてどうかな」

「料理知識?……誰が?」

「私だよ。こう見えても料理には詳しい」



 前世、コンビニ飯を胃が遂に受け付けなくなった男は料理にのめり込んだ。

 叔父を見返すには就職か上手い料理を作る事くらいしかなかった。

 いつの間にか就職を諦めて料理ばかりで見返そうと張り切って叔父に呆れられていたけど、料理の知識は今でも俺の頭の中にある。

 グルメ本を買わなくったって叔父の隙を見てテレビを付けて料理番組くらい見れた。

 どうでも良い知識だけはよく覚えているものだ。

 勉強はできないのに。


「馬鹿にしないでよ、私戻る」

「……パエリア」

「…?」

「カルパッチョ、クランブルケーキ、ピラフ、マリネ、カッペリーニ、フォッカチャ、ソテー、ナムル、ムニエル。

 偏ってるけど結構詳しい。ぜひ君の手で作ってほしいな。

 私はその作られた料理を食べたいんだ」

「………」

「私は安くて手軽な舞茸…きのこのソテーが好きだけど、君は一体何が好き?」


 微笑を浮かべながら手を差し伸べた。

 彼女はオロオロとしている店長に目もくれず俺と目を合わせて少し考え、俺の手へとゆっくりゆっくり自分の手を添え、俺の手を握ってくれた。

 この握手がどのような意味を持つかは分かっているだろう。


「……味噌鍋。……公国行っても作れる?」



 交渉成立だ。



 ――――――――――


 一晩経ち、お土産にとネストで売っていた綺麗な冒険者風の装備一式を購入してほぼ一文無し状態になった俺達はすぐに帰国する事にした、レミエルさんは悲しがっていたが元々会うだけの予定だったのでもし俺達に何か用があれば公国まで来てくれと伝えた。

 光魔法については教えられるほどの技量が無いが魔法使いとの試合は経験しておいた方が良いだろう、そういう意味でも彼女とまた会うのは悪くない話だと思う。

 これからの課題は料理娘とアキレスの育成も含まれてくるので忙しいのは目に見えているが、合間を縫って剣技も練習しなくてはならない。


 新しく購入した冒険者風の装備はファンタジー剣士にありがちな腋を露出したタイプのものだ、腰周りはチャラチャラと装甲や布が格好良く付けられておりその上を固定するように大きな革のベルトがある。

 籠手は硬い装甲に覆われていてこれ自体が盾にもなりそうな雰囲気さえする、胸や体の辺りには装甲が一切なくただの青い服になっており、身を守る装備というよりは冒険者っぽく見える余所行きの服みたいな扱いだと思う。

 銀色装甲の格好良い靴も合わせてとても安価だったのは格好良さの割に機能性が皆無だからだろう。

 でも気に入ったからちょっと愛用してみようかな。


 私に合う子供用サイズがあった事を考えると冒険者を夢見た少年少女に向けて販売している装備なんだろうなと思う、このくらいの装備でも大人と一緒なら獣から命を守る事が出来るだろう。

 でも対処できるのはEクラスの討伐依頼が限度だ、Dクラスは対処できそうにない。


 冒険者という事をアピールしていい場所に向かう時の余所行きの服として使うとしよう、前世なら痛々しいファンタジー装備だがこちらなら私服として扱っても問題は無い。

 急な戦闘に持って来いだな。

 急な戦闘なんて無いに越したことはないけど……。



「それじゃ出発するぞお嬢様方、揺れるから気を付けろよ」

「シャロルさん、ではまた公国で会いましょう!」

「ああ、また今度会おう。

 ……っとそうそう、少し頼みたい事があるんだけど良いかな」

「何でしょうか?遠慮なくどうぞ」


 レミエルさんと別れる時、一度御者を止めた。

 軽率かもしれないと考えるところはあるが事が事なので仕方がない。



「情報の出所は言えないけどゼハール商会って奴等が戦争を企てているって話を聞いた。何か分かればすぐにでも知らせてくれ」


 コリュードに大きく広まれば対策を取られて動きづらくなるはずだし、例え小さい波紋しか生まずとも大事をかまそうとしている連中なら小さな動きでも鈍るはずだ。

 まずはゼハール商会という何らかの存在が悪であると言い広めなければならない、何かが起こる事を伝えなければならない。


 ……その“何か”が始まる前に。


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