プロローグ
人は誰しもが、罪を背負って生きている。
長い歴史の中で人は過ちを繰り返し、罪を背負って生きている。
一番古いものでは、始まりの人が知恵の木の実を食べてしまい、理想郷を追われた話がある。
罪を犯した事のない人間何て居ない。
生きている限り、大なり小なり何かしらの罪を犯してしまうのだから。
それに負い目を感じながら生きている人もいれば、気にもしない人。
或いは、自分が犯した罪を忘れている人も居るだろう。
負い目を感じている人は、神に懺悔し、赦しをこうだろう。
気にもしない人は反面、もしかしたら忘れてしまいたいのかも知れない。
自分が犯した罪を。
例え忘れてしまったとしても、記憶から消えていたとしても。
犯した罪は、消える事なくその人に架せられると言うのに。
罪には、罰が与えられる。
知恵の木の実を食べた人間には、理想郷からの追放と言う罰が神から与えられたように。
それ相応の罰が、人に与えられるのならば。
もし仮に、生まれてきた事が罪な人間が居るとしたら、その人は、何をもって罰とし、贖罪すれば良いのだろうか…。
その結果は余りにも悲惨で、余りにも理不尽で。
余りにも、悲しいモノなのかも知れない。