四日目 その弐
「さて」
両腕からぶら下がっているカゴを床に置くと腰に手を当てた。
「どうしたものかな」
目の前のベンチではカティが実に気持ちの良さそうな顔をして寝息を立てている。起こせば起きるだろう。肩を揺さぶって少し大きな声をかければ目を覚ますかも知れない。でもこれだけ気持ち良さそうな顔で熟睡されると起こすのも忍びなかった。学校まではそれなりに距離がある。そこを走って行き来すれば眠気に襲われるのも判らない話ではない。
だがまさか出先で堂々と寝られるとはついぞ想像もしなかった。最初に見かけた時は冗談かと思った。嘘でも演技でもなく本当に寝ているこの子を見た時、声を上げて笑いそうになってしまった。全く、仕方がないなあ。上の姉三人と比べると明らかに幼いものを感じる。特に長女との差は歴然だ。でも、それもまたこの子の個性の一つなのかも知れない。同時に魅力でもあった。
起こさないとなると既にやる事は決まっている。床に置かれていたカゴの持ち手に一つ一つ腕を通していく。荷物を全て腕で掬い上げるとカティに背中を向けて跪いた。カティの足を軽く掴んだ。するといい案配に体を前に倒して来た。夢の中で寝返りを打っているのかも知れない。カティの重心が後ろに傾かないよう体を前屈みにしながらゆっくり立ち上がる。背筋は伸ばせないが歩くには全く支障はない。バルコニーから降りると元来た道を戻って行く。
道行く人がこちらを見てクスクス笑うか感心するような目で眺めている。両腕に大荷物を抱えて人一人を背負っていたら嫌でも人目を引く。せめて端から見て微笑ましく映っていればいいが。目を覚ます前に宿に戻るのが理想だった。本人がどう思うかは判らないが、少なくとも衆目に晒される事は絶対に歓迎はしないだろう。
息遣いに併せて背中が微かに上下している。汗ばむのは日差しの暑さだけと言う訳でもなさそうだった。買い物の手伝いに出ただけなのに何故女の子を負ぶっているのか。自分の意図とは全く違った方向に事が進んでいる。それは今に限った話ではないが。
額から汗が一筋流れて落ちた。痒いが拭う事は出来ない。思わず溜め息が出た。だが別に悪い気はしない。普通の男なら役得だなんだと喜ぶのかも知れない。それを羨ましいと感じた事もない。全く以て面白味のない人間だ、我ながら呆れる。同時に呆れられるのも判る。と言ってもそれを理解出来るようになったのは本当につい最近の事だが。まだ自分の感覚だけでものを見ている。絶対的に誤りとは言えないと思うが正解ではない。その感覚がまだ掴めなかった。
心地良さそうな息遣いが耳元で聞こえた。本当によく眠っている。風邪をひかなければいいが、これだけ暑ければ羽織るものも必要ないだろう。不意に背中の彼女が下に少しだけずり落ちそうになった。弾みをつけて体を持ち上げた。首を捻るとすぐ目の前に寝顔があった。手を伸ばさなくても顎を傾けさえすればそれで頬が触れる、それくらいしか離れていない。年齢の割りには少し不似合いな幼さがある。それでも彼女が女性としての魅力に富んでいる事に変わりはなかった。上の三人も間違いなく美人だが、それとはまた違った何かがあった。単純な美しさだけでなく、それとは明らかに異質な何かを内に秘めている。それが何なのかが判らない。それでも、この子とこうして一緒にいられる事は素直に嬉しかった。時間が許す限り、この子の側で過ごす事が出来たら。
胸を拳で打たれたような衝撃を感じた。耳が、顔が熱い。気温に依るものとは明らかに違う。一時間全力疾走してもこんな熱さは感じない。痛みのように感じたのは鼓動だった。痛みと勘違いするくらい力強く、そして速く拍動していた。目眩がするくらい息苦しかった。足を止めて呼吸を整えたいが胸に手は当てられない。歩きながら呼吸を整える。耳の裏で血管がやかましく脈打っていた。
(これって、もしかして……)
思い当たる節はあった。話にも聞いている。それこそ耳にタコが出来るくらいに。ただ、何故今なのか。どうして……。
前を見ながらひたすらに歩き続けた。背中越しに気持ちの良さそうな息遣いが聞こえる度に呼吸が乱れた。
斧を一気に降り下ろすと軽い音を立てて薪が真っ二つになった。額から滲んでいる汗を拭う。始めてから優に一時間は経過している。少し疲れた。それでも動けないと言う事はない。半日やったら流石に堪えるかも知れないけど。割った薪を紐で括っていく。薪の束を二つ作ると肩に担いだ。
食堂では母がテーブルを拭いていた。間仕切りから時折姿を見せるのはミリアムとアリスだった。
「お疲れ様」
「二人は?」
「まだ戻ってないわよ」
カウンターの内側に廻ると担いでいた薪を間仕切りの前に置いた。
「ちょっと時間かかりすぎよ。全く、何処で油売ってるのかしら」
「お店が混んでるのかも知れないわよ」
それも全くないとは言い切れない。でも行く店全てが悉く混み合っているのはちょっと想像出来ない。週末ならともかく今日は平日だ。
「もう戻って来るわよ。夜の仕込みの時間もあるんだし、あの子がそれを知らない訳がないんだから」
知っていて尚遅くなるような事があったら説教は確定だ。折角だし一人で全部やらせてみるのも選択肢の一つか。そう、後々のためにも。
「遅くなりました」
巨大な人影が出入口から入る光を遮った。全く以てデカい背中だ。
「お帰りなさい。遅かったですね。あら?」
ウォッカを覗き込んだ母が微妙に首を傾げた。そう言えば、カティの姿が見えない。よく見るとウォッカの背中が少し丸まっている。丸めた両腕と体の隙間から足が顔を覗かせていた。
ウォッカの背中に回り込んだ母は手で顔を覆うと天を仰いだ。顔を背けたウォッカを無視して背後に廻る。全身から力が抜けた。
「迷惑かけるなって言ったのに……」
「別に俺は迷惑だなんて思っちゃいない。それならば別に何の問題もないだろ?」
「ない訳ないでしょ」
睨み付けると流石に黙った。子供のような屁理屈を真顔で言うな。
「よく寝てるわね」
母は末娘の頬を軽くつねりながら言った。他に言うべき事はないのか。
「これだけ気持ち良さそうに寝てたら先生でも起こせないですよ」
「そう? 私は叩き起こされたけど」
「俺は起こされなかった代わりに欠席扱いにされた」
それも手段としては理に叶っている。涎を垂らして寝ている人間を無理矢理叩き起こすより手段としては遥かに賢明だ。
「今は学校も終わってるし買い物も済んだし、」
ゆっくり腰を屈めるとカティを先に椅子に座らせた。安定して座った事を確認すると初めて荷物を床に置いた。中腰の姿勢で急ぐでも慌てるでもなく重石になるものを体から降ろしていく。
見ているだけで腰が砕けそうだった 。
「歩くのにも別に支障はないから起こさなかった」
腕にカゴの持ち手の跡がアザのようにいくつも残っているけど痩せ我慢しているようには見えない。赤くなっているから血が通っているのは間違いないだろう。
人間とは思えないが。
「だからもうしばらく寝かせてやってくれよ」
「何がだからなのよ」
「俺にも問題はなかったし学校から走って帰って来た後だから疲れてたんだろうと思ってな」
開け放たれた窓から吹き込む風はホンノリと暖かい。お昼ご飯を食べた後に走って息が上がれば眠くなるのも道理かなとも思う。それにこの陽気だ。
「あんたに免じてまだ寝かせてあげる」
「説教も免除してくれると尚有り難いんだが」
「出来る訳ないでしょ?」
眉間にシワを寄せて睨み付けると黙って顔を背けた。
腕を組んだまま椅子に座って眠りこける妹を見る。幸せそうな顔して寝やがって。私も眠いのに。人差し指でカティの頬を突っつく。覚束ない手つきで頬を掻いた。やっぱり可愛い。
「どうしたの? あ」
厨房から出て来たアリスが声を上げた。表情より先に声が綻んでいる。
「可ぁ愛い~」
首に抱きついて頬擦りしている。暑苦しい愛情表現だった。規則的な息遣いを聞いているとこっちまで眠くなって来る。
「羨ましいわ」
ミリアムはモップを壁に立て掛けるとカティの前で膝を折った。指の背で頬を撫でる。
「私も少しお昼寝しようかしら」
「学校で済ませりゃいいじゃない」
アリスが当たり前のように言った。それもある意味正論だ。堂々と口に出来る神経はいかがなものかと思うけど。
「そういう事は冗談だけで済ませて欲しいわね」
背後に立った母は穏やかに笑っている。下手に怒るより余程怖い。
床に置かれていたカゴをいくつかまとめて持ち上げる。軽々持てるようなものは殆どない。これに人一人を抱えてここまで歩いて来たのだ。
「ホントに有り難う、ウォッカ。助かったわ」
返事はなかった。代わりに間の抜けたような沈黙があった。
「ウォッカ?」
口を半開きにしたまま呆然と立ち尽くしているウォッカがいた。火が点いたように赤い顔をしている。
「ウォッカ、どうしたの?」
ウォッカは口元を手で覆った。眠っているカティを息を呑むような表情でただ凝然と見詰めている。
「ウォッカ」
「わ」
目の前で手を左右に振ると初めて反応があった。聞こえていないと言うより完全に自分を何処かに置き忘れていたような反応だった。
「どうしたのよ、さっきからボーッとしちゃって」
「べ、別にボーッとなんか……」
「何処がよ。何回声かけても返事の一つも寄越さなかったじゃ……」
言っている先から視線が逸れて来た。憑かれたように眠りこける妹を見詰めている。
「コラ、いい加減にしろ!」
「わ!」
声を上げると床に尻餅を突いた。焦点の定まらない目を宙に泳がせたまま肩で息をしている。一体どうしたと言うのか。いつもとは明らかに雰囲気が違う。
「な、何でもない。ちょっとボーッとしてただけだ」
「だから何でボーッとしてるのよ」
あれだけ酒を呑んでも、抜き身の真剣を突き付けられて殺意を露わにされても全く動じず顔色も変わらなかったウォッカの顔はすっかり紅潮していた。目は虚ろに宙を泳いでいて焦点を結んでいない。降り下ろされた真剣を素手で受け止めて叩き折るような男が大袈裟に肩を上下させて息をしている。
明らかに動揺していた。それもかなり激しく。
「取り敢えず、立ちましょうよ」
「あ、ああ」
顎に打撃をもらった直後のように足元がフラついている。今にも倒れそうだった。
「あの、ウォッカさん」
「え? な、な、な、何?」
声が完全に裏返っている。隣にいるアリスと目を見合わせるとミリアムは困ったように頬を掻いた。
「言伝てがあるんですが、よろしいでしょうか?」
「こ、言伝て?」
目を白黒させている。一人芝居でもするように表情が目まぐるしく変わる。
「司祭様がウォッカさんにお会いしたいそうで、お時間を頂けないかと」
「会いたい? 俺は別に構わないけど」
「その、時間が今日の夕方の五時に教会に来て欲しいみたいでして」
「五時って、もう三十分もないじゃない」
壁の掛け時計を指差すとミリアムは眉間に指を当てて顔をしかめた。それを承知の上での事だったのだろう。
「わ、判った。じゃ取り敢えず行くわ」
笑いそうになっている膝を無理矢理押さえつけながらぎこちなく足を動かした。酔っ払いの方がまだまともな足取りだった。
でも店を出たかと思うとその後はあっという間に見えなくなった。砂煙だけが名残りのように尾を引いている。
「足速~い」
アリスは額に手をかざして砂煙の向こう側に目を凝らした。当然ウォッカの姿はない。
「これだけ速ければ体育祭でも引っ張りだこだったでしょうね」
「そんな事より、」
椅子に座ると足を組んだ。頬杖を突いたまま横目でカティを見る。
「何だったのかしら」
「何が?」
「ウォッカの様子よ」
話が飲み込めていないアリスにミリアムが横から言葉を添えた。
「ウォッカさんがどうしたの?」
「いつもと明らかに雰囲気が違ってたでしょ?」
「そう?」
目を丸くしたまま首を傾げている。見えていないのか、変化に気付いていないのか、何れにしても観察も洞察がまだ足りていない。単細胞だから仕方ないか。
「確かに顔は赤かったけど」
何故顔が赤かったのか。あんなにも動揺する理由が見当たらない。
「こんなに暑いんだし顔が赤くなったって不思議はないでしょ」
こいつにかかると形無しだった。疑問に感じるとか深く考える事をしない。実際に暑いからその可能性もなくはないけど。でもそれだけだとあの狼狽振りを説明出来ない。
「ま、いいか」
そこまで気に掛ける事でもないか。気になるなら本人に直接聞けばいい。
本当に穏やかな顔で眠っている。唇の端から涎まで垂らすおまけつきだ。ここまで気持ち良さそうに寝られると怒る気も失せる。頬を指先で軽く弾いた。硬く目を瞑って頬を掻くとまたすぐに寝息を立て始めた。
体が大きく傾いた、ような気がする。目が見えていないので判らない。傾いた体を反射的に元に戻そうとした瞬間、一気に意識が現実に引き戻された。
「あ、やっと起きた」
テーブルを拭いていた手を止めるとミリアムがこちらを見て笑った。何故ミリアムがこんな所にいるのだろう。いや家の外にテーブルがあるのがそもそもおかしい。
そこまで考えた瞬間、完全に意識が覚醒した。
慌てて手元を見る。あれだけ抱えていたカゴが一つもない。それによく見れば見慣れた自宅の食堂だった。まさかここまで瞬間移動した訳ではあるまい。
「私、ひょっとして寝ちゃってたの?」
「ひょっとしても何も完全に熟睡してたわよ」
なら、どうやってここに帰って来たのか。目は覚めたけど意識が飛ぶ前後の記憶が非常に曖昧だった。それでも必死に記憶の糸を手繰っていく。
えっと、さっきまで彼と一緒に買い物に行ってて、彼がお米を買い終わるまでベンチに座って待ってたのよね。その前後から物凄い睡魔に襲われてて、必死に抵抗しながら目を閉じたら……。そこから先の記憶がない。より厳密にはここにいた。
顔が音を立てて引き攣っていくようだった。考えられる可能性は一つしかない。
「ウォッカさんが、ここまで運んでくれたの?」
「それ以外何があるって言うのよ」
他の可能性があるならそれがどんなものか教えて欲しかった。夢遊病にでもなっていれば無意識にここまで歩いて帰る事もある、訳がない。そうなったら夢遊病ではなく完全に病気だ。それもかなり質の悪い。
「あなた全然覚えてないの?」
ごまかすとか煙に巻くとか言った考えは全く浮かばなかった。素直に頷く。
途端に脱力するようにミリアムの表情が崩れた。呆れると言うよりも仕方なさそうに顔を歪めている。
「まさか買い物の最中に寝るなんてね」
絶対に誰も考えないし仮に考えたとしても実行に移すなんて想像もしないに違いない。では全く考えなかったけどしっかり実践したカティは一体何なのだろうか。
自分で自分に素で引いた。
「疲れてたのは判るけど寝ちゃダメでしょ」
「私だって寝たくて寝た訳じゃ……」
「実際寝てたら意味がないじゃない」
返す言葉がない。眠かった事は事実だけど積極的に寝ようと言う意思があった訳じゃない。結果的に寝てたら変わらないけど。
「一緒に行ったのが彼で良かったわね」
ミリアムはカティの頭に手を置いて言った。誰かと違って露骨な嫌味を浴びせるような野暮な真似はしない。
自分には過ぎた姉だな。時折思う。その分イリナが厳しいから釣り合いは取れているのかも知れないけど。
「みんなは何て言ってるの?」
「呆れてるわ」
仮にそれが事実だとしてもそこまで素直に伝えないで欲しい。全てを包み隠さず晒すよりも適当にお茶を濁すいい加減さくらいあってもいい。
「もう半分居候みたいな感じになってるけど立派なお客様なんだから、こちらから迷惑をかけるような真似なんか出来ないでしょう?」
怒るでもなく、況してや責める事もなく噛んで含めるように懇々と説いて聞かせる。下手に怒鳴られるよりも余程堪える。普通に考えるまでもなく絶対にやらないような事だ。それを無意識とは言え結果的にやってしまっている。
穴があったら入りたかった。ちょっと、いやかなり落ち込む。
足音が少しずつこちらに近付いて来る。目の前で止まると隣の椅子に腰を下ろした。
「ライザとイリナから聞いた」
父は前を向いたまま言った。視線に気付いたのか一瞬こちらを伺うとやっぱり仕方なさそうに顔を歪めた。
「人に迷惑かけるのはまずいよな」
顔を上げられなかった。彼の性格を考えるなら気にしないと言われそうだけど、そういう問題ではない事くらいは判る。
「春眠暁を覚えず、って季節だからな、眠くなるのも頷けない話じゃないな」
昼寝には打ってつけ日和だ。疲れていなくても眠くなる。理由にはならないけど。
「そう言えば、ウォッカさんは?」
「さっき出掛けたよ。何でも司祭様が彼に用があるとかって話だが」
気持ちがゆっくりと萎んでいく。せめてすぐに謝りたかった。
「そんなに落ち込まなくていい」
笑って済ませるにはあまりに図々しい。神妙にしている方が余程まともだと思うけど少し大袈裟に見えたのかも知れない。少なくとも父には。
「別に、そこまで落ち込んでなんかいないよ」
「ならいいが」
若干張っていた父の頬から少しだけ力が抜けた。右の掌を頭に載せる。昔と比べると父が随分小さく見えるようになったけど、手の大きさは変わらない。温かかった。
「ただ反省はしてくれ」
してる、とは咄嗟に言えなかった。言葉にする事自体は簡単だけど、安易に言葉に変えたくなかった。
「はい、反省します」
ウォッカは飽くまでこの宿のお客様であってカティの友達ではない。さっきは一緒に写真も撮ったけど。不意に、ウォッカがここに来てから起こった一連の出来事が頭を過った。自分にとってのウォッカは一体どんな存在なんだろう。そしてその逆は。どうして突然そんな事が気になったのか。一度動き始めた考えは止まらない。ウォッカの中でカティはどうありたいのか、どうあって欲しいのか。妄想を伴った願望が頭の中で目まぐるしく回っている。さっきとはまた違った意味で顔が熱くなって来た。
いつの間にか椅子から腰が浮いていた。
「薪、取って来る」
考えての行動ではなかった。一秒でも早くこの場から離れたかった。こんな顔、誰にも見られたくなかった。鏡すら見たくなかった。
ウォッカが戻ったら、謝るよりも先に聞きたい事が出来た。聞けるかどうかは別だけど。それまでに頭の中を整理しておきたかった。
足早に店を出る。吹き付ける風が火照った顔に心地好かった。




