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ブナケデス  作者: あるばいと
カンザキ師匠編
27/57

1-25 第一次 クラン メンバー

 まずは どーしてこうなったかの説明は後回しにしますわ~


クランを制作した。


クラン名・・・ブナケデス


現在のメンバー

メンバー名     職業

俺          旅人

カエナ       お嬢様

セバスチャン   執事

バセリオン     聖騎士

ロッサ       聖騎士

アトリーヌ     翻訳家

レグイア      王子

クロネコ      スーパー黒猫


 さて、質問は? ありませんか? 無ければ話を続けますよ?

 はっはっは 何を言っているか聞こえませんあ~。

 あぁ、そーですか。やっぱり説明しろと……とくに王子がクランにいるあたりを……。そりゃそうか。



 城から逃げ出した後、当然だが行く当ては教会しかない。

 王族とまともに張り合える場所となれば一択だ。逃走生活という選択肢もなくもないが、あえて選ぶ必要性はない。王族と教会がグルになっている可能性も低い。そうなればまさに駆け込み寺としてはもってこいなわけだ。


 アトリーヌと翻訳するために置かれていた本を頂いてきた。放っておけば王子の暗殺を企んでいる悪人にされてしまうので早めに最高司祭のおじいちゃんと連絡が取りたい。


 アトリーヌは獣人の姿から人の姿に変わっている。獣人は人に変身する能力を生まれたときから有しているらしいが、首輪のせいで変身が出来なかったとか。

 変身してしまえば、まったく人間とは区別がつかない。それでも正体を見破る魔道具があるらしい。人に見つかると首輪を付けられ奴隷にされてしまうとアトリーヌが言っていた。 


 教会に着くまでは尾行されていた。アトリーヌすら気づくようなあからさまな尾行……とはいえ、相手はこちらに手出しは出来ない。何せ王子の首輪の鍵を持っているのだ。不用意なことをすれば王子の命が危ない。逆に襲ってくるようなことがあれば、それは首輪を爆破できる効果範囲の外ということになるが、こんな尾行をする奴らが それを知っているとは考えづらい。

 行き先だけ確認するためだろう。


 教会に着き扉を開けると知らない女性の司祭がでてくる。シスターじゃないんだなぁ。


「あら、どうしたのかしら?」

「至急、最高司祭に会いたいのですが……」

「申し訳ないけど、最高司祭のベルモンド様は大変忙しくてお会いにはなれないのよ」


 子供に言い聞かすように……というか、今は子供だ、俺は……。

 俺がどういう人物か聞いていないのだろうか? おそらく、上層部では俺の行方を捜しているとおもうんだが……。


「カンザキという名前なんですが……」

「珍しい名前ですね」


 ダメだ。埒が明かない。

 アトーリーヌは俺の服の裾を握ったまま離さない。離して迷子になられても困るので構わないが……。

 それよりも、どーしたものか……。


「それじゃぁ第一位司祭か第二位司祭でも……いや、この際だから聖騎士のバセリオンかロッサ、または第一位司祭の娘のカエナか執事のセバスチャンでもいいんですが!」

「あら、いろんな方の名前を知ってるのね~」

「そのうちの誰かと話せませんか?」

「でも、みんな忙しくてね~」


 こっちも忙しいよ! ってーか、その忙しいのは俺がいないからじゃねーの? そして、誰か一人ぐらい残ってろよ。俺が自力で戻ってきたときのことは考えられてないのか?


 そこに一人の女の司祭が通りかかる。


「あら! カンザキさん!」


 あー、あれだ! 初めて異世界で見た人で馬車にいた……えーと、名前が出てこない……なんだっけ、ほら、なんだ?

 まぁいいや、これで何とかなりそうだ。


「すみません! 助けてください!」

「だいたいバセリオンから聞いています。私以外はカンザキさんの捜索に出ています」


 すぐに中に入れてもらえる。

 どうやら一人残っていたのは彼女らしい。ちゃんと残ってた。疑ってスマン大地神ガナスの女高司祭の人。

 しかし、一般の司祭にも状況を説明しておいてよ~。


 大きな部屋に通される。


「すみません。扉の前で押し問答があったようですね。自力で帰って来る可能性も考えて私が待機していたのですが……事が事だけに一般の司祭には知らされていないのです」

「そうだと思いました!」

「嘘ですね?」

「すみません、嘘です。疑ってました。そんなことより至急、最高司祭様を呼んでもらえないでしょうか?」

「王族……のことですね。『王に呼ばれて連れて行かれた』とバセリオンの報告を受けています。そのためベルモンド様は大きく動かれていて、すぐには戻ってこれません」


 女の高司祭の話を聞いていると、足元に黒猫がまとわりついてきた。

 嫌な予言を告げるのはこの黒猫だけじゃぁないんだな。アトリーヌも袖を引っ張る。


「残念ながら、そんなこと(・ ・ ・ ・ ・)を言っている場合じゃなくなりました」



 その日のうちの夜に、王様と第一位司祭の非公式会談が行われることになる。

 教会の特別室……窓は無く、机は上座下座が出来ないように縦に入れられ、左右に椅子が並べられている。頑丈そうな壁……出入口は一か所の扉のみ。万が一のことを考えて作られているのだろう。


 教会側のメンバーは第一位司祭ビギヌス。相変わらず太ってる。それと俺、アトリーヌ、クロネコ(ついで)、聖騎士で青髪のバセリオン。

 王様側は当然、王様(名前は知らない)、王子(首輪は外れていない)、近衛兵×4


 最高司祭ベルモンドの方が頼りになるんだけど、残念ながら外出中。第一位司祭のこの人間(?)に任せるしかない。椅子が極端に大きい……専用の椅子なんだろうな~。

 そして対面する王様。いかにも王様って感じの男だ。長身でガタイもよく白髪に白髭、年齢は40半ばくらい。王子はふてぶてしい態度で椅子に座っている。近衛兵は何かあってもいいように後ろに控えている。

 さすがに この場に傭兵は入れないか。それに王に内緒で王子が雇っていた可能性が高いしな。


「よくおいで下さいました。ルードビッヒ国王」

「『よくおいで下さいました』だぁ? ビギヌス!」


 王は怒りで顔が赤い。当然か、息子の首に『隷属の首輪』なんてついていれば……


「本題に入る前に一つ提案があります」

「奇遇だな。こちらもだ! まずは息子レグイアの首輪を外してもらおうか!!」


 その言葉に対しては俺が反応する。ちなみに黒猫も反応しているが無視する。言葉わからんし……。


「それについて説明するためにも来てもらっている」

「この小僧は何なんだ?」

「先日、議題に出た少年です。王子が監禁していましたが……」

「な……に……?」


 そこでルードビッヒ王が初めてレグイア王子の顔を見る。が、王子は当たり前のように嘘を吐く。


「そんなことはしていませんよ、父上。その少年が突然、襲い掛かり私の首に……」

「あーっと、王子様! 先に提案の方をお聞きください。なに、簡単なことです。このまま話し合いになれば水掛け論になるのは明白」

「私の息子が嘘を吐くと?」

「でしたら、こちらの少年も嘘を吐きません……と申すまで……ですので、虚偽判別魔法(センス・ライ)の使用許可を頂きたいのです」


 デブがカラカラと肉を揺らしながら笑う。味方なのに、なんで こんなに悪人臭がするんだろう。


「ビギヌス、それは王族に対する侮辱か?」

「あぁ、申し訳ございません。王や王子に虚偽判別魔法(センス・ライ)を使用する……といった意味ではないのですよ。この少年にだけ(・ ・)使用させていただけないかと言っておるのです」

「なん……だと?」

「我々は、語るのはこの少年だけで十分なのですよ、ルードビッヒ国王。そして、王子の首輪のことなどどうでも良くなるような話があるのです」

「それは『王子の命がどうでもいい』と言っているのと変わらんぞ、ビギヌス!!」


 さすがに王が苛立ち机に拳を力任せに叩きつける。だが、第一位司祭は涼しい顔だ。


「ルードビッヒ国王、それを判断するのは話を聞いてからです」

「よかろう、納得できなかったらどうする?」

「そうですね~。この少年の首を差し上げましょう」

「そんな価値があるのか? ……いや、事実なら その価値は計り知れないか……うむ? まさか……」


 王もどうやらバカではないらしい。

 俺の話が出たところで『王子に首輪を付けた者』から『本を翻訳する者』へと見方を変えてきた。それこそが本題。王子の首輪はついで(・ ・ ・)といったところだ。


「この少年が真実を語っているか、虚偽判別魔法(センス・ライ)を使用してもよろしいでしょうか?」

「そういうことなら、よかろう。その少年だけに使用を許可しよう。本の内容だな」

「ついでに王子の悪巧みも少々、バラさせていただきますがね」

「構わん。外に漏れることもあるまい」

「それは黙認していた……ということですかな?」

「多少はな。ただし、今回の内容次第ではそれなりの罰を与えねばなるまい」


 その言葉は俺にとってちょうどいい。

 椅子から立ち上がり話しはじめようとすると王子が喚き散らすが、すぐに王により黙らせられる。


 語ることは王の呼び出しだと嘘で王子に捕まり、鞭打ちなどを食らったり、アトリーヌの扱いなど、それは酷いと報告する。そして、その間中、体が青白く発光している。どうやら真実を語っている時には青白く、嘘を吐くと赤くなるらしい。

 俺の説明を王子は繰り返し『嘘だ』と叫んでいたが、この状況で嘘も何もあったもんじゃない。


「そんなわけで、この王子の首輪の鍵を売ろうと思うんですよ」

「国に吹っかけるのか、少年?」

「いいえ、まさか!」

「なら、いくらだ?」

「100万G」

「王子の命としては破格だな。すぐに払おう。それでお前の気が済むなら……」

「ありがたいことです……ですが、残念なことにすぐに払えないんですよ」

「どういうことだ?」

「さっきも言いましたでしょ? 『国に吹っかけない』って! 王子に冒険に出て稼いでもらいます。獣人の奴隷としてね」

「バカな! そんなこと……」

「ここからが本題ですよ国王様。この王子が持っていた書物の翻訳……ブナケデス……『空の器』……『まだ満たされていない者』……王子もゼロから始めれば可能性があるんでお願いしたいわけです」

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