0話・誕生日
レイビアを育ててから早十年……現在、レイビアは……何歳だ?
「レイビア、お前、今何歳?」
ソファーにぐっだり横になりながら、ジャンプを呼んでいる。
「十三歳です。」
十三か~。もっとも拾った当初は自分の年齢も知らなかったから、適当に年齢と誕生日を決めたんだっけ?
「カンザキ師匠は何歳ですか?」
「んぁ? おれ? 三十四……もうそんなになるのかぁ……会社辞めてぇー」
「やめられないんですか?」
レイビアは重りの付いた剣を二刀流で振っている。多少は強くなったが、まだまだだ。たぶんウチらの誰にも勝てない。ハンディーを付けても話にならないだろう。
「明日、誕生日だっけ?」
「ソウナンデスヨ……」
ガタガタ震えている。レイビアは誕生日に良い思いをしたことがない。
「ただいまー! なに震えてるの? コイツに苛められてた?」
「イジメテねーよ。明日、誕生日なんだって」
「あぁ、だから震えてるのかぁ」
当たり前のように受け流す。
「黒猫さんがやり過ぎなんですよ! 五歳でゴブリンと一騎打ちとか無理ですって!」
「六歳のときは、五歳の時に半殺しにされたゴブリンと二対一で闘わされてますもんねぇ」
買い物に行っていた魔法使い、僧侶、戦士が帰って来ると震えているレイビアの頭をグリグリ撫でる。
「七歳のときは……なんだっけ?」
「教えてもいない『魔法を使え』って言って、地下五階に武器防具を取り上げて、置いてきたんじゃなかったでしたっけ?」
「たしか、中級冒険者がよくいる場所だな。」
色んな買い物の中から、鶏肉らしき物体が出てくる。
「あれ? なにそれ? 何の鳥? 美味いの?」
「マズイですよ! でも、安かったんで買ってきました!」
「なぜ不味いモノを買ってきて、嬉しそうに言う!」
「食べるのが、アンタとレイビアだから!」
「えぇー明日、誕生日なのに私も食べるんですか!?」
「今日は誕生日じゃない!」
「いやそうですが……黒猫師匠……」
「大丈夫です。美味しいものはカンザキさんが明日、買ってきてくれます。ポテトチップスノリ塩とか、ノリ塩とか……」
「それは誕生日じゃなくとも買ってくる」
「昨日は無かったじゃないですかー!ヤダー!」
「そういえば十四歳になったら騎士団学校に入れるんじゃなかった?」
「はい! ただ、私の力で騎士団学校を卒業できるかどうか……」
最近、国が作った騎士団養成学校。
別に俺たちは作ろうとは思っていなかったが、国が作ってくれたのならレイビアを入れてみるのもいい経験だろう。どうせ、大した役には立たないだろうが……。
入学は金さえ払えば誰でも入れる。ただ卒業できるのは相当な実力者か、貴族か、金持ちのみ……。
「あはっはっは! あんたが卒業できるわけないじゃん!」
「まぁ、目指すところは騎士ではないのでどうでもいいですよ。卒業なんて」
「でも、実力があれば卒業できると……」
「卒業は出来てもできなくてもいいのよ! 目的を履き違えんな! あくまでも他の奴らと話して見聞を広げることが目的。成績は最低にでもなっておきなさい。そんなものよりジャンプの方が役立つわよ!」
「役だたねーよ!」
「そーいえば、肉マンの単行本はぁ?」
「来週ーぅ。まだ出てないよ」
「レイビアは重りをはずして、センと練習して、それが終わったら、ノリ塩から勉強教えてもらって~」
「はい!」
「いえ、『はい』じゃなくって……私は『ノリ塩』って名前ではないので……」
「分かりやすくっていいじゃない!」
「ちっともよくありません!」
「まぁ、とりあえずは明日の誕生日ねー。明日は二十四階のボス?リッチ。アンデットの王とか仰々しい名前が付いている奴を倒してきなさい! 何か復活したらしいから! 見張りはカンザキがするから!」
「えぇー俺がすんのー! 自分で行けよ!」
「あたしたちは忙しいのよ。色々実験しなきゃならないんだから!」
「どーせ、世界に害のある実験しかしないんだから、むしろヤメとけ!」
「ぶっ殺すわよ!」
レイビアは不穏な空気を読み取り、戦士のセンと剣の稽古をしに出た。稽古といってもセンに全く歯が立たない。どんな攻撃も、どんなフェイントも一切受け付けない。全て一撃で叩き落される。ハッキリ言って自信喪失するのは当たり前なのだが、嫌がってもやらされるので考えずに身体を動かす。
昔、この厳しい家が嫌で家出をしたことがあったが、魔法使いの黒猫師匠に家を出て三十秒で連れ戻された。あのとき師匠からは逃げられないことを知った。
まさか『逃げる』という意思を感知されるとは思わなかった。
今回のリッチ退治も無茶な話だ。二十四階まで行ったことのあるパーティーは二組しかないという話。しかも、その階層のボス、リッチを倒したことがあるという話を聞いたことがない。師匠たちの話だと、二十四階に行ったことがあるが、だいぶ昔でその時はボスがいなかったとか……。
しかし、師匠たちが本当のことを言っているか疑問にも思っていた。国でどの冒険者パーティーが何階まで進んでいるか告知されているのに、黒猫師匠たちのパーティーは十階以上到達してないことになっている。
思いっ切ってセン師匠に聞いてみる。見栄を張っているだけかもしれない。
「本当に到達したんですか?」
「なにがです?」
「二十四階に到達したという話です。国で発表されてません。」
「報告していませんから、発表はされないでしょう」
「!? なんでですか! だって凄い大金や名誉が入るじゃないですか!」
「私たちは今以上のお金は現在必要ありません。それに名誉も私たちは求めていません。それと一つ訂正しておきます。私たちの最高到達点は二十五階です」
「それって、誰も到達していない所ですよね!? 凄い事じゃないですか!!」
「安心しなさい。貴方もすぐに行くことになるから。具体的には明日」
「………………。……え?」
「当然でしょ。二十四階のボスと闘うんですから、その後、二十五階に行きます。不思議なことはなにもないでしょう」
「ん?……待ってください……あれ、明日、私、命のピンチじゃないですか? だって上級冒険者でも二十四階に到達したのが二組で、その階を突破してないんですよね?」
「そのようですね」
「それは、ボスと闘ってないか、闘うまでの実力が無いかのわけですよね?」
「そうなりますね」
「そのボスと私が闘うわけですよね?」
「そうです」
「無理ですよ!! セン師匠っぅ!! 黒猫師匠たちに無理だと言ってくださいっぃい!!」
「それは無理です」
戦士のセンに泣きついてみたが、あっさりと拒絶された。
◇
俗にいう誕生日だ。私にはいい思い出は無い。ダンジョンに連行されている最中だ。
両親はいた覚えはない。物心ついた時にはこの家にいた。
誕生日は師匠たちが勝手に決めた。私に選択権は無い。まぁ恐ろしい連中だ。
「あんた、心の中でロクなこと考えてないでしょ!!」
「いたたたっ、黒猫師匠っぅう。ヤメてくださいっぃいい!」
「やめふぇあげなひょ」
「アンタも口の中にポテトチップスいっぱい詰め込んで喋んな!」
「もぐもぐ……」
シャーリ師匠はカンザキ師匠がかってきた『お徳用サイズ』という、いつもより三倍くらい大きいポテトチップス(うす塩)をバリバリ食べている。私も好きなのだが、この人のノリ塩好きは異常だ!
「レイビア! 私の悪口も考えていたでしょ!!」
「いたたた、頭、頭割れますからグリグリヤメテー!!」
「いいですか、アナタはノリ塩の美味しさを理解してません!」
「意義あり!!」
「出ましたね! コンソメパンチ派!」
「コンソメパンチは味として成り立っているが、ノリ塩って塩じゃん!!」
「そうです! それがいいんです。 ジャガイモに塩、これ最強」
「ちょーっと待ったぁ!」
「カンザキの異論は認めません!」
「まぁ、カンザキだしねー」
「おかしいだろ! 俺も混ぜろよ!」
「ダメです。なぜなら、カンザキはそもそもポテトチップス派閥じゃないからです!」
「くっ! バレたか……どさくさに紛れて小枝を織り交ぜようとしたことを……」
「チョコじゃん、それ! チョコじゃん!!」
「なんか小枝でさー『大樹の小枝』ってーのがでたんよ」
「なにそれ、新商品! まだ、食べてない。買ってこい!」
「いや、もう、只のチョコなんだよ、あれ。小枝関係ないよ!」
「それは、食べてみないとわかりませんね」
「もうこれくらいの大きさあんの。具体的にはスニッカーズくらい」
手で大きさを示す。
「なるほど、大樹の小枝なわけだ」
「小枝のいいところを全部切り捨てて、チョコに特化しただけですね」
「まぁ、上手いわけだが」
「チョコとコーラーを飲む奴の考えることはわからん」
そこで私たちはダンジョンの入り口の門番に声をかけられる。
ココの門番は大体、十人前後で見張っている。もしも、魔物が出てきた場合に備えてだが、出てきたことはない。冒険者がココから潜っていくのだから、当然なのだが……。
「で、入るの? 入らないの?」
「入ります!」
放っておくと師匠たちはお菓子の話しかしない。私が色々進めていかなければならない。門番の人に人数分のお金を払う。どうやら、また洞窟の中に入る値段が上がったらしいが、文句どころか、話題にも触れない方がいいだろう。
「なに~。また、値段上げたの~」
早速、話題に出してる~! ゴタゴタ起こさないで~!
「何か文句でもあるのか。王様の命令だぞ?」
「おいっ」
門番が黒猫師匠に掴みかかろうとしたところを仲間に止められる。止めた方が正解だろう。なにせ黒猫師匠は軍隊相手でも一歩も引かないどころか。軍隊を壊滅させかねない。
小声で門番同士が話している。喰ってかかろうとした門番が舌打ちした。
「チッ、いい気になるな、冒険者! さっさと入れ」
「す……すみません」
私が謝って、さっさと入る。
中はランタンがところどころにぶら下がって明るい。一階から五階くらいまではランタンが通路にある。安定した安全性が確保されているらしい。とはいっても、別段、誰か助けてくれるわけではない。国が冒険者をランタンの見回りとして雇っているだけ。それ以降の階層は危険で余裕がない。上級冒険者なら出来るだろうが、彼らはさらに深い階層に潜るか、金額が高くなってしまう。巡回できる冒険者の数が増えないことには、値切ることが出来ないというのが現状だ。
「はぁー。どうしよっか?」
「エレベーターでいいんじゃないか」
ちょっと進むと地下十二階まで行けるエレベーターがある。金額が高い。これだけでちょっとした金額が飛ぶ。とくに深くなればなるほど。もちろん、それを払える金額は持っている。
「テレポートの魔法もあるのよね~」
「それは怖いですねー」
テレポートを甘く見ている冒険者も多いが、大抵は生半可な覚悟で使って、それ以降見なくなる場合がある。出る座標を間違えれば大変なことになる。上空、海中、地中……どこに出てもほぼ即死。建物の壁の中になど最悪だ。目視できる範囲でも、ちょっと行き過ぎただけで危ない目に遭う。そのときちょうど、誰かが飛び出して来たら……それは恐ろしいことに……。だから、大抵の魔術師は使わない。ましてや目視できない所など。ただし、人命がかかわる時など使う者がいないわけではない。
「よし、一か八かテレポートで行きましょう!」
「ちょ!? 今、怖いって私 言いましたよね!!」
「お前の言うことなど知らん。私が使いたかったら使うのよ!!」
中途半端に逃げるわけにもいかない。下手に逃げたら半身だけテレポートとか即死間違いなしだ。しかも黒猫師匠は無詠唱でテレポートを使う。
一瞬にして体が揺らめく。
当たりが真っ暗だが、どうやら壁の中でも空の上でもないらしい。
誰かが指を鳴らすと……というか、黒猫師匠だろう……一気にダンジョンの端から端まで光の魔法が行き渡る。
おかげでよく見えるが……。
「なにか……蠢いて……ちょっと多いんじゃないですか?」
「そんなの知るか!?」
かなり遠いところに二~三十体の蠢く物体を爆発系の呪文で一撃で吹き飛ばす。
「あー。死霊の方々みたいでしたから、私の方が適任の役でしたね?」
「遠くってよく見えなかったわよ。どっちにしろ、片付いたからいいじゃん?」
「なんで、そんな結果オーライなんですか! 人間の可能性だってあるじゃないですか!」
「流石にそれはないだろ? とりあえず休憩するか」
「まだ、テレポートしてきただけだら休憩は早すぎでしょ」
結局テクテク歩くことになるんですが、黒猫師匠は魔法を詠唱して空中に、この階の地図を映像で出す。
魔法らしいが私には使えない。そもそも魔法使いでもないし、魔力についての勉強はしたが魔力なんて私には無かった。
この階のボスまでの道のりが一気にわかるわけだが、この魔法が使える人間がこの都市には黒猫師匠しかいないらしい。ホントか嘘かはわからない。
なにせ私はまだ『冒険者ギルド』なるところに行ったことも無ければ、騎士団学校にもまだ通っていない。
そのため、常識的な魔法や、武器、冒険用道具などがわからない。なぜなら師匠たちが『異常』だということだけはわかっているからだ。
少なくとも、バックパックにランタンやらロープやら必要な道具があるはずだ……。それをまるで、近くの八百屋にでも買い物に行くような格好でダンジョンに潜る。
おかげで必要な冒険者道具を知らないままダンジョンに何度ももぐっている。覚えられないのではない、知らないのだ。
そんなことをぼんやり考えていると、見たことも無いモンスターの群れが吹き飛んだり、崩れ去ったり、破壊されながら、重厚感ある大壁の前まで来るとそれを魔法で吹き飛ばし隠し扉を発見する。
ココに階層ボスがいる……私でもわかるほどの魔力が扉の隙間から洩れている。
「ここですかね~?」
「うーん どうだろう? たいしてオーラも魔力も感じないから違うんじゃないかなぁ?」
いや いや、圧倒的な魔力を誇ってますよ、黒猫師匠!
シャーリー師匠が扉を開けようとしたが、ビクともしない……というか、鍵がかかっているのだろう。鍵穴がある。
ほぼ一直線に歩いてきたから、鍵の探索などしていない。ひょっとしたら、先程 倒した魔物の群れがカギを所持していた可能性もある。彼らが復活しないと鍵が手に入らないかもしれない。
そうそう、このダンジョンは倒した魔物はある一定時間立つと復活する。理由はよくわからない。黒猫師匠が説明してくれたのだが……大まかに言うと「魔界から魔力が流れてきて、それで復活する」とか そんな感じ。
「扉が開かないなら、今日は一旦 地上に戻りませんか?」
「アンロック」
ガチャリと扉が開く……。
どうやら私の言葉を聞く気はないようだ……バランスブレーカの師匠は……。
重たい扉を開くと、闇色のローブを着たスケルトンが姿を現す。私は姿を一瞬見ただけで足元がすくむ。
「くっくっく……久しぶりに人間に会うなぁ……我が名はっぁあああああ!!」
セン師匠が真っ二つにした。断末魔を上げ、煙となって消えていく。何かアイテムを落した。輝く剣のようだが、まったく無視して奥へと進んでいく師匠たち。どうやら下に降りる階段があるようだ。
「この階は終わりみたいね」
「残念ですが階層ボスはいなかったようです。レイビアの修行相手はいなかったようです」
「そーねー……そーですねー」
もう、いっそう師匠たちが言うように『ボスなんていなかった』説を押していこう!そうすればこれ以上 無理に対戦させられるとこともないだろう。
輝く剣を拾っておく。師匠たちは無関心だが、売れば物凄い金額になる代物なのは間違いない。なにせ こんな深い階層まで来れる冒険者が少ないのだ。プレミア品 間違いなし!そんなことを思っていたら、シャーリー師匠が私の方を見た。やばい? 怒られる?
「そーいえば誕生日プレゼントを渡していませんでしたね~。それは誕生日プレゼントとして取っておいてください」
「えぇ!? いいんですか!?」
「いいわよ、そんなモンならいくらでも……そんなことより、私たちも用事あるのよね……どうしようかしら?」
黒猫師匠は私が初めて『誕生日プレゼント』を貰ったということを知らないのだろう。全く興味が無さそうだ。重要なことなのに……これで忠誠度は大きく変わると思うのですが……。
「しょうがない。次の階層のボスにするか?」
なんか、カンザキ師匠が訳の分からないことを言いだしたぞ? 何言ってんだ、このクズ男は? 弟子を殺す気か?
そして、それに乗っかる黒猫師匠。面倒なことは一切考えない師匠らしい判断だ!
「そうしましょう。まぁ、時間が無いから後はカンザキ。よろしくね~」
「え? 俺一人で面倒見るの?」
「当然ですね。私たちも暇ではないのですよ? マンガ読んだりカラムーチョ食べたり大忙しです」
暇そうだが? カンザキ師匠に一任してテレポートで三人は帰っていってしまう。
待てよ? これってチャンスじゃない?
「師匠、師匠! カンザキ師匠!」
「なんだ?」
ガッカリしたカンザキ師匠が白いは箱からコーラーを取り出している。うわー、やる気無さそう……。いや、それだからチャンスと言えるのだ。
「面倒だろうからもう帰りませんか? なにも私に時間を費やす必要なんてないですよ~」
当然だ。行きたくない者同士が二人いる。なぜ行かなければならない! ちょっと誘導すればチョロイ!
「面倒だが行くしかねぇ!」
「なんで!?」
「まず、純粋に怒られるのが嫌だ」
「まぁ、確かに……」
「次にレイビアの為でもある」
「そーゆー触れ込みでしたからね。実際は面白半分でしょうけど……」
「それに神様の野郎とも約束がある」
「えぇ!? なにそれ!? 頭 おかしくなっちゃいましたか!? いや、元からではありますが……」
「お前、師匠に対して凄いこと言うな?」
「えへへへへ……」
「褒めてないからな?」
「カンザキ師匠って神官でしたっけ?」
「いや、全然。あんな奴、絶対 信仰しない」
「じゃぁ、なんで神様と約束なんて?」
「あれ? 知らないんだっけ?」
「何がですか?」
「俺がこっちの世界に転移してきた理由?」
「えぇ!? ってか、カンザキ師匠、異世界の住人だったんですか!?」
「名前で気づくだろ、普通」
「いや、外国の人かと思ってました」
「そー言う考え方もあるか……」
「だって、異世界人と考えるより、外人って考える方が普通でしょ!」
「それもそうか……」
「なんで、この世界に来たんですか? あっ、それが神様と関係が……」
「別に大したことじゃないから、教えてやるか……もう一階、下のボスを探しながら……」
「え!? いや、この階でじっくり話し合いましょう!!」
しかし、腕を掴まれズリズリと引き連れられていく私。こうなったら、カンザキ師匠を抹殺しようと、先ほど手に入れた輝く剣で切り付ける。
が、ビクともしない。何だコイツ! 人間か……。これくらいじゃぁ、無意味なことくらい知っていましたけども……。全く攻撃を受け付けない特異体質(?)。神の加護か? おのれカンザキ師匠!
「あれはこの世界で千年前のこと……」
「ちょっと、待ってぇぃ! 貴様 何歳なんだぁ だぁ だぁ… …!?」
師匠だということも気にせず、素でツッコんでしまった。
階段を下りていく……私の声が木霊していた。
嘘か真か、異世界からの話がカンザキ師匠から語られることとなった。
次回から本編1 カンザキさん異世界へ編(仮)予定
忙しいのでノンビリ書かせてもらいます。
暇になったら、更新率をアップ予定