第八話 四つの『さいきょう』を持つ少女
大変お待たせいたしました、序列最下位の精霊使いです。
今日一日の高速仕上げで書いたので、おかしい部分や下手だなあと思う部分もありますが、そこは何卒優しい目で流していただきたいです(沙*・ω・)
「雅、あそこまで言われてはい、そうですねと序列争いとやらに参加しないつもりですか?」
記者の人と別れてから帰路を歩いてると、唐突にティアラが口を開いた。横を歩いているティアラを見ると、体は進行方向を向いているが眼は俺の方を向いていた。いやいや、普通に怖いから。
「お前は序列争いに参加したことがないからそんな気楽なことが言えるんだよ。俺も観たことしかないけどあれは学園で順位をつける闘いじゃない。もはや一種の殺し合いに近いんだぞ」
特に去年は凄かった。俺は最下位という立場であり精霊を使役していない――となっていたから、すぐに観戦者の方に移れてほぼ全ての戦闘を見たけれど、やっぱり今現在一位の座にいる『反射領域』の御鏡さんはエグかった。
御鏡さんの精霊は、二つ名の通り規定の領域に入った全てのものを反射する能力を使う。しかし、その精霊の姿を見たものはいない。見えない壁に反射されるとなればなかなか手出しできないだろう。
そして彼女は、最強であり最恐であり最凶であり最狂だった。
一度戦闘が始まればスイッチが入ったように別人となり、敵を戦闘不能に追い込むまで闘い続ける狂人だったのだ。序列二位の夜院さんでも精霊が一時消滅するほどまで攻撃されて、夜院さん自身も同じ結末を辿りかけたところで時間終了になり助かったという結果になった。
二位の夜院さんで精霊が消される。つまり他に御鏡さんと闘った人は――全員全治数ヶ月の重傷を負った。まあ、やりすぎということで謹慎処分になった、それだけ聞けば笑える結果にもなったんだけど。
とりあえず、俺は頑張ってその人と闘う意味がないと思う。なんで闘いたくないのにわざわざ闘って、全治数ヶ月の怪我を負わなければならないんだ。それはただのドMだ。
「序列争いとやらに参加しないと契約を解除しますよ?」
「なっ!」
それだけはダメだ。ティアラのお母さんと約束したんだから、俺が死ぬまでとは言わないけど、俺よりいい精霊使いに仕えられるくらいになるまでは育ててあげなければならない。今契約解除したらこいつはフリーで彷徨うことになるかもしれないから、それだけは避けないといけないな。
「はあ、仕方ない、そこまで言うなら出ることにするよ。その代わり、出るからには一位を目指そう!」
「……最下位が一位を狙うとは下克上ですね」
ティアラのなんとも言えない視線を受けながら、決意を固く表す。でもこう言った以上、風文や夜院さん、水和さんや福音寺菘さんと闘わないといけないのか。
「……そ、それは宣戦布告と受け取ってもいいんですか?」
不意におどおどした声で尋ねられた。振り返るといつからいたのだろうか、噂の序列一位様が俺の背後に立っていた。そうだ、一位になるということはこの人も倒さなければならないんだ。
銀髪の綺麗な長い髪の毛を左右で縛っている――いわゆるツインテールというやつだ――童顔の女の子だ。これで序列一位なんて信じられない。俺の先輩だろう御鏡さんは、見た目だけで言えば俺よりはるかに子供に見えた。
やっぱり戦闘時と普段とで全然雰囲気が違う。つーか、普通に可愛い。どうしたらいいんだろう? いやいや、普通に女の子に話しかけるようにしていたらいいだけじゃないか。でもさっきの発言を聞かれてたみたいだし。
俺が返事をしないことをなにか別の意味で捉えたのか、急にそわそわし始めた御鏡さん。こんな女の子が年下だったら、俺はロリコ……ゴホンゴホンになっていたかもしれない。
「あ、あの……い、いえ、なんでもないです……」
御鏡さんについて今日改めて思ったこと。御鏡さんはとてつもなく可愛い。
御鏡さん最強伝説。雅が勝てるとは到底思わない(笑)
プロローグ~第七話でお気に入り登録してくださった方々、八話で幻滅させてしまったのなら申し訳ない。
しかし、この作品を読んでくださった方々、更にお気に入り登録してくださった方々、評価してくださった方々。ありがとうございます。
名変わりまして、迷宮より