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序列最下位の精霊使い  作者: 迷宮
初まりの始まり
7/11

第六話 何故か俺には序列上位が集まる

雅のハーレム羨ましいです。

意外に総合評価が426pt。まだまだ頑張っていきます。


 自分が自分ではなくなる、という感覚は強ち間違いではなかった。


 実際に地面を蹴ってみたのに感触がない。いや、正確には痛みがないと言った方が正しいと思う。


『間違えてはないな。実際俺の身体はお前の体の中にあってお前の身体は俺の体の中にある』


 おぇ。吐きそうだ。それってよく考えたらめちゃくちゃ気持ち悪いことだぞ。


『まあ、気にすんな。表面上がお前だから感覚は俺が持ッてるだけだ。逆になれば痛みはお前が受けることになるんだぜ?』


 それは悪かった。痛みは大丈夫なのか?


『地面を蹴ッただけだぜ? そんな心配することじゃねえよ。痛みは二分割されて半分は自然消滅してくれッからよ』


 そうなのか。なら大丈夫だな。


 俺がレオと思考でやり取りしている時間は僅か数秒。その間、既にティアラを拾い上げて、白地の後ろに到着していた。ついでに左から剣になっているティアラを首に当たらないように添える。


 白地は俺が瞬間移動したのかと思ったのか、辺りを見回した。左を向けば、当然剣が添えらる。


 一秒もたたない内に、白地は口から泡を吹いて気絶してしまった。


 根性なしだな、こいつ。弱いにも程がある。


 一瞬の出来事にポカンと口を開いて驚いている梦千治ゆめせんじ先生に声をかける。


「梦千治先生、勝負は俺の勝ちで終わりですよね?」


「あっ、ああ。勝者は如月雅だ。私は一応こいつを保健室に連れていくからお前は先に帰っておけ」


 もとよりその気だった俺は、わかりました、と一応返事をして部屋に戻ろうとした。


 ――が、何故か体が全く動かない。力が抜けて、その場に倒れ込んでしまう。脱力感が半端じゃない。いつの間に来ていたのかわからないが、水和さんや名のある数名の生徒がこちらに走ってくる。


 だんだんと視界が暗くなっていく。多分魔力の使いすぎだろう。


 薄れていく意識の中、俺は初勝利の優越感に浸っていた。




 目が覚めると俺は、何処かのベッドの上で美少女ナースに――という甘い展開にはならなかった。


 まあ、ベッドの上っていうのは合っている。契精学園の第二保健室だけど。


 しかし、看病してくれているのは、水和さんや『鬼神姫きじんき』と呼ばれている序列三位の福音寺ふくおんじすずなさんだ。


 他にも交代で何人かが俺に付きっきりで部屋にいる――いや、見張りをしている。


 理由は、俺が精霊と契約したという情報を知った記者部の人たちが、何人も押し寄せてきたかららしい。


 俺が気絶した間に来たみたいなので、直接的には何も聞かれなかった。まあ、多分白地が話してると思うけど。


 それにしても……俺の周りには、何故か強い人が多い。


 交代していてこの場にいない人も合わせて、みんな序列三十位以上。


 この学園は、一学年百二十人程度に対してクラスが四つなので、一クラスは三十人になる。つまり、俺の見張りをしている人たちは、全員一組のメンバーなのだ。


 有名人になった気分。何処と無く嬉しい。


 初勝利と有名人になった気分で二重の優越感に浸っていると、見張り交代の時間がやってきたようだ。水和さんと副音寺さんは、俺に一言告げると保健室から出ていった。


 その二人と入れ替わるように入ってきたのは――。


「や、夜院やいんさんに風文かざふみ!」


「ああ、我が愛しの雅様!」


「みーやびー! 会いたかったよー!」


 夜院さんと風文は、俺のベッドに駆け寄ってきて、大胆にも俺の胸に抱きついてきた。


 よりによって夜院さんと風文が来るなんて……。


 夜院さんこと夜院未来さんは、腰辺りまで伸ばした綺麗な黒髪をお持ちで水和さんに劣らないくらい美人。


 見た目によらず「火雷神ひらいしん」と呼ばれている序列二位の精霊使いで、火と雷でいえば学園最強の使い手である。


 由来は、攻撃を一手に引き受ける避雷針と学園一の火と雷の使い手の意味を表して、掛けているかららしい。避雷針と火雷神を。


 ちなみに、序列一位は氷と風とその二つを合わせた光の使い手だ。だから火と雷では、夜院さんが最強になる。


 次に風文は小学生、よくて中学生に見える外見とピンクの髪をツインテールにしているのが特徴の女の子。


 彼女は「風神子かざみこ」と呼ばれていて、序列は六位と夜院さんには劣るがトップクラスの精霊使いスピリチュアル・マスターだ。


 こちらの由来は、学園内で風系統の精霊使いなら二位を誇る使い手だからである。風系統の一位は、風と雷を使う序列一位の生徒だ。


 俺は抱きついてきた二人の女の子を見て重々しい溜め息を吐いた。


 正直に言うと、夜院さんと風文は苦手だ。


 恥ずかしいからやめてくれと言っているにも拘らず、会う度にこうやって抱きついてくる。それがとてつもなく嫌なのだ。


「倒れたって聞いたけど大丈夫なのー?」


「私もお倒れになられたと聞きましたが……」


 本当に俺のことを想(思)っているからこっちは何も言えなくなる。


「大丈夫だよ。単なる魔力切れだったし」


「魔力切れ……ですか? 雅様は学園で一、二位を争う魔力量をお持ちだと伺っていたんですが……?」


「いや、まあ……二重召喚デュアルサモンをしたから……」


「に、二重召喚ですか!?」


「やっぱりみやびは凄いね!」


 びっくりしている夜院さんと褒め称えている風文はさておき、二重召喚の説明をしよう。


 二重召喚とは、その名の通り一体の精霊を召喚し、存続させながらもう一体の精霊を召喚することだ。


 二体同時に使用できるので、戦闘面では使いやすい。しかし、一体づつ使うより多量の魔力を消費するので並の精霊使いは二重召喚ができないのだ。


 魔力量は、すでに多いと知られているので、夜院や風文が口々に言っているのは二体同時・・・・の方だろう。


「俺にも昔精霊を契約した記憶がないんだけど、すでに精霊を所有してたみたいなんだ」


「もう一体はー?」


「今日、霊高の森ハイスピリット・フォレストで契約してきたんだ」


「そちらはどんな精霊なんですか?」


 実際に見せた方が早いだろう。ティアラを召喚するための魔力は……よかった、ちゃんと回復してる。


 魔力は基本的に寝ることで回復することができて、先程気絶してたのも寝ていたことに入ったんだろう。


 俺は右腕に魔力を送り、あの恥ずかしい台詞を呟いた。


「どうしたんですか、ミヤビ」


「「「――――――」」」


 俺、夜院さん、風文は、みんなそろって口を上下にパクパクさせていた。


 何でかって?


 ロリ代表のティアラが服を着ていなかったからさ。

プロローグ、一話~五話でお気に入り登録してくださった方々、六話で幻滅させてしまったのなら申し訳ない。

しかし、この作品を読んでくださった方々、更にお気に入り登録してくださった方々。ありがとうございます。

機械 人形より

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