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序列最下位の精霊使い  作者: 迷宮
初まりの始まり
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第五話 自分も知らない二体目の精霊

バトル書くの下手ですみません。

温かい目で見守ってください。


 雷を帯びている剣状態のティアラを振るい、白地の契約精霊が放つ炎を弾き飛ばす。


 ティアラは、全系統の剣になれるという他の剣になれる精霊に申し訳ないやつで、全系統全てにそれぞれ能力がある。


 今使っている雷なら、相手の魔法を弾いたり消去したりすることができる。


 他の系統の場合は、その都度言うことにしよう。こっちもそろそろ余裕がなくなってきた。


 俺が攻撃をいなしていることに苛立ちを覚えたのか、白地の魔力供給量が増えている。あの量だとすぐに魔力切れになるぞ。


「調子に乗るな!!」


 とうとう堪忍袋の緒が切れたのか、ほぼ全ての魔力を炎の精霊に流した。


 当然炎の精霊が持つ魔力が多くなるので、威力や大きさも大きくなっていく。雷を纏った剣のティアラ一本では厳しいかもしれない。しかし、別の精霊を持っていないのでこれでいくしかないか……。いや、ティアラだけで十分だ。


 言い忘れていたが、雷系統の精霊は存在しない。ティアラは、複数の系統を混ぜることで雷を作り出しているのだ。


 多分雷のように複数ではなく、単体の系統だったら今頃あっさり負けているだろう。


 白地の精霊が放った炎をティアラで無効化した瞬間、


「そこだ!」


 キンッ!!


 手元から高音がしたと思ったら、俺の持っていたティアラが少し前の上空をクルクルと回っていた。


 右側を横目で見ると、小さい剣を片手に持った白地が勝利を確信したように微笑んでいる。精霊にばかり気をかけていて、白地のことをすっかり忘れていた。


 今までならこのまま負けてしまってもいいと思うだろう。しかし、何故か嫌だ。勝ちたい。


 そう思っていると、白地がニヤリと先程より気色の悪い笑みを浮かべながら剣を振りかざしていた。


 そんな様子も今の俺には特に気にならない。


 何だか右腕が熱い。力が湧いてくるようだ。あまりの熱さに思わずしゃがみこんでしまった。


「汝、我の問い掛けに答え、その姿を表せ。精霊召喚スピリコール


 低い声でそう言った。白地が剣を振りおろすのとほぼ同時。いや、一瞬俺の方が早かったかもしれない。


 ――そんなことはどうでもいい! 俺は自分の口から今まで口にしたことのない言葉を聞いて、不思議と勝てる気がした。このまま身を任せれば何かが俺を勝たせてくれるかもしれない。


 ん? ……待て。白地の剣は何処へ?


 俺が確認した限りでは、俺目掛けてほぼ垂直に振りおろしていたはずだ。しかし、痛みを全く感じない。それどころか逆に力が溢れてくる。


 俺は恐る恐る白地がいる方を向く。


「…………え?」


 目の前に現れたのは、白地ではなく男――の精霊だった。


「よお。久しぶりだな、ガキ」


 顔だけを後ろに向けて挨拶をしてくる。その精霊は、見た感じだと二十歳ぐらい。茶髪の髪には動物の耳がピコピコと動いていて、同色の尻尾もフリフリ振っている。金色の眼に睨まれたらそれだけで人を殺せるかもしれない。


「久しぶり……? 俺はお前に会ったことがあるのか?」


 会ったことがないはずだ。会ったとしても全く覚えていない。


 目の前の精霊は、きょとんと目を見開いて驚いた後、ああそうか、と一人で納得した。


「まあ、覚えてねえのも無理はねえ。お前はあの時俺たち全員を出して意識を飛ばしていたからな」


「あの時?」


 俺は昔記憶喪失にでもなったんだろうか? 意識がなくてもその後のことくらいは覚えていそうなのに、それも全く覚えがない。


「その話はまた今度でいいだろ? 今は目の前のやつだぜ。ああ、忘れてんなら言ッとくわ。俺の名はレオ。よろしくな」


 レオは、クイッと親指だけ立てた手で自分の目の前を指す。


 横から覗き込むと少し離れたところに、不思議なものを見たような表情をした白地がいた。驚くのも無理はない。俺でさえ自分が二体目の精霊を使えるとは思わなかったからな。


 先生たちは……みんな白地と同じような顔をしている。とりあえず白地を倒してから話をすればいいか。


 パッと素早く立ち上がり、レオに問い掛ける。


「お前は武器になるのか?」


「いや、ちげえ。俺の能力は融合シンクロだ」


「シンクロ? 初めて聞く能力だな。どうなるんだ?」


「聞くより実際にやッてみた方がはええだろ」


 直後、レオの体が光に包まれた。ティアラの時と同じだ。


 しかし、光となったレオは、ティアラの時とは違い手元で具現化せず、俺の体に吸い込まれていった。うぇ、なんか気持ち悪い。


 呑気にそんなことを思っていると、レオであろう光が俺を丸ごと包み込んだ。


 自分が自分ではなくなるような感じだ。


 だんだん光が消えてきて、辺りがぼんやりと見えてきた。ん? こっちを見ている白地の顔が蒼白になっている。……何で?


『お前の姿が変わッてッからだよ』


 何処からかレオの声が聞こえた。しかし、光りも完全に消えたというのに姿が見えない。


『融合してんだから見えるわけがねえだろ』


 ……そうだったな。完全に忘れてた。


『ちなみに今のお前にはいろいろ付いてッからな』


 付いてる? 何が付いてるんだ?


 俺は徐に身体中を触ってみた。おお! 爪が動物のそれみたいだ。なんかカッコいい。耳や尻尾も付いている。……レオの特徴を引き継いでるみたい。いやまあ、融合してるんだけど。そう考えるとちょっと気味が悪かったりそうでなかったり・・・・・・。


『とりあえずさッさと倒しちまおうぜ。相手もやる気が戻ッたみてえだからよ』


「あ、ああ。わかった」


 蒼白だった白地は、何とか立ち上がり炎の精霊に指示をしている。


 俺は腰をかがめて、力いっぱい地面を蹴った。

レオ……名前でわかった人は、理系ですね。

プロローグ、一話、二話、三話でお気に入り登録してくださった方々、四話で幻滅させてしまったのなら申し訳ない。

しかし、この作品を読んでくださった方々、更にお気に入り登録してくださった方々。ありがとうございます。

機械 人形より

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