第四話 精霊勝負を契約精霊と
ギリギリセーフ!短くなり、すいません。年越しにあわせました!
「さあ、僕と精霊勝負をしてもらおうか」
食堂から逃げ出したまではよかったが、寮の前にインテリ眼鏡の部下らしき奴らが待機していてあっさり捕まってしまった。
そして、現在自宅にて束縛中。
まあ、闘ってみるのもいいのかもしれない。
一応ティアラが何精霊かは聞いたけど、実際に使えるかどうか試してみたいというのもある。
「何処でやるんだ? こんな時間に先生は動いてくれたのか?」
精霊勝負をするには、結構広い範囲が必要だ。しかし、もう一つ必要なもの。それは勝敗を見届ける立ち会いの先生だ。これは夜遅いから無理だったのではないだろうか。
「いやー、精霊を持てなかった生徒がいきなり精霊持たのを聞いてな。更に精霊勝負もするって言われたら来ないわけにはいかないだろ?」
ドアから入ってきたのは、俺のクラスの担任こと梦千治葉菜先生だ。
梦千治先生は、元々この学園の精霊使い。序列はわからなかったが、クラスは一組だったそうだ。
「準備は全て揃っているんだ。だから君はもう断ることができないのさ」
言い訳になるかもしれないが、逃げてたのは闘うのが面倒だっただけで断るつもりはなかったんだけど。
「ああ、わかったわかった。で、何処でやるつもりなんだ?」
「遊技場に来い。先に行っているからな」
はあ……面倒なのに巻き込まれたな、俺も。
とっとと終わらせるために急ぎ足で遊技場に向かう。
遊技場とは、契精学園の入り口辺りに建てられている木造建築物で、外側からだとボロそうに見えるが内側は確りしていて、魔力補助もされている。
魔力補助とは、固体や気体、液体に特殊な道具で魔力を流してコーティングすることだ。一般に、武器の強化等に使われる。
契精学園では、それを遊技場の内部を守るために使用しているので、精霊勝負をする時は大抵の場合遊技場だ。
「ルールはどうするんだ?」
「時間は無制限。ここにあるものなら何を使ってもいい。そして、契約精霊は二体までだ」
……ズルくないか?
俺はティアラ以外の契約精霊を持ち合わせていない。なら相手は二体使えるのにこちらは一体しか使えないことになる。
「まあ、それでいいよ。早く始めよう」
「汝、我の問い掛けに答え、その姿を表せ! そして――精霊召喚!!」
インテリ眼鏡――白地って名前だった――は、右手で眼鏡の中心を上げると自身の契約精霊を召喚した。
精霊召喚とは、わかると思うが名前の通り、体の何処かにある紋章に魔力を送って精霊を召喚する行為のことだ。
俺はさっき契約してから、一度もティアラを精霊界に返していないので、掛け声も精霊召喚をする必要もない。
白地の精霊は、赤い髪をしていて炎を纏っているので、多分炎系統の精霊だろう。
「ティアラ、――になってくれるか?」
「わかりました」
俺も闘うためにティアラを戦闘用に変化させる。
精霊には、武器に変化する精霊とそのまま闘う精霊がいる。さっき聞いたところティアラは前者だそうだ。
隣にいたティアラの体が光に包まれ、光が消えたときには――
――雷を纏った剣に変わっていた。
年越し!