第十話 嵐の前の静けさ
お久しぶりです!相変わらずなんで書いてるんだろう?と思いますが、書き続けてます!(更新めっちゃ遅いけどw)
とりあえず次回の目処はたっていません!春休み入るからマシかな?まあ、面白くないかもだけど読んでってくださいw
「で、お前は特訓とかそんなのはしねえのか?」
いつも通りの放課後。明日から始まる序列争いのための最終チェックでもしたいのか、みんな早足で教室を出て行ってしまった。今残っているのは同じクラスの悪友こと日輪煉くらいだ。
俺が精霊と契約したからか、水和さんは教室に来なくなった。いや、これが普通なんだけど、普通なんだけどガッカリしている自分がいることに疑問がある。
「特訓? なんのために……って、序列争いに決まってるよな。したいとも思わないし、ティアラもやる気がなさそうだからするつもりはないね」
俺は好きで序列争いに参加したいわけじゃないし、一位を狙うって言ったからって負けてもいいと思っている。負けたら負けたで仕方がない。それが今の俺の実力だからだ。
出てきてもいつも通りボーっとしてるティアラは、やる気っていうか置物かなにかですか? っていうくらい動かないから無視である。まあ、この間勝ったからなにもしなくていいとか思ってるんじゃないかな? 俺にはわからないけどね。
「お前はほんとに勝ち進む気はあるのか? この間勝ったからって調子に乗ってると足元すくわれるぞ」
「わかってるよ。その話は何回も聞いたし、調子に乗ってるわけでもない。明日になったらなったでどうにかしようとは思ってるからさ」
「その自信はどこから出てくるんだよ……。まっ、俺もお前にばっかり構ってられねえな。もしかしたら戦うことになるかもしんねえし」
鞄を持って、先に帰ると言った煉に別れを告げて、俺は机に寝そべった。
正直に言って御鏡さんに勝てる可能性はほぼ0に近い。というか0だ。あの人に勝てる人なんているのか? 無酸素状態にするとか試した生徒もいたけど、する前に倒されてたからな……。
その前に一回戦すら勝てるかどうかもわからない。なんせティアラと契約したの最近だし、レオってやつも出てこないから使えないし……。とりあえずレオを出すところから始めようか。
特訓といえなくもないけど、まあとにかくレオを出さないことには一回戦さえ怪しいんだから……家でするか。誰かに見られても特になにもないと思うけど、奥の手ってことでとっといた方がいいだろう。
帰ろうと思い、教室の入口を見る。
「誘っても大丈夫だろうか? でもなにか考え事してそうだし……」
最近見かけない、見知った顔がいた。ぼそぼそと独り言を呟いているが、何一つ聞こえない。聞こえたらいけない気がするので無理に聞こうとしないようにした。
ドアを出ようとして、あたかも今気づいたかのように話しかける。
「あ、水和さん。どうしたんですか? もう俺しか教室に残ってないですけど、精霊とも契約したし、俺に用はないですよね?」
「ふぇ!? い、いや、違うぞ!? 別に一緒に帰ろうと切り出すタイミングを見計らっていたわけじゃないからな!?」
いや、思いっきり言ってるけど。そうだとしか思えないくらいばっちり言ってるんだけど。
急に話しかけられて驚いたのか、足を滑らせて尻餅をついた。契精学園の女子の制服はスカートなので、その、あの、まああれが見えてしまってる。色まではっきりわかるくらいバッチリ。
水和さん、名前や精霊と同じで水色のをつけているとは……なんてわかりやすいというかなんというか。
「いたたたた……ん、なにを見ている……? って、きゃっ!」
俺の視線に気づいた水和さんが俺の目線をおって、自分のスカートの中に向かっていることを知りバッと手で隠し立ち上がる。普段の水和さんが出したとは思えない高い声が耳に残ってる。まさかあの性格からそんな声が出るなんて、これがギャップというやつなのか?
「…………」
「えっと、その、なにも見えませんでしたよ?」
無言の重圧に、目を逸らし嘘をつくことで逃げる。本当はバッチリ見えましたけどね! 色まではっきりと!
「申し開きはないな?」
「ごめんなさい」
水でできた痛そうとは思わない剣で脅されて、俺は素直に謝った。しかし、鈍器で殴られた痛みが走り、俺はそのまま地に伏せ意識を失った。
まあ、謝っただけで許してもらえるとは思わなかったけど。案外水の剣は痛かった。