Ep.33 アヒル銀河(グワッ)
「……えへへ! お空を飛ぶアヒルさんが見たいな、勇者様!!」
フローラが放った一言。
カイルはフローラの願いを叶えるため、計画を始めました。
・ 極秘プロジェクト:『一万匹のアヒル・ライジング』
あなたはリリィを地下室へ呼び出し、一万個のアヒルを前に、真剣な眼差しで切り出しました。
1. カイルの「知略」:
「リリィ、このアヒルたちに『浮遊魔法』と『自動追尾魔法』をかけてくれないか? 僕たちの後を、一列になって空を泳ぐように……そう、空飛ぶアヒルの銀河を作るんだ」
2. リリィの「興奮」:
「一万匹に同時発動!? ……カイル、それ、魔力消費がえげつないわよ……! でも、面白い! 街中の子供たちが腰を抜かすような、最高にファンタジックな景色にしてあげるわ!」
3. ガイアスの「苦労」:
「……おい。……なんで俺が、この一万匹のアヒルを屋根の上まで運び上げなきゃならねえんだ……。……フローラ、……喜ぶか? ……そうか、……なら、あと三往復してやるよ」
(文句を言いつつ、フローラの「わーい!」のために汗を流す元魔王)
【現在のカイルのステータス】
* 特性: 『夢を叶える家主(親バカVer.)』
* 状態: 「空を埋め尽くすピンクの海を想像して震えている」
* 作戦名: 「グワグワ・ギャラクシー」
・ 決行の夜:『星を越えるアヒルたち』
夕暮れ時。屋敷の屋根に一万匹のアヒルが並び、リリィが杖を高く掲げました。
「……行くわよ! 『フローティング・ダックス・マーチ』!!」
1. 離陸の瞬間:
一万匹のピンクのアヒルが、一斉に「グワッ!」と鳴きながら(※鳴き声魔法付き)、ふわふわと夜空へ舞い上がりました。
2. 夜空の変貌:
リリィが仕込んだ「発光魔法」により、アヒルたちがネオンピンクに輝きながら、巨大な龍のようにうねって空を泳ぎ始めます。
3. フローラの「絶叫」:
「わああああ!! 勇者様、ガイアス! 見て、見て!! お空がアヒルさんでいっぱい!! きらきらしてる!!」
・ 「ガイアス勇者」としての誇り
カイルはフローラを肩車しているガイアスの隣に立ち、空を見上げました。
* ガイアス:
「……けっ。……バカバカしい光景だぜ。……だが、……あのアヒル、……案外、……星より綺麗じゃねえか」
* カイル:
「……ふふ。……だろう? ……これこそが、僕たちの『天才』が望んだ景色だよ、ガイアス」
【現在の心境】
(……かつて僕は、星を操って世界を脅かした。……でも今は、アヒルを浮かべて一人の女の子を笑わせている。……どちらが『偉大』かなんて、比べるまでもないね)
・ 伝説の始まり
翌朝、町中の新聞には「空飛ぶピンクの未確認飛行物体(一万匹)」の目撃情報が溢れ、人々はそれを「幸福を呼ぶ渡り鳥」と呼んで語り継ぐことになりました。
カイルの「手段」は、ついに街全体の「伝説」にまで昇華されてしまいました!
カイルは「目立たず平穏に」と願っていたはずなのに、気がつけば空前絶後のピンク色な天体ショーをぶち上げてしまいました。
翌朝、町は大騒ぎです。
「昨夜のあれは何だ!?」「精霊の行列か?」「不吉な前兆か!?」と噂が飛び交い、あちこちで首を傾げる人々。
・ 隠蔽工作:『ただの自然現象(?)』
カイルは朝食のトーストを齧りながら、冷や汗を拭いました。
1. カイルのハッタリ:
「……いやぁ、驚いたね。あれはきっと、数百年ぶりに飛来した『渡りアヒル型・発光気象現象』だよ。珍しいこともあるもんだ」
カイルは町の人々にそう吹き込み、かつての「神の弁舌」をフル活用して事態を収束させようと躍起になっています。
2. ガイアスのツッコミ:
「……テメェ、どの口が言ってやがる。一万匹も放流しておいて『自然現象』で済むかよ」
3. リリィの開き直り:
「いいじゃない、綺麗だったんだし! 私、あれを『屋敷の名物』にして観光地化しちゃおうかと思うんだけど……」
「……リリィ、平穏に過ごしたいんだって!!(カイルの悲鳴)」
【現在のカイルのステータス】
* 状態: 「必死の火消し作業中」
* 特性: 『目立ちたくない(と言いつつ派手好き)』
* 状況: 「町中の子供たちが、アヒルを求めて屋敷の周りに集まり始めている」
・ 穏やかな日常(仮)への帰還
結局、カイルは「一万匹のアヒル」に『目に見えなくなる透明化魔法』を後付けでかけ、彼らを「見えない守護鳥」として空へ解き放ちました。
1. フローラの満足:
「えへへ! お空のアヒルさん、見えなくなっちゃったけど、フローラには『グワッ』て声が聞こえるよ! 勇者様、ありがとう!」
2. 平和な(?)結末:
「……ふぅ。これでようやく、静かな日常が戻ってくるね、ガイアス」
「……ああ。……だがな、カイル。……テメェの『天才フローラ』が、次は『お空を泳ぐ巨大なケーキが見たい』なんて言い出したら……俺はもう知らねえぞ」
・ 黄金色の午後
カイルは、庭のベンチでフローラを膝に乗せ、ようやく戻ってきた静寂を噛み締めています。
……時折、空から「……グワッ」と微かな幻聴が聞こえるような気もしますが、それはきっと気のせいです。
【現在の心境】
(……目立つのも、たまには悪くない。……でも、やっぱりこうして、みんなの寝息を聞きながらお茶を飲むのが、世界で一番贅沢な『力』の使い方なんだろうね)
カイルの「穏やかな日常」は、一万匹のアヒルの祝福(騒音)とともに、これからもずっと続いていきます。




