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ブラッドヒューマンズ  作者: 作間 者図
第一章 トクイナヤツラ
6/8

第六話 煙草

久しぶりの本作です。

寒暖差が激しいので注意してください。


「はぁ・・・・どうしたもんかな」

独り言と同時にスモークの口から煙が漏れ出た。

 この世界の平均寿命を下げなくてはならない宿命でも背負っているかのようなスピードで煙草をみるみる灰にする。

 ここではそんなことに怒るものはいないが、路上喫煙をしている罪滅ぼしに吸い終わった煙草を棒型灰皿の中に捨てた。

 その奥には過去の煙草がこちら側を見ていた。

 下についているプラスチックの包み紙がそのままになっているボックスから新しい煙草を取り出してスモークはマッチに火を付ける。

 その火をもったいなく感じながらも、マッチとしての役目を終えたので消した。

そうして一気に煙草の煙を吸い込む。

 「ふぅ・・・」 

タバコの偉大さに感動しながら歩いていると、ある集団に目がついた。

 この村に5年もいればどんな顔のやつがどんなことをしているかぐらいは覚えられる。

コイツラは俺にとって都合が悪い。

 が、遠回りするのも面倒なので、スモークは近くを通り過ぎようとしたやつにわざとぶつかり、周りに主張するための赤ネクタイを奪う。

 そういう事に気づかない不運なやつだということはわかりきっているため安心して奪えた。

その集団の眼の前を通り過ぎると案の定声をかけられる。

「おい、そこのお前」

 スモークの180センチに近い巨体に恐れることなく近づいてくるこいつらは、神縄村の護衛団のようなことをしている。

 それが役に立ったところを見たことがない。

 スモークとはかなりの身長差があり、首を曲げないと目線を合わせられない。

「・・・なんでしょう」

「ネクタイはどうした」

一番先頭にいるリーダー格の男が話しかけてきた。

 そう聞かれると思い、あらかじめ奪っておいた赤ネクタイを掲げる。

「・・・・なんだ、持ってるじゃないか。次からはちゃんと見えるところにつけるように」

 負け惜しみのようにずらずらとスモークの前から去っていき、また元の位置に戻った。

なにがしたいんだか。

スモークはそう感じながら歩き続け、不要になった赤ネクタイを離れたところで捨てた。

 この”ネクタイ制度”はとてもわかり易いものだが、その代わりに偽装工作が容易くできてしまう。

 そうしてスモークは不法滞在者としてバレずに過ごしてきた。

 俺がここにいる理由はあまり良いものではないし、まずまずこの村に疑心を持っているため、村人として入ることはわざとしなかった。

 理由を考えれば逆にこっちのほうが都合がいい。

煙が体内を循環していくと同時に脳みそも回り始め、今までの考えをまとめ始める。

・・・そんなことより、まずはアイツラだ。

 今日あった男女の顔を思い浮かべる。

 スモークはあるものを殺そうとしていたところ横槍に入り、その横槍もろとも爆散させて殺そうとした。

しかし、横槍たちは生き残りその一部始終を眺めていた。

見覚えのない奴らだったな。

 もしかしたら、今回の襲撃者かもしれない。

 俺は度々襲撃されてきた。

正しくは俺達だが、あいつらは表立って活動していない。そのため直接的に対面している回数が最も多いのは俺だろう。

 長年、この国大日本帝国に並々ならぬ不快感と嫌悪感を抱いてきた。

戦争で親が死んだだの、友人が惨殺されただのそんな格好の良い理由はないがとにかく嫌いなのだ。

 そういう同じ考えを持っているヤツラが集まっていき、そいつらとともに国にちょっかいを出して情報を奪ったり、重要な工場を壊したり、そうやってこの国を叩き壊そうと企んでいる。

 喧嘩を売り続け、その果てに襲撃されるようになってしまった。

後悔はしていない。

 襲撃の方法は様々で俺達に潜入されることもあったし、直接対決することもあったし、奇襲を受けることもあった。

 そいつらの共通点はこの村に来て日が浅いということだ。

 そして、周期的にもうそろそろ来てもいい頃合い

 男女の顔を思い出す。

 女の方は、白髪で赤いクロスが帯状に何個も並んでいるおかしな模様がついている。 一目見たら忘れなさそうな外見をしていた。

それにあの身の使い方は恐らく、訓練を受けたかそれなりの経験を積んだものだ。

 男の方は、これまた白髪だが女のような模様はなかったな。そして目の色は黒。こちらも目立つ容姿だ。

 そして爆発を受けてひょうひょうと立っていた。直撃とはいかなかったがなかなかな痛手のはずなのに、痛みに慣れているのだろうか。

 煙草が一本なくなったことに気づき、燃料を補充する。

赤ネクタイをつけてはいたが女の方だけだしさっき俺がやったように偽装などいくらでもできる。

 ちゃんと断定づけするには情報が少ないとは思うがこう、ウジウジしている間にまたやられたらたまったものではない。

 もう面倒だ。

いい加減首根っこ捕まえて話を聞き出したい。

 きっと仲間の一人である彼にはかなり怒られてしまうだろう。

そう思い、スモークとは違い慎重な彼のことを思い出す。

 少年のような外見だが、実際の年齢は恐らく二十歳を超えているであろう、カタコトでハッキングが得意で、よっぽどのことがなければ外に出たがらない。

 付き合いの長い仲間を。

 彼に相談するに値しないわけではないが、これで話を聞き出せたら

砂嵐の巡る砂漠の中にいるのがようやく一歩前進するのだ。

 怒られる可能性があるからといってこんな機会を逃すわけには行かない。

先に手を打って聞き出してやる。

 さて、二人はいらない。

どちらを狙おうか・・・

 タバコを一気にすい、顔を上げ煙を天に味あわせる。

 そうだ、肉体の負傷のでかい男を狙おう。

この村であれほどの怪我を治せるのはあいつしかいない。

 白髪の男が来ているか聞いてみるか。

 ーーーーレイ・レイナ視点ーーーー

「小夜ちゃん頼むよ〜〜〜この通り!」

レイナは小夜に手を合わせて腰を下げる。

レイはレイナが道に迷い過ぎてようやく、小夜が基本的にいる神縄村の管理施設の一室。小夜が基本的にいる場所に来た。

 レイが過去寝ていた病室を通ったことから一箇所に村の施設が集められているようだ。

部屋の中はデスクとそれに合わせた机、そして寝ることが可能なベッドが備え付けられてあった。

 彼女のような村の管理に携わっている人物はこのようなところで暮らしているのか。

デスク上は散乱しているが、それ以外に汚らしいところはない。

 そんなことよりも歩いている道中、人に聞きながらここまで来たためピエロを見るような目で見られたが、無事に着けて良かった。

 そして今レイナが小夜に懇願している。

「ですから、この件については前も言ったでしょう。ここではブラックリストを殺したとき、精密な判断を下すためどこか体の一部を持ってこないといけないんですよ?」

「え〜前のところでは大丈夫だったじゃん」

顔を上げて小夜の表情を伺う。

 『こんな大人になりたくないランキング』五十三位くらいにはいそうなほど諦めが悪い

「どうかお願いします!ちゃんと殺したんで・・・」

 殺したのはあの手榴弾を投げたやつだが、間接的にレイナも関わっているためちゃんと殺してはいない。

 ギリギリグレーゾーンといったところだろう。

「知りませんよそんなこと。まず、殺しは前提の話です。私が言いたいのは本人確認ができるかどうかなんですよ。それにこちらは統制された地区です。一寸のミスも許されません」

  今度は顔を真正面にして小夜の顔面をちゃんと見る。

「お願いします「無理です諦めてください」

「なぁ・・・・」

  流石にレイナも諦め、悲しみの声を上げる。

「ドケチなんだから・・・こっちだって、生きるためには必要なんだし・・・」

 諦めたもののウジウジと小夜に言い続ける。

 小夜はレイナの表情とレイの惨状を見て口を開いた。

「・・・はぁわかりましたよ」

「え!?!?「レイさんの治療費はただにしてあげましょう。」

 くっっそぬか喜びした私が馬鹿だった。内心そう思いつつレイナは少しだけ安堵する。

「かかるのか?」

 一連の流れをコントのように眺めていたレイが盤上に上がる。

どうか三人組コントにならないことだけを祈りたい。

「ええ、そうですね。治療費は初回はタダですけれど、2回目からは・・・」

小夜が気まずそうに黙るもその後の言葉をレイナが引き継ぐ。

「搾り取られるように請求されるからね〜〜〜」

牛から乳をしぼっているように手を動かす。

小夜がその手をバシッと掴む。

「そういうことです、これでこの話はおしまいです!もし、お金が欲しいのなら指の一つや2つ持ってくることです。」

「そうか、じゃあ戻るか?」

 レイが小夜の言葉を受け来た道に戻ろうとする。

「何いってんの。まずまずなんのためにここまで戻ってきたのさ」

レイナがレイの首根っこを捕まえ引き戻す。

「・・・戻っている間にも言っただろうが、見てもらうほどの怪我じゃない。見た目が大げさなだけだ」

「なぜその傷を負うことになったかは聞きませんが見たところ、そんなことはないかと・・・」

「ほら!小夜ちゃんがその傷を見たときの叫び声を思いだしてよ!」

 そういえばそうだった。

 レイとレイナが小夜の部屋に入ったとき、小夜が文句を言いながらレイとレイナの方を見て凄まじい悲鳴を上げたかと思うと小夜が手に持っていたバインダーを落として青ざめた表情で立っていたことを思い出す。

「仕方ないでしょう、眼の前に上裸で背中にグロテスクな大火傷を追った白髪の背丈の大男を見て誰も叫ばずに入られませんよ」

「もー開き直っちゃウグっ」

 小夜にひねりの効いた正拳突きを食らわされ呻く

「とにかく、治療を受けてください!いくら再生能力が高いとはいえそんな大怪我では治らないでしょう」

レイの後ろを回って背中の傷を見る。

「俺の細胞と血小板を舐めるんじゃないぞ。ヤブかもしれないやつよりも細胞と血小板に頼ったほうがマシだ」

「そんな、ただ足の親指イボを直そうとしただけなのに親指ごと切り落とした方とか、精神安定剤と言って色水を与えていたとか。そんなかたじゃないです」

「だめじゃん」「そんな具体的な例を出すな」

  レイナとレイの口出しを抑え込もうと小夜の口が回り始める

「優しいですし的確ですし、五年ほど前にここに来られた方で、ちゃんとした医者は彼しかいないんです!彼以外の医者を名乗っているものははっきり行ってヤブです。とにかく!いい人です!」

「そんなやつがこんなところにいるわけ無いだろう」

今までの説明に少し違和感を覚えてしまう。

五年ほど前?たった五年で神縄弦の信頼を得られるものなのか?

 しかも小夜はここに来てからあまり時間が立っていないだろう。それなのにどうしてここまで信用されている?

 小夜が口ごもりつつまた口を開く。

「それは、その、同感です。なんでここにいるんですかね?こんなところじゃなくても彼は自分の力を存分に発揮できる人材なのに・・・」

 正直に言ってここにいるのがもったいない方です。

最後にそう付け加えていつにもまして饒舌な彼女はいなくなった。

 身近にいるやつがレイナだからか、相対的にマシに見えているがためにこんな評価になっているのかもしれないが。

「私が手術中に入ったときも許してくれたし。あ」

長い話によって本調子に戻ったレイナが口を開く。

 まずいことをいった。という顔で口を覆った

あまりにも早い閉門である。

「レイナさん〜〜〜そういえば謝りに行ってないですよね?」

アホ毛を捕まえて、レイナの頭を引き寄せる

 レイナと小夜に身長差があるぶん、レイナは体を7のようにして痛みに呻く

「別にもうよくない!?」

「良くないんですよそれが、もし彼が機嫌を悪くしてここから出ていくと言ったらどうなるんですか、この村全体に迷惑がかかることになりますよ!」

「でもさっき、ここにいるのがもったいないってイテテテ」

 クルンとなっているところがまっすぐになるくらいにアホ毛が強く引っ張られている

「レイさん、申し訳ありませんがご自身の足で先生の元まで行っていただけますか?」

「え!私も行「レイナさんと私はお詫びの品を持ってそちらに向かいますので先に行っておいてください。」

 アホ毛を後ろにぐいっと引っ張り、レイナの背中がブリッジしたときのように反る

「とれる!とれる!取れちゃうから!」

「もう取っちまおう」

「ちょっとぉ!?」

 レイが小夜に言葉の加勢をする。

レイナがそれに反発した。

「ここの突き当りを右に行って左側の前から七番目のドアを開けて階段を降りてそこから左に行って三番目の扉にいらっしゃいますのでノック四回して開けてくださいね」

 レイナのアホ毛をリード代わりにしてレイナを引っ張って歩いていく。

「あと、新しい洋服も持ってきますので待っていてください。診療が終わるまでには向かいます」

 では、

そう言い残して小夜は去っていった

 レイナは名残惜しそうにレイがいる後ろを向いて同じように部屋から出ていった。

さて、俺も行くか。ここまで行かないというものなんだろうし。

だが一応、用心はしておこう。

 レイは焦げたホルダーから斧を抜き取って、小夜から教えてもらった道順を進んでいった。

次はの次は2話同時に出しそうです。

こんなに煙草って打ったの初めて

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