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繭のほころび  作者: 変汁
8/22

別れた原因は私が胸を触らせなくなったからだ。


元彼にとっての彼女の定義は可愛いとかブスとかスタイルがいいとか年下だとか一切関係なく、ただ自分が好きなだけ乳首を触らせてくれ、舐めて吸わせてくれる女だった。


だから、別れる時はあっさりしたものだった。


私が頻繁に乳首を触れるのを嫌だと言ったら、元彼はなら別れようと即答した。


「美香の女としての良い所は乳首がある事くらいだぞ?」


男にだって乳首あんじゃん?と言い返しそうとしてやめた。


面倒な話が続くと思っての事だった。


「ま、それに気づいてないなら、女として終わってるけどな」


元彼はそういうと私の部屋に置いてあった自分の物を全て持ち帰って行った。


それで終わりだった。


乳首を触らせてくれないからと、振られたのは私で何人目だろう。


元彼が部屋から出ていってから私は馬鹿みたいに笑った。


あの男なら直ぐにでも彼女は出来る。


容姿もそこそこ良いし話も上手く、ほどほどに優しい。


今頃は新しい彼女の乳首を吸い続けているだろう。


新しい彼女、可哀想…と美香は思った。


いつもと同じ朝食をし、洗顔し歯を磨く。


下着をつけパンツスーツに着替えた。


着替え終えると今日も仕事かよ、と気分が萎えて来る。


口うるさい上司の顔を見るのもいい加減飽きて来た。


美香はふと、辞めどきかもなと思った。


バックを持ち上げ、ハンカチを確認する。


一昨日から変えていない事に気がついた。


匂いを嗅いでも臭くなかったので、そのままポケットへ戻した。


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