肉欲の果てに
エバラ焼き肉のたれが実名で出てくる異世界話があるそうですね。それはそれとして置いといて。
うちはダイショーの「秘伝焼肉のたれ」なんです。
たしか10年以上前か。試しに買ってみたら、なんか良いなあと思って、それ以来ずっとです。
にんにくとごま油で風味よく、少しドロッとしてる。
このドロッと感がまた焼いた肉や野菜によく絡む。
焼かれた具材がたれをすみずみにまでまとう、そう表現しても良いかもしれない。
個人的に肉はそれほど高価ではなく、手頃な細切れや豚バラ、ロースとかがいい。
一緒にぶつ切りにした唐揚げ用鶏ももなんかをチョイスしてもいい。
こう、たれにたっぷりと浸した肉を白飯に1度ポンとのっけて、軽く汁気を切ってから、口に運ぶ。
肉汁、肉本来の旨味、適度にのった脂。
たれの甘辛さがそれらを渾然一体にして引き立てる。
もう文句なしにそれだけで美味い。
体は正直で、自然と顔がほころんでくる。
茶色く色付き、艶やかでさえあるご飯を一口食べると、箸を差し込んだ白飯からふわりと甘い湯気が立って、もう次の一口を抑えることができない。
肉1切れで飯3口、このくらいのローテーションであっという間に最初の茶碗が空になる。
肉と飯、この2つを前にして、あーだこーだとうるさい作法はないだろう。
たれにまんべんなくくぐらせ、よぉく含ませた肉を口に入れて、その少し濃い味への追い打ちとばかりに白飯をガバガバとかきこむ。
咀嚼するたびに、口の中が幸福感でいっぱいになる。
ああ肉と飯、2つの食材が口内にあるだけなのに、こんなにシンプルなのに、どうしてこうも美味いのか。
肉の箸休めには、そう、肉だ。
ここであえて少し淡白な鶏肉を間に挟んで、豚とは違ったみちっみちっとした食感を楽しんだりする。
シャキシャキ、しんなりした野菜も加えて、食感がさらに賑やかになる。
歯触りをしっかり楽しんだら、再度肉を頬張る。
たれたっぷりの肉を心ゆくまで堪能する、エンドレス肉、肉、肉。
なんか全然まとまりがないですが、焼肉のたれの話でした。
ダイショーの回し者とかじゃないからね。
あと秘伝のたれのマスコットキャラ、カルビ侍の声は南央美さんです。
おわり