第28話 除霊・芦屋啓介
芦屋啓介はこれまで月浪縁の怪談に付き添ってきた。だから怪談を使った除霊において、踏むべき手順は理解している。
一つ。除霊の対象となる人間に、怪異に取り憑かれていることを認識させること。
一つ。怪異の名前と正体を突き止めること。
一つ。怪談によって怪異への恐怖心を取り除くこと。
除霊の対象となる人間に怪談を語らせることで、怪異を「物語」の中に押し込め、怪異の神秘を削ぎ、力を弱める。怪異のルールを解明し、弱点をついて無力化するのだ。
最終的に、除霊の対象となる人間が「怪奇現象は終わった」「怪異を恐ろしく思わなくなった」時点で除霊が成功する。
「私が、麒麟の筆に取り憑かれている……?」
縁は倉庫の床に座り込んだまま呆然と芦屋のことを見上げ、反芻する。「芦屋が何を言っているのか理解できない」という所感がそのまま顔に現れていた。常に煙に巻くような笑みを浮かべていた縁らしくもない。
芦屋は縁の前に歩み寄ってその場に腰を下ろした。
芦屋はこれから、縁に取り付いた麒麟の筆を除霊しなければならない。縁が麒麟の筆に命を捧げず、死なずに済むための「物語」を即興で作らなければならない。自分の口先一つに人の命がかかっている。
身震いするほどのプレッシャーがのしかかる。けれど、芦屋が感じているこれは、きっと縁も味わってきたものに違いない。
座って縁と同じ目線になった芦屋は呼びかける。
「月浪」
縁は気を取り直した様子で、怪談を——対話を望む芦屋を睨んだ。
「私は、もうすでに語るべきことは語ったと思うんだけど」
「嘘だな」
芦屋はほぼ間を置かずに指摘した。
確かに縁が麒麟の筆を求めるようになった顛末は語っている。
梶川密を祓った一件以来、スランプに陥り、思い詰めた果てに鹿苑旭を利用して麒麟の筆を求めたことを。
だが、不足があると芦屋は不満げな縁に告げた。
「おまえが似合わない自己犠牲をやる気でいるのはわかったが、腑に落ちないところもある。そもそも、なんで月浪は厄払いの絵画を描くのをやめなかったんだ?」
縁にとっては思ってもない質問だったらしい。険しかった顔が驚きに解ける。
「月浪は〝厄払いの絵画〟が描けなくなったから麒麟の筆に頼ろうとしてるんだろう。自分の命を削ることもいとわずに。なんでそこまで厄払いの絵画を描くことにこだわるんだ?」
縁は再び険のある顔つきに戻る。苦虫を噛み潰したかのように答えた。
「……私の霊媒体質に他人を巻き込むのが嫌だから、せめて霊障を軽減させたかったからだよ」
縁の霊媒体質は、怪奇現象を自分とその周囲に招き寄せる、あるいは巻き込まれる体質である。縁が厄払いの絵画を描くのは自分の体質への抵抗でもあった。
だが、本当にそれだけが理由な訳でもあるまい。
だからあえて、芦屋は縁を挑発するように言う。
「へえ。ボランティア精神ってやつだな。自分の体質に他人を巻き込むのが申し訳ないから、厄払いの絵画に浮かんだ赤いテクスチャを剥がすためって口実で、あちこち人助けのために走り回ってた。そういうことでいいんだな?」
「芦屋くん、これまで私の引き寄せた怪奇現象に散々巻き込まれておいてその結論に至るなら、君の目ん玉は全くのお飾りってことになるぜ」
案の定、縁は苦々しく皮肉を吐いた。
「自分のために決まってるでしょ」
縁は自分の胸に手を当てて言う。
「自分の作品に赤いテクスチャが——汚れがつくのが、自分の意図しない変化が嫌だったから行動した。その過程でモデルの不幸が軽減されるなら一石二鳥だっただけで、ついでみたいなもの。誤解しないでほしいな」
縁の憎まれ口は、作家としての矜持の表れである。
厄払いの絵画の副作用のせいで、せっかく描いた傑作が縁の意図しない変化をする。それが一人の作家として許せない。ボランティア精神なんて利他的な感情ではあり得ない、純粋なエゴが縁の行動理由であり、モデルの厄を祓うことはおまけのようなものだと言いたいのだろう。
しかし、そもそもだ。
「月浪の悩みは描かなければ、作らなければ解決する。赤いテクスチャが浮かぶのは当然、月浪が誰かを描くからだ。人を描いた作品を作らなければ赤いテクスチャが浮かぶことはない」
芦屋は縁と接してきて、思うことがあった。
霊媒体質とは、縁が周囲に怪奇現象をもたらしていることを指すのではなく、もしかすると〝逆〟なのではないかと。
「月浪は『自分が霊媒体質だから、巻き込んだ人間の霊障を軽くするために厄払いの絵画を役立ててる』って言うが、どっちかと言うと厄払いの絵画を描くことで、月浪自身が進んで怪奇現象に巻き込まれに行っているように見える」
確かに縁が引き寄せてしまっている怪奇現象もあるのだろう。しかし怪奇現象に遭う人間を厄払いの絵画で特定していることで、他ならない縁自身が怪奇現象と遭遇する確率を上げている。
「描かなければ、誰が怪奇現象に巻き込まれるかなんて知るよしもない。霊媒体質のデメリットも厄払いの絵画の副作用も最低限で済むはずだ。どうして描き続けた? 苦しむこともわかっているのに」
芦屋の指摘に、縁は眉根を寄せて低く言った。
「ねえ、仮にも作品を作ってる人がそういうこと聞くの?」
縁を黙って見返し、無言のままの芦屋に、縁は視線を落として考えるそぶりを見せた。
「……でも、そうだな。たぶん、君の想定している理由とは少し違うはずだ」
縁は金色の瞳で芦屋を見やる。
「義務だからだよ。厄払いの絵画を描くのが」
縁の答えに、芦屋はほんの少しの痛みを覚える。縁の置かれている状況を鑑みれば当然の答えだったが、筆をとっている最中にうっすらと微笑んでいた縁の姿を覚えている芦屋は、違う答えを望んでいた。
「『好きだから』じゃ、ないんだな。俺は、月浪は人を描くのが好きなんだと思ってた」
芦屋が肩を落として言うのを、縁は小さく息を吐いて受け入れた。芦屋の示した落胆は縁にとっては想定内の反応だったのだろう。
「私は描くことを嫌いだと思ったことはないよ。……でもね、好きとか嫌いとかはもう関係ないんだ。だって私が描かないと人が死ぬかもしれないんだから」
縁は吐き捨てるように言って眉を顰めた。
「しかも、私の体質のせいかもしれないことで」
芦屋は弾かれたように首を横に振った。
「おまえのせいじゃない」
「そんな言葉はなんの慰めにもならないよ」
しかし、差し伸べられた手を振り払うように、縁はキッパリと言う。
「私は私の体質の後始末をするために厄払いの絵画を描かなくてはいけない。それが、私が最低限の社会生活を送るための義務だ。怪談をして赤いテクスチャをきれいに剥がさなくてはいけない。自分の作品を誰にも何にも歪められたくないと思うのも作家として当然の振る舞いだ」
縁は笑う。自分の全てを嘲笑って、芦屋の目を見て、なんのてらいもなく言い切った。
「そうじゃなきゃ、私は人としても作家としても失格じゃないか」
芦屋は唇を引き結んだ。それから、なんとか緩めて問い返す。
「厄払いの絵画を描けなくなった自分に、作家らしく振る舞えない自分に生きる価値がないって言いたいのか」
「私は自分のやったことに責任を取れる自分でありたい」
縁は頑なだった。縁に取り憑いた麒麟の筆の影響か、ぎらぎらと瞳が炎のように金色に光る。
「そうとも。自分の絵に手をかけられない作家に価値なんてないよ」
芦屋は目をつむる。
「……おまえの言いたいことはわかった」
自己責任の思想が強い縁をこのまま説得するのは無理かもしれない。悟った芦屋は話の舵を切り替えた。
「月浪。そもそもの話をするんだが、もしも月浪が麒麟の筆を手に入れて絵を描いたとしても、厄払いの絵画にはならないと思う」
しばしの沈黙が二人の間によぎった。
「……は?」
沈黙を破ったのはなんとか怪訝の短音を絞り出した縁の方だった。その顔にみるみる怒りの色が浮かぶ。縁の組み立てた計画は全て無意味だと言わんばかりの芦屋の指摘に、縁は苛立ちを隠さずに問いかけた。
「なんで? 麒麟の筆は持ち主の思いのままの作品を作ることができる魔性の筆なんだよ」
「じゃあ月浪は青背一究を作家として心の底から認めてるのか?」
鋭く言った芦屋に、縁はたじろぐ。芦屋にも芦屋なりの根拠はあった。
「これまでの付き合いで、月浪が好ましいと思っている作家の傾向はなんとなくわかる。例えば、梶川密のことは惜しいと思っていただろ。奥菜玲奈と鹿苑旭のことは認めていた」
梶川密の技術を縁は認めていた。モデルの意志を無視したり、描くことの暴力性を認識していないところを欠点だと思っていたが、それさえ克服できればひとかどの作家になれたはずだと惜しんでいた。
奥菜玲奈の演技を縁は心の底から称賛した。面移しの儀式のため、生贄を油断させるための手段だった演技でも、磨き上げた作品として見なして縁は玲奈に敬意を示した。
鹿苑旭のことを縁は麒麟児として一目を置いていた。麒麟の筆が見込む可能性の塊として鹿苑を尊敬していたからこそ、縁自身が麒麟の筆を手に入れるために利用したのだ。
芦屋は、縁の好みは割合わかりやすいと告げる。
「おまえが好きなのは、表現に手を抜かない作家。大衆のために作らない、誰にも媚を売らない作家。作ること、表現することを呼吸のようにする作家。徹頭徹尾自分のために、刃物を研ぎ澄ますように腕を磨く作家」
そして芦屋は、もう一人同じ性質を持っている作家を知っている。
「みんなおまえに通じる奴らだ。気づいてるか。全員、迷いはしても麒麟の筆に頼りそうもない奴らだよ」
純粋で利己的でストイックな作家ばかりだ。縁自身も本来はそういうタイプだろう。
「たぶん、おまえだって霊媒体質だの厄払いの絵画の能力だのがなければ麒麟の筆を使おうとは思わなかったんじゃないか」
「ずいぶん、断定的にものを言うんだね」
苦々しく目をすがめた縁だが、否定しないことがなによりの同意に違いない。芦屋は腕を組んでさらに続けた。
「ならもうちょっと断定するぞ。麒麟の筆は、おまえが描いたような麒麟の絵は絶対に描けない」
「なぜ?」
あまりにも芦屋が自信満々に言い切るので縁は真顔になって問いかけた。
「緊張感が作れないからだ」
芦屋は端的に述べる。
「作家が『絶対に傑作になる』道具を使って作品を作ったなら確実にどこかで気持ちが緩む」
芦屋は縁の描いた麒麟の絵を思い出す。講義館のホールで一際異彩を放っていた。とてもスランプに陥っている作家が書いたとは思えない、月浪縁渾身の一作を。
「月浪の描いた麒麟の絵はすごかった。月浪自身も言ってたけど、人間をうまく描けない苛立ちやこれまでの鬱憤の全部を叩きつけるようにして、これまで磨いた技術の全部を総動員して作ったあの絵には、こっちを今にも斬りつけてくるような迫力があった。あの迫力と緊張感は、全身全霊をかけて、怒っている月浪が描いたからこそ生まれたものなんだと思う」
写真越しでは伝わらないエネルギーを麒麟の絵は放っていた。肉眼でしか捉えられないものが確かにあるのだと、鑑賞する側に一目で理解させる絵画だった。
「麒麟の筆にはあんな攻撃的で迫力のある作品は作れない。作家が道具に頼りきって作った作品のどこに緊張感が生まれるんだ? 『麒麟の筆を使ってるんだから必ず傑作が生まれるはずだ』って、緩んだ気持ちで作る作品が傑作であってたまるかよ」
縁の描いた麒麟の絵は裂帛の気迫で描かれたからこそ、鑑賞者に居住まいを正させるほどの作品になったのだと芦屋は思う。麒麟の筆を使ったとして、あの絵と同じものが出来上がるとは到底考えられなかった。
「だいたい、モチーフ、コンセプト、構図、画材、基底材、そのすべてを麒麟の筆にコントロールされた〝おまえの作品〟におまえ自身が納得できるわけない」
芦屋は挑むように縁を見やった。
「月浪はそんな妥協に命をかけるつもりなのか?」
ヒュ、と息を呑む音とともに縁の目が大きく見開かれる。
「俺は麒麟の筆で作られた作品を傑作だとは思わない。俺がそう思うくらいなんだから月浪が認められるわけがない。許せるわけもない」
芦屋は縁に真面目に告げた。
「おまえ、他の作家にも厳しいけど、自分にはもっと厳しいもんな」
「わかったような口を利きやがって」
苛立った縁の目が炎のようにゆらめいた。
「そんなの、使ってみなければわからないでしょ……!」
「なんでそうまでして命懸けの大博打に賭けてみたがるんだよ。完全に麒麟の筆に取り憑かれてるじゃねえか。絶対普通の状態だったらもうちょっと物わかりがいいだろ、おまえ」
呆れ混じりに指摘する芦屋に、縁はいまだ納得いかない様子で唇を噛んだ。
芦屋は自分の話術では麒麟の筆の価値をこれ以上は下げきれないと悟って、一つの疑問を縁に投げる。
「じゃあ、月浪は麒麟が俺たちの前に姿を現して、麒麟の筆を持ち去ったことをどう捉えてるんだよ」
縁は一瞬、言葉に詰まった。
「……そんなの、わかるわけない」
「そうか? 俺はなんとなく想像つくけどな」
突如として芦屋と縁の前に現れ、麒麟の筆を消し去った幻獣〝麒麟〟。
麒麟が現れた意図を芦屋なりに考えると、ある一つの仮説が浮かび上がる。これが正しいかどうかはわからない。けれど、芦屋自身と縁を説得させることができそうな仮説だった。うまくいけば、かつて縁が奥菜玲奈や蓮根修二を除霊した時と同じことが、芦屋にもできるかもしれない。
芦屋はまず、麒麟の行動原理を振り返った。
「『麒麟は才ある男にしか恩寵を与えない』これは大昔に決まったルールらしいけど、従っているヤツの内心はわからない。実際、月浪だってそうだろ。おまえががんじがらめな厄払いの絵画のルールを守って恩恵は受けても、本心では作品を汚されるのが嫌で苦しいと思ってた。それと同じで、麒麟が自分に課せられたルールに納得してるとは、俺には思えない。納得してたら俺たちの前に現れることもない、と思う」
加えて、麒麟と麒麟の筆はそれぞれ別の思惑で動いていたと思える節がある。
麒麟の筆は、姿を消してもなお現在進行形で縁に取り憑き、縁のことを殺そうとしている。
縁の瞳が金色に燃え、「麒麟の筆を使いたい」「死にたい」と口にするたび尋常でなく煌めくのは麒麟の筆の与える影響に違いない。
逆に、麒麟は縁のことを助けたかったのではないか。
そうでなければ、麒麟が縁や芦屋の前に現れる必要はない。月浪禊の名刺から浮かび上がった炎と麒麟の雷が交錯する様子はまるで意思疎通をはかっているようだった。和解した様子で炎と雷が消え去ったのも麒麟と禊の思惑が一致したからだと考えれば、一応の筋が通る。
だから芦屋は縁に言った。
「麒麟は、おまえに喝を入れに来たんだ。『自分を描いた人間が麒麟の筆なんかに頼るような真似するんじゃねえ』って言いに来たんだよ」
「どうしてそんなこと言い切れるの?」
麒麟が縁を助けようとしたなら、理由はひとつだ。
「月浪が麒麟を描いたから。おまえの才能を麒麟は認めたから、月浪の描いた絵そのものの姿で現れたんだと思うからだ」
だが、縁自身は腑に落ちなかったらしく、怪訝そうな顔で腕を組んだ。
「私が描いたのはオーソドックスな麒麟だよ。日本橋に置かれてる麒麟の彫像みたいに願いを込めて翼を付け足したりもしてない。あれが私の描いた麒麟だとは……」
言い切れないのではないか、と首をひねる縁に、芦屋は頷いた。
「確かに、月浪が描いた麒麟のパーツは伝説や過去に画家が描いた姿を踏まえている。けどな、俺は麒麟が俺たちの前に出てきたとき、正直死ぬかと思った」
芦屋の唐突な感想に縁は目を丸くする。
「は……?」
「あんな威圧感のある生きものは初めて見た」
「だって神獣だし、そりゃそうでしょ」
「麒麟は神獣だが、同時に伝説では虫も殺さない動物なんだろ?」
縁の描いた麒麟には伝説と異なる部分がひとつだけ存在する。縁は麒麟のことを気高く恐ろしい獣として、堂々とした威厳ある姿で描いた。いっそ苛烈なまでに。
その姿勢こそ伝説とは全く異なる、縁の付け加えたオリジナルの要素だった。
「単なる縁起の良い優しい幻獣をあれだけ恐ろしく感じるなら、やっぱり意味があると思う。それがおまえの前に現れて、麒麟の筆を奪い去っていったのなら、なおさら」
麒麟の筆を縁の目の前でさらっていった麒麟を目の当たりにして、芦屋は直感していた。あの麒麟は仲間の死骸が縁を害そうとするのを止めにきた。縁が描いた麒麟の絵を素晴らしいものだと認めたために、ルールを曲げて、やってきたのだ。
「もう一度言う。あれは月浪縁の描いた作品のイメージを纏って現れた麒麟だ。麒麟は『おまえに麒麟の筆なんか必要ない』と伝えるために姿を現したんだ」
シャン、と鈴の音が応える。
縁も芦屋も、素早く辺りを見回した。
姿は見えなかったが、麒麟が答えたのだと芦屋は思った。
仮定が正解になった瞬間だった。
芦屋と同じ答えに行き着いたらしい縁は、呟く。
「麒麟は、女を嫌うように定められた生き物なんだって……、絶対に私のことだって気に入らないだろうって、思ってた……」
霊能力者で怪異に造詣の深い縁だからこそ、芦屋と同じ答えに行き着くことができなかったのだろう。
「怪異のルールは人間の認識に左右されるんだろ。俺は麒麟児が男を指す言葉だって知らなかった。だんだん使い方が変わってきてるなら。固定観念も変わるってことだ。たぶん」
呆けたように芦屋を見つめる縁の視線を受け止め、手応えを覚える。
今なら祓い除けることができる。
麒麟の鈴の音があった今なら。
確信を逃さないよう、芦屋はいつも縁がやっていたように、今度は断定の言葉を放った。
「月浪縁に、麒麟の筆は必要ない」




