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Endless KILL  作者: ユズリ
Memento mori メメント・モリ
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Life and death 11

「俺も薄々は気付いていたんです。本当は似顔絵でも描こうと思ったんですけど、でも俺ってあまり絵上手くないし……それにくわえて説明下手だから、なんかもう夢も希望もないっていうか……こんなんじゃ絶対、見つかんないですよね」


「お、おいおい、何もそこまで自分を追い詰めなくても!」


自虐的に落ち込んでいくミルフィーユを見て、ローヴェは慌てた様子でフォローを入れる。


「た、たしかにこれといって印象に残る特徴がないのならば説明だけで人を捜すってのは少し難しいかもしれないけど、逆に考えたら金髪碧眼の女の子なんて世界中にたくさんいる。君自身が旅していく中で、もしかしたらそのたくさんいる女の子の中から君の捜す子とばったり……なんてこともあるかもしれないよ。だからそうすぐに諦めるのはよくない」


「は、はい……」


何故かローヴェに励まされ、少し落ち込んでいたミルフィーユは元のやる気を取り戻したのか、「そうですよね、まだ旅始めたばかりですし……」と前向き発言をして微笑んだ。


「そうですよ、ミルフィーユさん。気にせず頑張りましょうよ」


「あ、あぁ」


リオにまで励まされ、ミルフィーユは照れ臭そうに頭を掻く。すると隣ではローヴェが少し申し訳なさそうな表情をして、「しかし、やはり僕には君が捜す女の子にこれといって心辺りはない。すまないね」と呟いた。


「あ、いえいいんです。そんなにすぐ見つかるとは思ってないし……」


ミルフィーユが慌てて首を横に振ると、それでもローヴェは心苦しそうに「いや、本当に悪いね」と小さく頭を下げる。


「代わりと言ってはなんだけど、さっきも少し言ったがボーダ大陸には君の捜す金髪碧眼の人種が多い。もしかしたら、そっちの大陸に行ったらその女の子の手掛かりとか見つかるかもしれないよ」


「ボーダ大陸、ですか……」


ローヴェのアドバイスに、ミルフィーユは少し複雑そうな表情を浮かべる。


ボーダ大陸といえば、つい先日までミルフィーユたちがいた大陸だ。

そこからアツシの少々強引な誘いによって、この南のアサド大陸へと船で渡ってきたのだ。



「うん。……どうした、浮かない顔して」


「あ、いえ。わざわざアドバイスまでありがとうございます」


冴えない表情を浮かべるミルフィーユにローヴェが首を傾げると、ミルフィーユは表情を笑みに変えて彼へ礼を述べた。


(今更アツシさんに『ボーダ大陸へ戻りたい』なんて言っても、戻ってはくれないだろうしな。……大人しく、しばらくはこの大陸を捜すか)


ローヴェに気付かれぬようこっそりため息を吐きながら、ミルフィーユは杯に口をつける。

するとミルフィーユの隣に座って果実飲料を飲んでいたリオが、ふと身を乗り出してきて口を開いた。


「あのー、ローヴェさんは一体なんの旅をしているんですか?」


リオの質問に、ローヴェは「あぁ」と声をあげて彼女に微笑みかける。


「えっとだね、実は僕……パンドラを探して一人旅しているんだよね」


「パンドラ?」


疑問の声をあげたのはミルフィーユだ。彼は「たしかパンドラって、なんでも願いを叶えてくれるっていうお宝のことでしたよね」と言って小首を傾げた。

するとローヴェは「そうだよ」と笑って頷く。


「へぇー、パンドラを探してるんですか。じゃあローヴェさんは、"探求者"さん、ですね」


「まぁね」


リオの言葉に、ローヴェがはにかみながら再び頷いた。


「たん……きゅうしゃ……」


たしか前にリコリスから教わった言葉だと、ミルフィーユは思い出す。


「うん。パンドラを捜す人は、そう呼ばれてるよね」


「あ、そ、そうですよね」


ローヴェの捕捉を聞いて、ミルフィーユも曖昧に笑いながら相槌を打った。



パンドラを捜す旅人のことを、世間では"探求者"と呼ぶ。

リコリスからその話を聞いた時、ミルフィーユは少なからずその"探求者"というものに興味を持った。


パンドラってなんだろう。それを探す人って、どんな人だろう。


そして今、目の前にいるローヴェはその"探求者"なのだ。



「……あ、あの」


「ん?」


ミルフィーユは顔を上げ、ローヴェの表情を窺うような眼差しを向けて口を開く。


「パンドラを……探しているんですよね?」


「うん、そうだよ」


「ど……どうして探しているんですか?」


ミルフィーユは恐る恐るといった感じで、沸き上がる興味のままにそう問うた。


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