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Endless KILL  作者: ユズリ
Memento mori メメント・モリ
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Life and death 03

「それじゃあリコちゃんも行こっ!」


いつの間に"リコちゃん"と呼ぶまでに仲良くなったのかは不明だが、リオはそう親しげな様子でリコリスへ声をかける。

しかしリコリスは外へ行こうと誘うリオに、少し申し訳なさそうに表情を暗くさせて、首を横に振ってみせた。それを見たリオは、驚いたように目を丸くする。


「え、どうして……?」


「……」


不思議そうに首を傾げるリオに、リコリスは困ったように目を伏せる。だが彼女は直ぐに顔を上げ、今度はミルフィーユへ向けて何か訴えるような視線を送った。


「……あっ」


リコリスの暗い眼差しに、ミルフィーユは彼女が言いたいことを察して小さく声をあげる。その声を聞いて、リオの疑問の目はミルフィーユへと移った。


「どうしたの、ミルフィーユさん」


「あー……えっと、俺たちだけで行こうか」


「えぇ? リコちゃんは?」


首を傾げたまま視線を向けてくるリオに、ミルフィーユは苦笑いを浮かべながら「リコリスは疲れてるみたいだ」と答える。

本当はまだ彼女に、夜の街中を歩く勇気がないのだろう。リコリスの訴える視線にそれを理解したミルフィーユは、リオに「だから彼女は部屋で休ませてあげよう」と言って笑った。



「あぁ、そうだったんだ。ごめんねリコちゃん、疲れてるのに無理に誘っちゃって」


「……」


リオの申し訳なさそうな謝罪の言葉に、リコリスは無表情に首を横へ振った。


「それじゃあリコリスは部屋で留守番ということで……」


「……」


ミルフィーユの言葉に、リコリスはコクリと頷く。それを確認したミルフィーユは、「じゃあ行くか」と言ってリオと共に酒場へと向かう。


「じゃあ行ってくるね、リコちゃん!」


「……」


元気よく手を振るリオに小さく手を振り返しながら、リコリスはぼんやりと二人を見送った。







二人を見送ってしばらく廊下に立ち尽くしていたリコリスは、自分には特にやることも無いしやりたいことも無いので、部屋へ戻ろうと踵を返す。

すると今度は二部屋分離れた廊下突き当たりの部屋の扉が開き、室内だというのに黒い帽子を深々被ったソフィルアが中から出てくる。

彼はリコリスの姿を目にすると、開口第一に「リオは?」と彼女へ問うてきた。

しかしメモ帳とペンを部屋に置いてきたリコリスは、どう返事を返せばいいのか困った様子で立ち尽くす。


「……?」


「……」


「……あ、そうか。確か、喋れない……」


リコリスの沈黙の意味に気付き、ソフィルアは「悪い」と仏頂面を申し訳なさそうなものに変えて謝る。リコリスは『気にしないで』とでも言うように、首を横に振った。


「それで、リオは部屋の中か?」


ソフィルアが質問のしかたを変えると、リコリスは否定の意味で首を横へ振る。


「ん? ……じゃあ出掛けているのか?」


眉をひそめたソフィルアに、リコリスは少し間を置いてから頷く。

それを見たソフィルアの表情が、より一層険しく変化した。


「出掛けた? まさか外か?」


再び頷くリコリス。すると今度こそソフィルアは表情を強張らせ、「一人でか!?」と突然大声をあげてリコリスへ迫った。


「!」


「リオは一人で外へ行ったのかっ!?」


激しく問い詰められ、リコリスは驚きながらも首を横に振ってみせる。


「え……?」


リコリスの否定を見て、ソフィルアは瞬間的に落ち着きを取り戻す。

そして彼は先程よりも優しい口調で、「どういうことだ?」とリコリスへ問うように呟いた。


「一人ではないのか?」


「……」


リコリスは頷きながら、突如広げた両手を自分の頭の上へと持っていく仕種をみせる。

そうして彼女は手でうさぎの耳のようなものを表現しながら、ソフィルアをじっと見つめた。


「な、なんだ……?」


「……」


リコリスが突如始めた奇っ怪な行動の意味が理解出来ず、ソフィルアは困惑した表情で首を傾げる。

しかしそれでもリコリスは一生懸命何かを伝えようとし、やがてソフィルアにもその一生懸命さが伝わったのか、彼はリコリスが何を言いたいのか少しわかったようで、しばらくして「もしかして……」と口を開いた。


「それは……ミルフィーユの帽子、を表現してるのか?」


「……」


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