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Endless KILL  作者: ユズリ
06.LostEDEN ロストエデン
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A wish 05

「……で、結局それはどんな武器なんですか?」


「だからーこれで魔物ガンガンぶん殴って倒すの。まぁぶん殴り棒って名前も長いから、オレは普段は杖って言ってるんだけどな」


「だったら最初から杖って紹介してくださいよ」


「そんなのつまんねーじゃん。まぁいいや、これでお前の疑問は解決したろ?」


適当な笑顔を向けて豪快に笑うアツシに、ミルフィーユはだいぶ納得いかなそうな表情をしつつも、一応頷いておいた。


「ホント、アツシさんのその適当なノリには敵いませんよ」


ミルフィーユがぼやき気味にそう呟くと、アツシはさらに大声で笑い出す。


「あははははっ! そりゃミルフィーユ、お前が真面目過ぎるからだよ!」


「なっ……」


前々から薄々気付き、そしてちょっぴり気にしていたことをアツシからダイレクトに指摘されたミルフィーユは、ショックを受けたように表情を強張らせる。


「お? どうしたミルフィーユ君、怖い顔して」


「……俺ってやっぱり真面目過ぎるんですかね?」


「え?」


なんか気にしだしてしまったミルフィーユを前に、アツシは少し困ったような表情をして頭を掻く。


「あー……いや、なにをそんなに気にしてるかは知らねぇが、別に気にするほどのことじゃねぇよ。確かにお前は真面目だと思うけど……」


「やっぱり真面目なんですね……」


アツシの前半の台詞は綺麗に無視して、さらに落ち込んでしまうミルフィーユ。


「いや、だからなんでそんなに落ち込むんだよ」


ミルフィーユがどんよりと暗くなる訳がわからず、アツシの困惑はさらに深まる。

やがて困り果てた彼は、「別にいいじゃねぇか、真面目でも!」と言ってミルフィーユの肩を強く叩いた。


「それがお前のいいところでもあるんだしよ! 長所だぜ、長所!」


「……そうですかね」


「そーだぜ、真面目なのはいいことだ! ……と、思う」


「……」


これまでの短い付き合いの経験から、基本的にアツシの言葉をまるで信用しなくなったミルフィーユは、彼の励ましにやはり疑惑の眼差しを返す。


「お、なんだその目は! さては信じてねぇな!?」


「……アツシさんの言葉はどーも信用出来ないって言うかー……」


「お前はちょっと失礼なとこもあるなー! ったく、人がせっかくフォローしてやってんのに……じゃああれだ、リコちゃんに聞いたらいいんだな? なぁ、リコちゃんもミルフィーユの真面目なとこは長所だって思うよなー?!」


突然リコリスに話を振ったアツシだったが、しかしリコリスはミルフィーユの背後で、何故か自分たちの遥か後方へ視線を向けて立っていて、二人の話など微塵も聞いていなかった。


「……リコちゃん、どうしたー?」


これといって何もない後方を真剣に眺め見るリコリスに、二人は先程のやり取りなどすっかり忘れて、揃って不思議そうな顔をしながら彼女に声をかける。


「なんかいたのか?」


「……」


声をかけられ、リコリスは正面へ向き直りながら小さく首を横に振った。

しかしすぐに彼女はもう一度後ろを振り返り、無表情のまま僅かに目を細めて、これといって何もない岩山の道の先を見つめる。


「?」


「なんでしょうね?」


リコリスのとる謎の行動に、顔を見合わせて首を傾げるアツシとミルフィーユ。

そんな二人を尻目に、何やらもう気が済んだらしいリコリスは再度正面を向いて、ミルフィーユらに「遺跡の中に入らないのか?」というような視線を向けてきた。

そのリコリスの視線を受けて、アツシは苦笑いを浮かべながら「あーじゃあ行くか」と言って歩き出す。


やがてミルフィーユたちはアツシを先頭にして、古く朽ちかけた白い遺跡の入口へと足を踏み入れていった。





ミルフィーユたちが遺跡の中へ入った直後、先程リコリスがしきりに何かを気にしていた岩が連なる道の、大きな岩山の影からコソコソと二つの人影が姿を現す。



「……ふぅ。やっと中に入ってくれた」


二つの人影のうち、一つはとても小柄なもので、発する声は少女のもの。


「リオ、何故こんな風に身を隠す必要があったんだ? そもそもここへは一体何をしに……」


もう一つの人影は逆に背が高く、がっしりとして引き締まった体格の少年のもの。


「あ、ごめんソフィー。いやぁ、なんとな~くこっそり人目を避けて遺跡に入りたかったというか~……」


「……」


リオは煌めく青銀の髪を指先で弄りながら、不可解そうな表情を浮かべて自分を見るソフィルアにそう笑って説明する。


「そ、それにこの遺跡! 実は前から行ってみたいとこだったんだー!」


「そうなのか? エルペターナの街を出た時から先程の3人の後をついていくようにしてお前は行くから、俺はてっきりあの3人の後を尾行しているのかと……」


「えっ!? いや、そ、そんなことないよ! 違う違う、あの人たちと同じところに着いたのはまーったくの偶然だよっ!」


ソフィルアの言葉に、リオは焦りを隠して笑顔で否定を口にする。


「……そうか、偶然だったのか……」


「うん! 偶然偶然っ!」


リオがガクガクと首を何度も縦に振ってみせると、ソフィルアは仏頂面を僅かな笑みに変えて、納得したように「そうだったのか」と呟いた。


「ところでリオ、この遺跡には前から行きたかったとさっき言っていたが、ここには何があるんだ?」


「え!?」


続くソフィルアの質問に、リオは冷や汗を額に浮かべながら「え、ええとね~」と、困ったように頭を抱えて悩みだす。

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