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Endless KILL  作者: ユズリ
06.LostEDEN ロストエデン
48/253

A wish 01

たとえば、この世界が自分の望む楽園だったとして

果たしてそれは、万人の望む楽園になりうるだろうか。


逆に多くの人が望む楽園の定義というのは、一体何なのだろう。



”平等な世界”


”争いの無い世界”


”誰もが幸福な世界”


”豊かな世界”




人の欲望にはきりがない。

だから万人の望む楽園を造ろうとすれば、それはきっと楽園にはならない。






そもそも、楽園とは一体何なのだろう。


『みんなが幸せな世界のこと、じゃないかな?』


……みんなが幸せな世界なんて有り得ない。

幸せの裏には、不幸が必ず存在するんだから。


『でも、そんな世界を夢見てもいいと思うの』


夢見る?

それには一体、何の意味があるんだ?


『……私はね、少しだけ心が暖かくなるよ? みんなが幸せな世界を想像して、私は幸せな気持ちになれる……』


……君の望む楽園は、みんなが幸せな世界なんだな。


『そう、だね。私が望む楽園こそが、みんなが幸せな世界……だね』


君らしいな。


『私らしい? ……そっか、私らしいんだ。……へへっ』


あぁ。他人の幸せを一番に考えるところが君らしいよ。


『……それは違うよ。だって周りの誰かが笑っていると、私も自然と笑顔になる。誰かが幸せになると、私も幸せになるの。だから、結局は自分の為だよ』


……。


『みんなの幸せが、私の幸せ。きっときれいごとだとかって言われるだろうけど、本当に私はそれ以外の幸せが思い付かない……』


でも、それでいいんじゃないか? それが君の望む楽園なら、そう俺は記憶するよ。


『あ、りがとう。……あなたは?』


俺?


『うん。あなたが望む、楽園……なに?』


……何だろうな。






彼女がかつて言っていた、自分が望む世界の形。それは”皆が幸せな世界”

それは俺も、確かに望む。

だけど俺は心のどこかで、そんな世界は有り得ないと否定している。


でもきっとあの時の彼女も、それを理解していたのだろう。

だからあの時の彼女は、とても淋しげな瞳で微笑んでいたんだと思う。



誰もが望む、楽園。

それは定義することが困難ならば、それを実現しようとすることはもっと困難だろう。



◇◆◇◆◇◆

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