石焼き芋屋さん
石焼き芋屋さん
森に薪になる木の枝を取りに行った、りゅねとりさりさは、両手いっぱいに木の枝を抱えて帰ってきた。
「りゅねもりさりさも、ありがとー!!」
ぽっぽは、二人とも汗だくになって頭に木の葉をつけて帰ってきた姿を見て、すごく頑張ってくれたねと丁寧に頭に着いた木の葉をとってあげる。
「いちまーい!にぃーまーい!さーんまーい・・・・」
「つかれたー!たくさんつけてきすぎだよー!」
ぽっぽは、二人の頭から30枚以上の木の葉を取り除いた。たしかに、この二人はどこでこんなに木の葉をつけてきたのだろう・・・?
「ぽっぽちゃん!ありがとう、なんか頭が重かったんだよねー。あははっ!」
りさりさは、笑いながら木の葉にじっぽで火をつける。湿っている木の葉も多かったが、枯れている木の葉にはすぐに火が付き、それを木の枝につけてどんどん火を大きくしていった。
「まず、なにつくるー?」
ぽるんが、おなかをすかせて空の鍋を持ってくる。
「ん~。すぐできるのから作ろうかな~。」
ぽっぽは、切った野菜と水を鍋に入れさっき倒した蛇の肉も投げ込む。ある程度、煮えてきたら味付けをすると、みんなの皿に入れていく。
「ねぇ。ぽっぽちゃん。これって何?」
はるるは、皿の中にある、紫色の液体につかった野菜がごろごろしている物を指さしぽっぽに確認する。
「それはねー。山の幸のスープカレーだよー!蛇の出汁がよく出てておいしいよー!」
ぽっぽに料理させちゃダメなことをみんなすっかり忘れていた。今までろくなものは作っていなかった・・・。
「でも、においはおいしそうだよー?」
ぽるんは、スプーンと皿を手に取り口に運ぶ。
「そりゃにおいは、カレー粉でごまかされてる感じはして、おいしそうなにおいはしてるけどね・・・」
りゅねとそのほかも、空腹には勝てずにスープカレーに手を伸ばす。
スプーンに、スープカレーと言われたものを乗せると口に運ぼうとする。しかしその瞬間!
「がっ・・・ごぼっ・・・」
ぽるんが、泡を吹きながらカレースープを全部吐き出した。
「「だっ大丈夫!?ぽるんっ!しっかりしてっ!!ぽるんでも食べれない物って、どんな猛毒料理なんだよっ!!!」」
みんなで、ぽるんを介抱しながらぽっぽに文句を言っている。ぽっぽは、おいしい料理を作ったつもりだったので、泣きそうになっていた。
『いっっしぃぃぃ~~~や~~~~くぅい~~~もぉぉぉ!おいもっ!!!』
すると、遠くから石焼き芋屋さんの声が聞こえてきた。
「あっ!!石焼き芋屋さんだぁ!!!」
それまで、泡を吹いて倒れていたぽるんがガバッっと起き上がり声のほうに猛ダッシュで走っていってしまった。しばらくすると、石焼き芋屋さんの後ろから押しながらぽるんが帰ってきた。すでにその口には、石焼き芋が咥えられていた。