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りゅね


 第2話 りゅね


 ぽっぽたちは、準備を済ますとお着替えをしておうちに鍵をかけて森の中を4人で歩き出す。3人のこびとたちは、歩くスピードは遅いのだが木々を飛び回りぽっぽの歩くスピードに普通についてきていた。


 途中、森の中にある泉に立ち寄る。


「おや、りゅね君じゃないか。今日は、ぽっぽちゃんたちとお出かけかい?」


 泉の近くに立っている、樹齢200年は超える木の長老がりゅねに話しかけてくる。

 りゅねは、いつも泉に遊びに来ており木々や鳥たち、泉の精霊とも仲良くしていた。


「ん~?りゅね君どこか行くの~?そんな大荷物もって。」


 泉の精霊の「はるる」が、りゅねに気付き話しかけてくる。

 パンパンに詰まったリュックを見て、どこかに行くことに気付いたようである。


「んとねぇ。みんなで一緒に街に行くの。」


 りゅねが、そう答えるとはるるは、ほっぺたをふくらまし


「え~~~~!そんなとこ行ったらしばらく遊べないじゃないの~~!わたしも、ついていく~!!」


 はるるがわがままを言ってくる。りゅねは困って、ぽっぽにどうしようかと相談すると


「うん。いいんじゃない?大人数のほうが旅も楽しいしね~。」


 ぽっぽは悩むことなく、はるるを受け入れる。


 はるるはとっても喜び、りゅねのリュックの上にちょこんと座った。羽が生えているのでてっきり飛びながらついてくるのかと思っていたが、羽を動かし続けるのは疲れるらしい。


 特に、重さはないためりゅねも気にはならないようであった。


 ぽっぽと、3人のこびとと、1人の妖精となった一行は森の中を進んで行く。


 しばらく歩くと、火山の近くに差し掛かる。

 すると、カーン!カーン!と、鉄を打つ音が響いてくる。


「おやおや、ぽっぽちゃん。どこかお出かけかい?」


 火山の近くにある製鉄所で働いているドワーフの「ろくべぇ」が、大荷物をしょった面々を見て不思議そうに尋ねてくる。


「あっ!ろくべぇさん。こんにちわ~!

 そうなんだ。町まで行こうかと思ってて。」


 ぽっぽは、いつも何かと装備を作ってくれているろくべぇと仲良くしている。


「おやおや。そうなんじゃねぇ。お、それならちょうど出来上がったこの剣を持っていくといいよ。道中には、何があるか分からんからのお。」


 ドワーフのろくべぇは、15センチほどの短剣をポッポに手渡す。


「あら、これって・・・。」


 ぽっぽは、手渡された短剣を鞘から引き抜くとすぐにそれを感じた。


「やっぱり黙ってても、ぽっぽちゃんだと気づくんじゃな。まだ幼いのに感性は大人より鋭いのお。普通の大人じゃ、その剣の良さには気づかんぞ。」


 やっぱり、ぽっぽは剣を引き抜いた瞬間のまがまがしい妖力が間違いでなかったことをよかったと思った。いつも、このドワーフは、物の価値が分からないのか簡単に妖剣やスキル付きの装備をただでくれるのである。町で資金に困ったらうっぱらおうと、ぽっぽは心の中でほくそ笑んだ。




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