表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/22

新しい力に目覚めた日

 魔物が喋った!?

 目の前の銀色4つ腕猿人から感じられる脅威も、その口から人間の言葉が紡ぎ出された驚きに吹き飛んでしまった。

「こ、言葉が・・・?」

「言葉ヲ使ウノハ人間ダケデハナイ。当タリ前ダロウ?」

「あ、当たり前なの!?」

「何モ知ラナイ様ダナ。マア、マダ子ドモダ。仕方ナイダロウ」

 僕がすぐそばにいるのに、銀色猿人の目はカグラさんたちに向けられたままだ。

 正に、僕のことなど眼中にないのだろう。


 新たに強力な敵が現れた事が分かっているのかいないのか、カグラさんとカゲロウさんの4つ腕猿人に対する戦いは苛烈さを増していく。

 カグラさんの剣と盾は、確実に猿人の攻撃を受け流し、カゲロウさんの魔剣は剣身の形を変化させながら、少しずつ猿人の身体に届き始めている様だ。次第に猿人の黒い毛皮に刻まれる傷が増え、その動きが鈍り始める。

「魔剣ヲ操ルノカ。ナカナカ厄介ナ女ダ」

 そう言いながら、銀色猿人の口元には嬉しそうな笑みが浮かんでいる。


 こいつは、危ない奴だ。

 戦闘狂という奴だ。

 4つ腕猿人との戦いは、やっとカグラさんたちが優勢になって来たというのに、そこに銀色猿人が参戦すれば、簡単にひっくり返ってしまうだろう。

 なんとしても、銀色猿人の動きは阻止しないといけない。

 問題は、今の僕にそれだけの力がない事である。

 攻撃的な紋様はもうないし、創造魔法も、魔力が残っていなくて、もう一度短剣を作れるかどうかも怪しいところだ。

 それでも、詠唱を開始。


「フム。アイツガ殺サレテモ面白クナイシナ」

 銀色猿人が下の2本の手を剣にかけながら、前に出ようとする。

 相変わらず、僕を警戒する素振りもない。

 それならそれで、都合が良い!

 詠唱完了。

 僕の右手が、何もない空間から真紅の短剣を掴み出す。

 ぎりぎり、魔力が足りた様だ。

 突然生じた魔力の奔流を察知した銀色猿人が、足を止めた。

 その背に、僕は踊りかかる。

 刃さえ届けば、なんとかなる筈。


 魔力の刃が、筋肉の盛り上がった肩を斬り裂こうとした時、銀色猿人が1歩前進し、その攻撃をするりとかわしてしまう。

 そして、振り返り様に長剣を一薙ぎ。

 狙いは、僕の首だ。

 速度、力強さともに、必殺の一撃。

「うがっ!!」

 意味のない叫びとともに、僕はその攻撃を短剣で受け止める。


 パキィーーーン!


 金属音とともに砕け散る、銀色猿人の長剣。

 とっさに短剣で防ごうとしたけど、魔力製の刃が鋼の刃に打ち勝ったらしい。正直、驚いた。

 しかし剣を折られた銀色猿人は、もっと驚いたようだ。後方に跳んで僕から距離を取ると、折れた剣をまじまじと見つめる。

「驚イタ。オ前ノ様ナ子ドモマデガ、魔剣ヲ使ウノカ」

 猿人もここまで表情が豊かなのかと思うぐらいに、目を剥き、口をあんぐりと開ける。

 

 でも、その身体に傷1つつけられなかったのは、大失敗だ。

 距離を取られてしまっては、僕の身体能力では銀色猿人に追撃をかけるのは不可能に近い。

 おまけに、もう魔力切れだ。右手の短剣が空気に溶ける様に形を失ってしまう。

 どうする?

 もう、短剣を創造する魔力はない。

 普通の短剣では、まるで歯が立たないだろう。

 カグラさんたちは、まだ戦い続けている。

 通雷の魔法で時間稼ぎをするか?


「子ドモ1人ナラ見逃シテヤロウト思ッタガ、ソウモイカナクナッタナ」

 銀色猿人が上側の手指を組み合わせ、何かの印を形作った。

「※※※※※!」

 そして、不思議な唸り声を上げる。僕には、それが3つぐらいの声というか音が重なった韻律に聞こえた。

 その韻律に乗せて、10を超える銀色の刃が放たれる。

 魔法だ。

 韻律は、呪文だったのだ。

 恐ろしく詠唱時間が短い魔法だったのだ。

 長さ20センチぐらいの三日月形の刃が、怒濤のように僕に襲いかかる。


「――――!!」

 気づいた時には、記憶魔法の呪文を唱えながら、僕は魔法障壁の紋様を取り出していた。

 記憶魔法は、呪文を唱え終わってから前後2分ずつぐらいの情報を完全に記憶するものだけど、今の銀色猿人の呪文を再現するのは、いくらなんでも無理だろう。反射的に記憶の魔法を使ってしまったけど、通雷あたりを使うべきだった。

 

 ギシャッ!!


 展開した魔法障壁に、銀の刃が畳み込まれる様に命中。

 イヤな音とともに、魔法障壁が歪み、ひび割れ、砕け散る。

 叩きつけられる衝撃。

 障壁では殺し切れなかった魔法の余波が、僕の身体を切り裂いて行く。

 僕は、がっくりと片膝を付いた。


「ホウ。防イダノカ!」

 またまた大仰に驚く銀色猿人。

「い、今のは・・・?」

 勝手に僕の口が動いて、質問を紡ぎ出す。

 もしかして、僕の中の新しい魔法への欲求って、生きるか死ぬかの恐怖に勝るんだろうか? 質問するより、次の手を考えるべきなのに。

「呪文ノ事ヲ言ッテイルノカ? ソレナラ、答ハ圧縮呪文ダ」

「圧縮? ・・・あのブブブ・・・っていうのが?」

「ソウダ。子ドモニハ無理ナ技ダヨ」


 銀色猿人が、また胸の前でさっきと同じ印を組み始める。

 もう、魔法障壁の紋様はない。

 残っているのは――――。

 僕が投げ放った羊皮紙から、爆発する光。

「グワッ!」

 目を灼かれ、銀色猿人の詠唱が止まる。

 目潰しの紋様だ。

 これで、使える紋様はなくなってしまった。法術の紋様があるが、戦闘の役には立たない。

 すかさず、創造魔法の詠唱を始める僕。

 ここで何とかしないと、銀色猿人に勝てる機会はもうないだろう。全ての魔力を振り絞ってでも、もう一度短剣を――――。


 出せなかった。

 やっぱり、魔力が足りないものは、どうしようもない。

 短剣よりもっと小さくて、銀色猿人を倒せる様な物がないか?

 創造の魔法で作り出せるのは、自分がよく知っている物だけだ。武器の中で、短剣より小さく、僕がよく知っている物は、投げナイフぐらいか? 投げナイフ1本で、あの巨体をどうにか出来るか?

「オオオオオオッ!!」

 銀色猿人が吠えた。

 目が見えないまま、長剣を振るおうとする。


「くっ!」

 心を決めた僕は、虚空から()()を引っ張り出した。

 羊皮紙だ。

 3枚。

 その全てに、氷結の紋様が描かれている。

「凍りつけ!!」

 

 きしぃん――――!!


 まとめて投擲された羊皮紙から、六角形を無限に組み合わせた氷の波が湧き出して、銀色猿人の身体を呑み込んだ。

 氷結の紋様を1枚だけ使った時とは比べものにならないぐらいに強い冷気が、僕の身体をも押し包む。

 さしもの銀色猿人も動きを止め、氷の彫像と化す。


 ぎし・・・っ!


 軋む空気。

 

 やれた・・・のか?


 いや。まだ駄目だ。


 氷の呪縛の内側で、銀色猿人のけた外れの力が、己を解放しようと蠢いているのが感じられる。


 ぎし・・・っ!

 ぎし・・・っ!


 悲鳴を上げる様に、銀色猿人を飲み込んだ氷が鳴る。


 カグラさんたちが剣を打ち合う音が、やけに遠い。

 つまり、まだ応援は期待出来ないという訳だ。

 もっと、氷結を重ねるか?

 でも、本当に残っている魔力は、ごくわずかだ。羊皮紙と言えど、あと数枚しか作り出せないだろう。それに、氷結では足止めにはなっても、銀色猿人を倒す事は出来ない。

 だったら、雷縄で?

 いや。筋強化と斬撃強化を使って、普通の短剣で斬り付ける方が良さそうだ。


 よし。創造魔法だ――――。

 その瞬間、銀色猿人を縛る氷の枷が、激しい音を立てて砕け散った。

「ガフッ!」

 上体を折って、咳き込む銀色猿人。

 氷に閉ざされていた間、呼吸が出来なかったのだろう。ひどく苦しがっている。しかし倒れる様子はない。

「子ドモト思ッテ・・・油断シタワ・・・!」

「不死身ですか・・・」


 迷っているうちに、紋様を作り出す時間もなくなってしまった。

 絶体絶命。

 銀色猿人の僕を見る目が、とても剣呑な光を帯びている。さっきまで殺す価値もないと思っていた小僧が、真っ先に殺すべき相手へと昇格してしまった様だ。

 怖い。

 とんでもなく、怖い。

 その視線を浴びているだけで、生命が削られていく気がする。


 僕を睨みつけたまま、銀色猿人が上体を起こした。

 いよいよ、僕を殺す気だ。

 一か八か。

 僕は、胸の前で両手の指を組み合わせた。

「ハ?」

 銀色猿人が、頓狂な表情を浮かべる。

 それは、そうだろう。使える筈がないと言われたばかりの圧縮呪文の真似事を、僕がやろうとしているのだから。

「※※※※※!」

 その正体は、口で呪文を唱えるだけではなく、同時に鼻や喉の奥で発した音を併せて、より高度な魔法を完成させるというものだ。


 ひどく難しい作業だったけど、何とか上手くやれたみたいである。

 口で紡ぐ呪文に、鼻と喉の奥で発した音が、複雑に絡み合う。

 絡み合った全ての音が再構成され、1つの呪文を完成させる。

 呪文が完成した途端、僕の中からごっそりと魔力が抜けて行くのが分かった。

 あー。失神する。

 しかし、意識を失う直前、たった1つだけ放たれた銀色の三日月形の刃が、銀色猿人の胸に吸い込まれるのだけが、確かに見えた。





 目覚めると、辺りはもう薄暗くなっていた。

 焚き火のパチパチという音とともに、何かを煮る良い匂いが伝わって来る。

 身じろぎすると、身体中に筋肉痛の様な鈍い痛みが広がる。でも、堪えられない程ではない。

「目が覚めたか?」

 かけられた声の方に視線を向けると、僕のそばに腰を下ろしたカゲロウさんが見えた。どうやら、怪我らしい怪我もしていない様子だ。


「・・・どうなりました?」

「よくやったな。アグニくんのおかげで、奴等を倒す事が出来た」

「あの銀色のは・・・?」

「胸を貫かれて瀕死になっていたのを、カグラがとどめを刺した。あれだけの大物を倒すとは、私もアグニくんの力を見誤っていた様だ」

 カゲロウさんによれば、4つ腕猿人を倒した後に僕を助けようとして、気絶している僕と瀕死の銀色4つ腕猿人を発見したらしい。

 どうやら、僕が戦っているところは見ていない様だ。

「紋様をずいぶん使わせてしまったみたいだな。先に言っておくが、申し訳ない事にその分の金額を全て補填する事は出来ない。それに、アグニくんの怪我を治すのに、アグニくんの持っていた法術の紋様まで使わせてもらった」


 僕の様な子どもに、カゲロウさんは丁寧に頭を下げてくれた。魔鉄級冒険者ともなるとお金をいっぱい持っていそうだけど、案外そうでもないのだろうか?

「心配しないで下さい。この紋様は正規の物じゃありませんから、実はそんなにお金はかかっていないんですよ」

 僕自身が描いたという事は明かさずに、カゲロウさんを安心させておく。さすがに、金貨を何十枚も払えとは言う気はない。

「そうなのか? ずいぶん効果の安定した紋様だったが」

「運良く、安くて良い紋様が手に入る機会があったんです」

「それは、うらやましいな」


「さあ、スープができましたよ」

 そこに、1人で料理をしていたカグラさんが声をかけて来た。

「アグニさんはけっこう出血もしていましたから、しっかり肉を食べて下さいね」

 ゴロンとした肉の塊が浮かんだスープを差し出すカグラさん。

「こ、この肉って、まさか・・・」

「そうです。銀色の方のです」

 続いてスープを受け取ろうとしたカゲロウさんの動きが、ピタリと止まる。


「カ、カグラ、いつの間に・・・!?」

「嘘です。豚の干し肉を戻した物です」

「・・・。貴女の冗談は分かりにくいのよ・・・」

 疲れた表情で肩を落とすカゲロウさん。カグラさんは真顔を崩さない。

 カグラさんの方が常識人に見えて、実は逆だったりするのだろうか?

「今日は、ここで野営です。依頼は果たせましたので、明るくなってからのんびり帰りましょう」

「あの4つ腕2体が最後だったんですね?」

「周囲を見回りましたが、もう猿人は残っていない様です。安心して下さい」


 スープを口にしながら、カグラさんが淡々と状況説明をしてくれる。

「そこでカゲロウも言っていた報酬の件ですが、アグニさんに銀色の猿人が持っていた長剣を1振りもらって欲しいんです」

「え?」

「剣の様な戦利品は売り払った上で、そのお金を等分するつもりですが、銀色の猿人が持っていた剣が思っていたより良い物でしたので、アグニさんに使ってもらえればと考えた訳です」

「それは嬉しいですけど、いいんですか?」

「是非」


 カゲロウさんが、すかさず3振りの剣を僕の前に置いた。

 銀色猿人の持っていた剣らしい。元々は4振りあったが、1振りは僕が刃を折ってしまったのだ。

 戦っている時は気づかなかったけど、並べて見せられると、確かに良い造りの剣ばかりの様である。

「私が薦めるなら、これだな。最も鋼が良いし、剣身が短めなところも、アグニくんには使い易いだろう」

 カゲロウさんが言う剣を手に取ってみると、ずっしりとした重量感が、やけに頼もしく感じられた。刃の輝きも冴え冴えとしていて、とても斬れ味が良さそうだ。


「これにします」

「簡単に決めたな」

「ちゃんと気に入りましたよ?」

 ひょんな事から長剣が手に入った僕は、自然とにやけてしまう。目利きが出来る訳ではないけど、これだけの長剣を買おうと思ったら、金貨が何枚も必要なのは確かだろう。正に棚ぼたである。

「後は、猿人たちの武器や素材を売った分で、報酬を上乗せさせてもらいます」

「それは、お任せします」

 お金が欲しいのはもちろんだけど、創造の魔法と圧縮呪文を覚えられた上、長剣まで手に入ったのだ。本当なら、こちらからお金を払わねばいけないぐらいの話である。払わないけど。


 食事を終えると、辺りはもう真っ暗。

 森の中は、視界が利かなくなるのも早い。

 見張りは3人で交代。僕は最後、つまり朝方にしてもらえた。怪我での衰弱があったので、負担が小さい様にしてくれたらしい。

 おかげで、交代で起こされた時には、かなり身体が楽になっていた。むしろ、銀色猿人と戦う前より調子が良いぐらいである。

「手強い魔物から、たっぷり魔力を取り込んだせいだろう。あれだけの魔物なら、筋力にまで影響が出ているかも知れないな」

 ぶっきらぼうに言って、横になるカゲロウさん。


「魔物を倒したら魔力が増えるとは聞いたけど、身体も強くなるんだ?」

 カゲロウさんやテュールさんたちの体力が人間離れして見えたのは、気のせいではなかったのだ。強い魔物を倒し、その魔力を取り込んで、肉体までが強化されていた訳だ。

 これまで、ゴブリンやオーク、2本腕の猿人を倒した事があるけど、特に身体能力が上がった実感はなかった。魔力が増えたという感覚もなかった。

 そんな実感を得ようと思ったら、銀色猿人ぐらいの大物を倒さねばならないという事なのだろう。





 日が昇ると、僕が起こすまでもなく、カグラさんもカゲロウさんも自然に目を覚ました。

 保存食で簡単に朝食を済ませると、さっさと出発をする。

 新たに左腰に吊られた長剣の重さが心地良い。

 なおそれ以外に、売却する為の他の長剣が2振り、僕の背嚢には入っている。

 そして、カグラさんとカゲロウさんも、4つ腕猿人の武器を分担して運んでいる。カグラさんは、盾を2枚背負っている状態だ。


「でも、4つ腕2体だけが武器まで持ってて、別格だったんですねー」

「そうですね。雑魚たちも、成長すれば4つ腕になったのかも知れませんが」と、カグラさん。

「え? 猿人たちって、あれでまだ子どもだったんですか?」

「魔物の成長のし方は、人間とは違いますからね。身体の大きさは、最初からあんなものだと思います」

「あの大きさで生まれて来るんなら、母親はどんな大きさなんでしょうね?」

「それは、下手をすると4つ腕よりも大き・・・母親?」


 僕の何気ない質問に答えようとして、カグラさんが何か重大な事に気づいた様子で足を止めた。

「そうだ。母親はどうした? 4つ腕は、どちらもオスだったぞ」

 カゲロウさんも、同じ様に立ち止まる。

 その顔からは、血の気が失われていた。

「ようやく気づいてくれたのか?」

 聞き慣れない声が頭上から降って来たのは、その時だ。

「――――!?」

 カグラさんとカゲロウさんが、すかさず戦闘態勢に入る。


 状況について行けなかったのは、僕だけである。

 そんな僕の前に。

 音もなく、金色に輝く猿人が降り立った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ