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御令嬢の予感2


前回の続きです。


よろしくお願いします☆





「まぁ、お兄様。お顔が真っ赤ですわ」

「うるさいうるさいうるさ〜いっ!」

「可愛らしいです」

「んなっ」

「ロディお兄様は喋らなければ、が条件ですわね?」

「ふふ、アンリったら」


 真っ赤になった伯爵様をアンリと一緒になってからかってしまいました。


「アンリも伯爵様の格好がとっても似合いますよ」

「本当? ローラ、今日も可愛いね?」

「んっ、ア、アンリも素敵です」


 ワタクシの顎を持ち上げて微笑むアンリのブロンドの髪がサラリと流れ、細められた紫水晶(アメジスト)の瞳に少しドキドキして、真っ直ぐ目が見られません。女の子と分かっていてもイケメンですっ。


「……くっ、公爵閣下のローラ可愛いと言う気持ちが分かってしまいましたわ。あんな顔は反則でしょう……!」


 アンリが小声でブツブツ何かを言っていますが、ワタクシには何を言っているのかは聞こえませんでした。ヨロヨロしながら伯爵様の方へ歩いて行きます。


「ボクを放ったらかして二人の世界にはいるなよっ」

「ロディお兄様、私危うく道を外れてしまう所でしたわ……」

「あ、あぁ。外さなくて良かったな?」

「ふふ、お二人で内緒のお話ですか?」


 やっぱりお二人は仲が良いなと思っていると、ふと意識が庭の方に向き、一瞬だけ何かに見られている様な感じがしました。


「?」

「ローラ? どうかしましたの?」

「いえ……。何でもありませんわ」

「ガーベル嬢」

「アンリ、こっちのお菓子も食べませんか?」

「っ、ガーベル嬢!」

「は、はいっ!?」


 ここの所、ずっと名前か愛称しか呼ばれていなかったので反応が遅れてしまいました。


「お前、ボクが呼んでるのに無視するなよっ」

「ごめんなさい、家名は慣れなくて……。伯爵様もワタクシの事はローラと呼んで下さると嬉しいですわ」

「っ慣れないなら、し、仕方ないからそう呼んでやるっ。ボ、ボクの事もロディで良いからなっ」


 キュッと眉を寄せてそう言うと横を向いてしまいましたが、口元を緩めて嬉しそうにされているのでワタクシも嬉しくなりました。


「お兄様、嬉しいくせに素直じゃないですわね?」

「アンリっ!」

「ふふ、ありがとうございます。ロディ様」

「フ、フンっ」


 アンリとロディ様とのお茶会がとても楽しくてあっという間に時間が過ぎてしまいました。




「ふ〜、危ない危ない。フローラルさまに気付かれるなんて鈍ったかなぁ〜? あぁ、でもあんな顔したフローラルさまが見れただけでもいいかな。可愛かったなぁ〜……食べちゃいたいくらい、ね」


 怒られるかな、怒られるよねとクスクス笑い、けれども眼だけはギラギラと肉食獣を思わせる様な鋭い視線でローラ達を見つめていた。




 * * *




 ーーコンコン……


「フローラルお嬢様、よろしいでしょうか?」

「はい」


 部屋で寛いでいるとセバス様がいらっしゃいました。こんな時間にどうしたのでしょうか。


「セリシア様がお呼びです」

「こんな時間にですか?」

「……手が離せないとの事で、執務室まで来て頂けますか?」

「分かりました。……セバス様も執務室の中に居てくれますか?」

「セリシア様がお許しになるのなら居る事はできますが……」

「そう、ですよね……。無理を言ってすいません」

「いえっ、その様な事は……!」


 ありがとうございますと微笑み、夜着から着替えるので外に出て貰いました。一人でも着れる前ボタンの簡易的なワンピースですが、夜なので許して貰おうと思います。


「お待たせしました」

「執務室までご一緒します。……夜は冷えるのでこちらをお召し下さい」

「セバス様、ありがとうございます」


 セバス様からカーディガンを受け取って着込み、公爵様の執務室まで歩いて行きます。



「セリシア様、フローラルお嬢様をお連れしました」

「入れ」

「失礼致します」


 扉をノックして中に入ると、書類に囲まれた公爵様が立ち上がってこちらに歩いてきました。


「ローラ、こんな時間に呼び出してごめんね」

「どうかされたのですか?」

「ちょっとね。あぁ、セバスはもう下がっていいよ」

「ワタクシ、セバス様も一緒にお話を聞きたいですわ」

「ローラ?」

「ダメ、ですか……?」


 手を胸の前で組んで上目遣いに公爵様を見上げます。夜に二人きりなんてワタクシの貞操が危ないだけですもの。セバス様が居れば何もしないだろうと思って必死にお願いします。


「そんなに可愛くお願いされたら駄目とは言えないね。構わないよ」

「ありがとうござ……んーっ」


 お礼を全部言い終わる前にギュウギュウに抱き締められて口付けを落とされました。ゆ、油断なりませんっっ!


「ん……。でも、これぐらいは許して欲しいな?」

「……っ」


 公爵様の熱を含む眼差しが怖くて、離れた隙に両手で口を押さえてコクコク頷きます。セバス様が居るけれど、やっぱり貞操の危機には違いありません……。


「可愛い可愛いローラがいけないんだよ?」

「セリシア様、本題を……」

「そ、そうですわ。どうかされたのですか?」


 見かねたセバス様の言葉に便乗して話しを逸らしました。仕方ないねとぼやきながらもワタクシを膝の上に乗せ、頭を撫でながら話し始めます。



「……ローラ、王城の舞踏会に呼ばれているから一緒に行こうね?」




あぁ、新しい出逢いの予感ですーーー











新しく何かが動き出します。

次回、あの人が登場……?


ここまで読んでくれてありがとうございます☆

誤字、脱字などございましたらご指摘くださいませ。


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