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凡人の異世界転移物語  作者: 小さな枝切れ
第一章 洞窟と竜
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旅の準備

「ルースミア、さん、とりあえず服着よう?」

「無い。あと、さんはいらん」


堂々とすっぱだかで言い切ったよ。

そうだよな、ドラゴンが服持ってるわけがない。


「俺が目のやり場に困るんです。それに後で人里に出た時必要になるでしょう。

なるんです。

財宝の中に間に合わせでも良いからローブとかは無い?」

「人間とは面倒な生き物だな。

ん〜確か…」


と言いながら財宝の中から一着の少し汚れているが白いローブを取り出す。


「我と戦った者の1人が着ていたローブだ。

どれどれ、魔力感知、物品鑑定、魔法識別」


な、なんか簡単に凄い魔法使ってるな。

そう言えば俺普通に会話してたけど、共通語が日本語はありえない。

となるとこのまま街に辿り着いても言葉通じないじゃん!

などと考えていると


「なるほど、切り裂きと炎と冷気に非常に強い防御効果を持っている。か。

どうりで我のブレスで消し炭にならなかったわけだ。

まぁこの『守護のローブ』で良いか」


ルースミアはそのローブを着用しだす。


オイオイオイ!サラッと恐ろしいこと言ってくれてるよ。

しかもゲームなら終盤で入手しそうな、ん?冷暖房完備防刃ローブじゃんか。

俺が欲しいよ。


「えっとルースミアさん、今更ですが俺と会話できるのって魔法ででしょうか?」

「なぜ急にかしこまる?」

「いえ別に…」

「我と主はパ…パートナーになったのだ。

いちいち我の言ったことでビクつく事はないぞ。

主の最初の言葉が知らない言語だったからすぐに言語翻訳を使ったが、それがどうかしたか?」


そこやっぱりどもるのね。


「ということは、街に行っても俺会話できないです…できないよね」

「それについては我がすでに考えてある。

主に有効な魔法のアイテムが、確か我の財宝の中にあったはずだ」


そう言うと少し離れた財宝の山をかき分けて探しているようだ。

場所分かるんだ。

ちなみにローブを着込んだルースミアは似合っていて可愛いと思ってしまったが、貞操の危機を思い出し声には出さなかった。


「おぉこれだ。

ほれ、身につけてみよ」


手渡された腕輪は豪華な宝飾などはなく、いたってシンプルな作りで目立たなくて良い感じだ。

言われるままに腕輪をつける。

うん?何も変化を感じられない。


「『賢人の腕輪』というものだ。

効果は身につけていれば、人間が努力次第で獲得できる能力の範囲なら3つまで瞬時に扱えるようになるというものだ。

もちろん腕輪を失えば賢人の力も消える。

主の場合、共通語で一つ使うことになるから、残り2つは慎重に選ぶと良いだろう。

もし、人間が努力次第で獲得できる能力の範囲外の要求であった場合、無駄に1つ消費するので注意するのだ」


腕輪の力を発動させるためのコマンドワードを教わり、早速共通語を理解可能にした。

残り2つ、人間が努力次第で獲得できる能力の範囲ってのは難しいな。

ちなみに共通語を取得した段階で、会話に加え読み書きも今まで使っていたかのようになれた。


「主よ、他には何かあるか?」


その問いかけに俺は欲が出てしまう。

そう、武装だ。今まで平和な世界で生きてきた俺にとって、ドラゴンが普通にいる世界は死と隣り合わせに等しい。

欲が見え見えにならないように考えてから答える。


「今の俺の服はこの世界に無いもので目立つと思うから、俺にも服があれば欲しいかな」


なるほどとルースミアは頷くと、また何かを探しだす。

よし!うまくいったぜ!


「これならどうだ?

『エルフの外套』だ。魔法効果は日に3回姿を消せ、一度外すまで効果がある。

コマンドワードは…」


おおお⁉︎ショボい?

いや凄く良いものだが、ルースミアが着ているローブと比べると劣って見える。

でも戦う術がない俺には隠れられるって言うのはちょうど良いか。


「うん、今着ている服を隠せるからちょうど良いかも」


上手くごまかし外套を身につける。

さすがエルフの外套だけあって映画や挿絵で見たような神秘さがある、しかも袖付きだから前を閉じたままでも手が使えるのはメリットだな。

武器?そんなもん貰ったって、使ったことが無い俺には聖剣ですらただのなまくら同然だよ。


残るはこの山のようではなく、山になっている財宝をどうするのか?か。


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