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見えない手の取り方  作者: KKK
事象①    片瀬 心
7/9

シャボン玉

学校も二年目に入ってくると皆と少しずつズレが出来て来た

中学から一緒だった子も部活に入り生活をエンジョイしているし高校入って出来た同じ帰宅部仲間も今では彼氏とよろしくやっているらしい

一年生の時仲のよかった人は皆クラス替えで別々になり疎遠

たまに顔を合わせてあいさつするぐらい

ズレ

そんな小さなズレが少しずつ重なり今では放課後遊ぶ仲間もいない

遊ぶことがない。

そんなズレもあと半年の我慢だ

もう卒業

友達いない2年間意外と悪くなかったぞ

まぁ、良かったことと言ったら小遣いが溜まることぐらいか

家に早く帰ってもすることがないしね

そんな毎日が続くようになってから数カ月

いつの間にかここに通うようになっていた

ゆっくりと忘れられている橋

そうゆっくりと

みんなの記憶の中から消えている

私も・・・・

その橋から足を投げ出す

本を読む時もあるし

携帯をいじる時もある

今日はたまたま弟がどこからか貰ってきたシャボン玉をしてみたが

・・・・意外と楽しいなシャボン玉

小学生の時以来やってなかったが

ストローを液につけまた飛ばす

本当はストローではなくシャボン玉用の大きな管があるはずなのだが・・・ない

仕方がないので前飲み物を買った時にバッグの下に入っていたストローで代用中

そんな感じ

「ふーーー」

シャボン玉はゆらゆら飛んで

ゆらゆら

ゆらゆら

そして、弾ける

ゆらゆら

ゆらゆら

まるで私みたいだ

「帰ろう・・・」

シャボン玉が尽きたのはそれから5分

橋のたもとに置いてある自転車まで歩く

川に落ちていくシャボン玉

パンッ!

シャボン玉は消えてなくなった

「な~に感傷に慕ってるんだか」

自虐してしまうくらい空しい気持ちだ

誰からも咎められず

誰からも見えない

そうやってシャボン玉みたいに消えていく

「ダメダメ・・・暗くなったら帰れない」

まだ考え込んでしまったようだ

自転車に跨り家を目指して出発!

「少し冷えるな」

梅雨入りしたはずなのに

私は家を目指して自転車を漕ぐ


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