出会いました
「う・・・うぅん」
なんだったか・・・・
ああ、朝か・・・・
いつもの通りベッドの上から起きる
時間は7時
学校に行くのが8時半
ちょうどいい時間だ
それにしても前がぼやける
あれ?
私泣いている?
枕を見ると・・・
「うわ・・・」
びっしょりだ
なぜだかわからないけど
私は泣いていたみたい
悲しい夢でもみたのかな?
覚えていない
でも
きっと夢だったんだ
だから大丈夫
自分に言い聞かせる
「朝よ~」
コンコン
部屋のドアが叩かれる音
「わかった~」
あ~とりあえず学校行くか
着替えて部屋から出る
下に降りるとご飯のいい匂いがする
食卓には両親がいた
「今日から仕事で遅くなる。心はしっかりと塾に行けよ」
父は私の顔を見るとそう一言言って新聞を見始めた
「はい」
父には逆らえない
だから父の望むとおりに学校に行って塾に行っている
この家では父が絶対の権力者
「大丈夫よ。心はテストの成績がいいって学校でも塾でも褒められているんだからね」
母はそんなことを父に自慢した
「それを維持しなさい。心は頭がいい子なんだから」
「はい」
私はここにはいなかった
私の居場所はここにはなかった
「お父さん」
父が新聞紙からこちらに目を向けた
「来週の日曜日友達と遊びに行っていいかな?塾休んで」
そう
来週は友達とカラオケに誘われている
たまには羽を伸ばしたい
でも
「だめだ。塾は休むな」
そんなとこが叶うわけがなかった
「お前を塾に行かせるためにどれだけ私が働いていると思うんだ」
そうしてまたお説教
その父を援護する母
「貴方は大学にいくの!だから他の子を蹴落として成績を上げないといけないのよ」
これが私の日常
両親は私に期待している
私を天才だと疑わない
私もその期待に応えるべく過ごしてきた
「そうだよね。わかった塾に行くよ」
両親の期待に応えること
「まったく。くだらないことをいちいち聞くな・・・でわ会社に行ってくる」
「貴方、行ってらっしゃい」
そうして出ていく父
この家は嫌い
「心も学校行きなさい」
「はい」
また誰も話を聞いてくれないんだね
そうやって今日もまた朝はすぎていく
そして学校へ行く
私の学校は進学校らしい
登校しても誰も話かけてこない
今日から試験か
「カリカリ」
シャーペンの走る音が静かに聞こえる
誰も他人に関心がないようだ
そのまま時間が経過する
朝礼が終わり
授業
休み時間
授業
お昼
授業
そうやって今日もまた終わる
学校が終わればすぐに塾
家に帰れば予習復習
休める時間なんてない
この世界には休める場所はない
それに気づいたのはいつのことだったか
あれは・・・・そう初めて自殺をした時だ
去年の暮
私は自殺をした
したという表現はおかしいだろう
未遂という表現が正しい
自殺未遂をした
塾の屋上から私は確かに下に落ちたのだ
落ちた
そして死ぬはずだった
なぜか今生きている
目を閉じて落ちた
目を開けたらベットで何もなかったかのように寝ていた
日付は自殺未遂をした次の日になって
初めはわけがわからなかったが・・・・なんだかこの世界はそういうものらしい
今までの自殺未遂の回数は両手で収まらない
何度落ちても死んでない
死ねない
この世界は私を離さないようだ
死ぬことが人間最後の安らぎだったのに私は死ねない
休めない
休ませてもらえない
この世界で私は動き続けることを余儀なくされた
だから私は動くのだ
逃げられない
避けられない
私はもう歯車にしかなれない
塾から帰り予習復習そして寝る
次の日の父からお小言を言われる
学校へ行く
友達と他愛のない会話
少し心が癒される
心のココロが・・・・なんちゃって
そしてまた塾
学校塾家学校塾家学校塾家学校塾家学校塾家
繰り返される日々
止まることのない歯車の上で足掻いてる
朝夜朝夜朝夜朝夜朝夜朝夜朝夜朝夜朝夜朝夜
たまには朝が二回来てもいいじゃん
朝朝とかさ
夜が来なくてそのまま次の日
そんな日もあってもいいじゃんか
でも、現実は非常で
朝が来たら夜が来て・・・・
「はぁあああ」
ため息一つ
そして彼女は・・・また落ちた
ジリリリリリ
あくびをしながら体を起こすと目覚ましがけたたましく鳴っていた。
「また・・・・同じ」
目覚ましを止めるとベットからのそのそと起き上がる
時間は7時
「死ねなかったか・・・」
昨日ビルから落ちたはず?
もうなれたさ
死ねないことにはね
そして繰り返される日常
死
朝
死
朝
死
この世界で私はまだ死ねないようだ
この繰り返しの中
私は君に出会ったんだ