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見えない手の取り方  作者: KKK
事象①    片瀬 心
2/9

始めました

神様はきっと意地悪だ


こんなに苦労してるのに報われない


いつ幸せになれるのだろう


シンシンと雪


深夜二時


町の喧騒


深夜だと言うのに人の流れは止まらない


雪を少し疎みながら空を見る


暗い


少し視点を下げると目が眩むほど明るい


ここは神様に見放された場所


夜は睡眠をとるとプログラムされた人間の反乱


ここでは神様なんていなくて


夜は寝なくてもいい


神様が世界を暗くしても


ここは明るい


そんな神様に反抗している場所


これじゃ神様なんて助けてくれないな


まあ、私はさ


神様なんて信じていないわけで


ほら


なんか神様がほんとにいたら


助けてくれるんでしょ


魔法みたいな感じでさ


助けてくれたら神様信じるよ


お~い神様


助けてみなよ


本当にいるのなら


出来ないでしょ?


だから神様はいなんだ


それとも私だけ助けないつもりか!


神様!!


あ~あ・・・・・・・・・暇だ


こんなこと考えてしまうほど暇でしょうがない


周りを見渡すとクリスマスのイルミネーションがキラキラと街路樹の上で光っていた


首にかかっている真っ赤なマフラーで口まで隠す


寒い


私の前を横切っていく人は皆コートとマフラーで完全装備での移動しているのに


自分の恰好・・・・・制服


ははははは、寒いわけだ


ミニスカなんて履くんじゃなかった


さっきからおっさんにじろじろ見られるし


あ、またこっち見てるおっさん発見


あれはなんだ


私が気付いてないとでも思っているのか?


あんなにちらちらと・・・・・あ・・・おっさん転んだ


目の前で派手に転んだおっさんはすぐに起き上がりそのまま小走りで去っていった


いや。あれだね。


うん、それにしても寒い


足が凍る


もう感覚がない


足がくっついてないみたい


少し不安になりベンチから立ちあがってみる。


どうやら足は付いていたようだ


スカートの上に薄らと積もっていた雪がぱらぱらと地面に落ちた


頭の上にも雪


肩にも雪


私はなんだ


雪だるまか


「は~・・・・寒い・・・・」


少し背伸びをしたら腰が鳴った


立ち上がるとイルミネーションがよく見える


まるで夢の世界みたいにキラキラと、光り続けているイルミネーション


ここは夢の国


そして私は夢の国の住人


そう!ミ○キー


嘘です。ごめんなさい


「さてと・・・・どうするかな」


このままでは雪に埋もれて死ぬ


昨日でお金は尽きた


2週間前のおっさんもうちょっと金くれればよかったのに


花の女子高生とデート出来たんだから10万くらいくれてもいいだろ


実際のところおっさんは1万しかくれなかった


「は~食事だけだとやっぱダメか~」


今回おすすめするお仕事は、おっさんと食事だけする簡単なお仕事です


日給1万


この機会に皆さんどうぞ


なんてね。


一万円は一週間とたたない内に消え去った


体を売ることはしたくなかったが・・・・


そろそろそんなこと言ってられない


この雪の中


金がないのは自殺行為だ


暇だし


寒いし


動きたくない


でも動かないと死ぬ


・・・なにこの泥沼


私が何か悪いことしたか?


おっさん騙して一万円もらっただけだよ


そりゃ次会うの条件でお金もらったけど


しかも会ってないけどさ


でもこの仕打ちはないんじゃない?


このままだと死ぬよ


花の女子高生がバス停で死亡・・・・明日のニュースでるかな・・・


「はあーー」


悴んだ手に息を吹きかける


財布の中には数十円


・・・・うまい棒なら買えるか・・・・


夕食はうまい棒


・・・・・低カロリーだな


そんなことを考えていると反対のポケットに入れてある携帯が震えた


ポケットから携帯


「「着信10件」」


パタン


そのまま何もせずに携帯を閉じた


「携帯捨てるかな・・・」


そんなことを本気で考えてみる


携帯を強く握る


腕を振りかぶる


バス停の後ろにある池へ


投げ・・・られない


「・・・・捨てられないか」


わかっていた


うん


これは捨てられない


だってこの状態で携帯捨てたら確実に死ぬ


しょうがないから生き残らせてやるよ


感謝しろよ


携帯君


本当は壊したいくらいなんだぞ


あんな奴に貰ったものなんて。


「乗りますか?」


ふと前から声


バスのドアから運転手がこちらを覗いていた


私が乗ると思ったのだろう


「えっと・・・乗りません」


そう言うと運転手は少し怪訝そうな顔をしてドアを閉めた


すいません・・・


ココロの中で謝る


「う~ん。ここにいたら邪魔か」


とりあえずコンビニで時間をつぶそう


温かい場所に・・・


重たい脚を動かした


雪が積もり始めた町の中で


ゆっくりと動き出した


人の流れに流されながら


「よし行くか」


私は近くのコンビニを探し始めた

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