<暗雲の地の雨宿り>
あなたがあなた自身を大切に思うこと。
あなたがあなた自身を自衛すること。
<暗雲の地の雨宿り>
最初はポツポツと降る、極小の雨粒だった
考えるのは嫌いな方ではなかった むしろ得意だったのだ
でも、孤独を愛するという意味ではなかった
一瞬だけ、幸せを見たような気がした
でも、それは自分だけが見ていた幻だった
慣れているはずなのに・・・期待してはいけないと意識していたはずなのに・・・
気付けば雨は感じるだけでなく目視できるようになった
目に見えて普段とは異なる苛立ちを感じていた
これ以上考えたくなかった
自分が壊れてしまうのではないかと感じた
どうして、何事もなかったかのように日常を振る舞わなければならないのだろう
ただ後悔したくないだけで、後悔するかも分からないのに“今まで通りの自分”を演じた
でもそれは、余計に自分を自傷した
メランコリックに沈む内情のさまを言葉少なげに嘆いた
自分は祝福されていないのだと コンプレックスを簡単に払拭することなど出来ずに
自分はこれからも変わらない生を生きるのだと
自分のあり方を問うのに疲れたように、雨宿りの出来る場所を探した
そんな頃だった 何かが引き寄せられるように変わり始めたのは
雨宿り
真っ暗闇の部屋の中
涙返さず
夜の帷へ
とても静かな室内に声が零れた
こちらに語りかける声ではない 不特定多数に語りかける声
でも、心の沈んだ今、このときにおいて、その声は不思議と暖かかった
冷たく冷えた体が温まっていくように
体の奥底の方からじわりじわりと温もっていく
近寄ってきた猫を抱きしめた
ギュっと、ギュっと強く抱きしめると自然と涙が零れそうになった
自分の今いる場所が少しわかった気がした
部屋の中でパソコンのウィンドウだけが光を放つ中で
静かに横になり 声に導かれるように眠りに落ちた




