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診断書~宝物

君と君がまだ出会う前の君と君。そこにあるもの。


<診断書>


イライラが止まらない、激痛が止まらない、生きている気がしない。

軽傷と感じられる感性が何一つなかった。


もはや効果のない騙し騙しの医者の薬を飲み、盲目と激痛に呼吸を歪めながら仰向けで眠る。

あまりの信じられないくらいの悪臭に鼻が折れそうになりながら目を閉じる、涙が流れた皮膚の場所だけが綺麗だった。寝相を変えることの叶わないまま痛みをこらえながら必死眠った。醜いほどに消えてしまいたい、鏡のない真っ黒の世界で生きるしかない、残された時間を今死んだ方がマシか、まだ生きていた方がマシな生涯か考える、空は真っ直ぐに見れないぐらいに眩しいか灰色だった。

 …それでも呼吸は荒くなっても、停止することはなかった。

                 

<モニターの中の遊戯>


「根本的に言って、君は君自身が可愛いんだよ、だから他の男に目がいくんだ、君は君自身にふさわしいと思う男のもとでしか生きられない欲深い生き物なんだよ」


「何を言ってるのよ!自己中な理屈ばっかり並べて、あなたがギャンブルばっかりに手を出すから、私が苦労する羽目になるんでしょう!理屈並べる前に生活を改めなさいよ!!」


「君は明らかに僕よりも多くお金を使っているよ、数少ない娯楽を奪わないでくれ!君が付き合いだと称して出掛けたかけたお金の方が圧倒的に大きいじゃないか」


「あなたが自分が働くからは君は家を待っていてくれって言ったんじゃないの!できもしないことをカッコつけて言うんじゃないわよ!」


「今だって仕事はしてる、それに満足できないで男を作って遊んでるのは君自身だろ!何も協力できないのに不満ばかり言うんじゃないよ」


 テレビのモニターの中では、永遠と夫婦喧嘩の行われている光景が続く

 君はそれを理解できないとばかりに冷ややかな目で見ていた


 ほとんどの人間関係の失敗はコミュニケーション不足にあると論じた


 でもそれはもっと深刻な社会変化を映し出していることに君は気づいていたから

 おかしいのは彼らだと簡単に言ってのけた


 そして君は君自身であれるように、一つ一つをゆっくりと愛そうとした

 傷ついた心はいつかきっと、癒せるからと信じながら


<宝物>


「天国に一つだけ持っていけるとしたら、何を持っていく?」と君に尋ねたんだ


すると君は部屋中をあさり始めた、君にはどれを持っていくか迷うぐらいたくさんの宝物があったんだ。


そして、何時間もした後、君は僕の元に戻ってきた


「何を選んだんだい?」と尋ねた


すると君は連れてきたお母さんを自慢そうに見せて「お母さん!」と元気な声で言った

その自信満々そうな声で気づいた、部屋をどれだけ探しても、やっぱりお母さんに敵うものなんてなかったんだと、一度気づいてしまったら、お母さん以上に大切なものなんて考えられないんだって。


でも、いつか、その一番大切なものは変わってしまうかもしれない

君自身はその成長とともに変わっていく、人間らしくあることかもしれないし、相反するものかもしれない、それはきっと、君の愛し方次第なんだよ


大切なものが大切なままありますように


君らしく愛らしく世界は回る



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