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アルナイル~光を求めて~  作者: 伊藤おかし
9/28

9話 ソロ1

立ち直ったショウちゃんと別れて、帰宅した後休む事なく日課の練習メニューを終え、寝る準備を万端にした僕は、ダイブギヤを被る前に飛田くんから来ていた通知を開く。


「なになに、『今日は、9時から潜るけどこれるか?』か、」

今の時刻をスマホ画面で確認すると9時5分と既に若干9時を過ぎていたが、飛田くんならチャットアプリとダイブギヤを連動させてる事に賭けてメッセージを送る。


「今から潜るよっと」


すると10秒も経たず既読が付きじゃあまた噴水前に集合など返信が返ってくる。


最近はチャットアプリさえ連動してればフルダイブ中でもチャットが開けるんだから凄いなと感心する。


待たせても悪いので僕は勢いよくダイブギヤを被り又あの世界に旅立った。

瞼を開けると僕は再びujの宿屋のベットの上にいた。

「よし、いくか!!」

個室から出て噴水の前に行く。既に待っていてくれたらしく、見覚えのある黒装束に白髪で双剣を装備したかっこいいアバターが、ウィンドウをいじりながら待っていてくれた。


「お待たせー待ったー」

「おう来たか、じゃ今日は本格的に靡きの草原を攻略していこうぜ」

「うん!!」

僕は本格的に靡きの草原を攻略しにフライくんをお供に付けて町の外をでた。


「でそれで道場に行ったらあの栗花落先輩がいて驚いたのかー」

「そうなんだ!!もうめっちゃ驚いたよ。まあ、とんでもない強敵も潜んでたんだけど」

「強敵?なんのことだ?」


今日あった事を話しながらそのまま2人でモンスターを狩りながら進んでいると僕が、3つ目の攻撃系のスキルを手に入れるなど順調に攻略を進めながら進んでいった。


「それにしても、キルはモンスターを倒すの上手くなったよなーやっぱり剣道のお陰だったりするのか?」

「うーんどうだろう。1番の要因は、最近この辺のモンスターのアルゴリズムは単純だから動きがわかってきちゃったからなんだよね」

 そうなのだ、このこの靡きの草原のモンスターは単純動きか首などの急所しか狙ってこない単純なやつばかりなのだ。だからあんまり最近は相手の動きを洞察して技を決めるっていう駆け引きが出来ていないのである。


「まぁ、この辺のモンスターはチュートリアルみたいなもんだしな。でも、がっかりするのは早いぜ、この草原を抜けたエリアのモンスターは相当高いAI詰んでるモンスターばかりだ」

「そうだと、腕がなるよ」


まだ見ぬ強者達を想像しワクワクしながら草原を進んでいると遠くからも見える岩の上に寝ている巨大な生き物を見つけた。

何故判別できないかというと単純に距離と奴が丸まっているからだ。

僕は目を凝らしながらあの獣についてフライ君に聞いてみると予想通りの答えが、帰ってきた。

「フライ君あのモンスターって」

「ああ、このエリアのエリアボスモンスター颯イタチだ」

「イタチ?なんだかボスって感じしないね?」

「そうか?まぁ戦ってみればわかるよ。最初のボスモンスターとはいえ、4人編成マルチ推奨モンスターだから、戦ってから驚くなよな。」

初めてボス戦がイタチってなんだか可愛い動物になった事で気を緩めそうになるが、フライの言葉を聞き、気を引き締め直す。


そしてさっきから考えていた事をフライ君に提案してみる事にした。


「ねぇフライくん」

「どうしたキル?まぁ、俺がついているだ。安心してー」

「僕アイツと1対1で戦いたい」

「えっ?!急にどうした?!」

僕のいきなりのお願いに困惑するフライ君に理由を説明する


「僕は仮想(こっち)でも現実(りある)でも強くなりたい。もっともっとだから、自分が今どこに居るのか知りたいんだ!!」

「でもよキル。お前ぐらいの時にアイツを1人で倒す奴らなんてプレイングスキル高杉さんのゲーマー達くらいだぜ?いくらなんでも無謀だ」

「うん、でも挑んでみたいんだ」

 この後も何回かフライに説得されるが僕は断固として1対1でやりたいと駄々を捏ねまくった。

 正直焦り過ぎだし無謀なんじゃないかって自分でも思うでも、生き急がねば!!僕にはゲームや漫画のようにご都合主義のスキルや魔法で強くなれる様な特別な存在じゃ無い。だから、一戦一戦何か意味を見出さなければ、目標に指すらかけることなく終わってしまうんじゃ無いかという確信がある。


「お願いだよフライくん僕に挑戦させてほしい」

「はぁ、もうわかった。じゃあ後ろで見てるから、助けが欲しくなったらいつでも呼べよ」

「ありがとう」


根負けしてくれたフライ君にお礼をした後僕は右手に剣を強く握る。僕はまだ、あの人に挨拶ぐらいしか話せて無いんだ。どもらない様ちゃんと話せるようにな自信が欲しい。あの人に隣に並んでも不釣り合いじゃないって思える強さが欲しい、その為ならなんだってやってやる。


 僕の存在に気づいたイタチがゆっくりと動き出す。可愛いフォルムだが、顔は獣のそれ、しっかりと捕食者としてこちらを殺そうという意思が、現実と見間違える程のリアル感が伝えてくる。


この獣を倒して僕はまた一つ強くなる。僕の初めてのエリアボス戦が始まる。



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