6話 鈍感野郎は放っておこう。
予約投稿ミスちゃいましたすみません
部活終も終わりもう日課となりつつあるショウちゃんの翔勝利へのドリームプランをこなしだ僕は、手早くご飯と風呂を済ませ、ダイブギヤをかぶる。
「この前は最後は動きが良かったけど全然だったもんなー今日こそ日頃の練習の成果みせてやる」
決意を新たに僕の意識は仮想空間へと移行していく。
「今7時40分で待ち合わせ時間は8時だから、先に鍛冶屋に預けた剣を受け取ってから行こう」
宿屋で目覚めた僕は、宿屋を出て急いで鍛冶屋に向かう鍛冶屋の店には、前回も対応してくれた豪快な髭面のおじさんが店番をしており、話すと直ぐに取り出してくれた。
「はいよ」
「ありがとう。おじさん」
「いいってことよ。それよりお前武器買ってかねぇか?」
「えっなんか剣いいのあるんですか?」
「こんな感じだ」
そう言っておじさんが出したウィンド画面に表示される剣を見ていく。種類は少ないしどれも見事に弱そうだ。木の棒って何に使うんだ?
「えっと、もっと強い奴ないですか?」
「あ?そりゃお前強い武器ってのは普通の素材じゃないのよ。だから素材を提供してくれないと」
あっ素材持ち込み可なのね。ていうか自分で素材とってくればもっとこの店ももっと儲かるのでは?
「おじさんは、自分で素材取るとかしないんですか?」
「バカおれは人間だぞ?!お前ら旅人の鍛治氏と一緒にすんな?!」
「えっ?!あ、すみません」
なんか気まずくなったのでそのまま挨拶だけ店を出た。でも素材さえ持ち込めば強そうな武器を作って貰える事もわかったし1つ収穫だな。
最初の職業欄に鍛治氏もあったしその内NPCじゃなくて、プレイヤーに作って貰うってのもあるのかも。
そんな事を急ぎ足で噴水に向かいながら考えていると教えてもらったプレイヤーネームが頭上に出ているプレイヤーを発見し駆け寄りながら声をかける。
「あっ、飛田くーんお待たせー」
「ちょ、やめろキル‼︎こっちでは本名呼びはマナー違反なんだよ‼︎」
「あっ、そうなんだごめん。えっとフライくん」
飛田くん改めフライくんに怒られ呼び直す。なんかプレイヤー同士でもそういうマナーがあるんだ。オンラインゲームなんだから当然か。
そう考えているとフライくんの服の袖を掴みながら僕を厳しく睨みつけている子に目が合う。
「フライくん。その子は?」
「ああ、コイツはパーティー組んでるアンネロゼだ。アンネ前に手解きしてやりたいリア友って言ってたキルだ、挨拶して」
「どうも、フライくんのお世話になりますキルです。よろしくお願いします」
「アンネロゼ、よろしく、言っとくけど私もリア友だから‼︎調子乗んないでよ?」
「急に何言い出してんのおまえ?!」
そうだよ言ってやってよ飛田くん。よろしくお願いしますと挨拶したらから調子乗んなと返された僕はどう反応すれば良いのさ‼︎。
「だって急に学校でまゲーム中もリア友とゲーム出来るって嬉しそうにニヤニヤしちゃって、私がいるじゃない‼︎」
前言撤回僕は恋する乙女の邪魔をしているクソ野郎じゃないか?!しかし彼女とんでもないこと言ったな飛田くんどんな反応するんだろ?
「そんなお前……友達は何人いても良いいだろ?」
飛田くんのバカそこは彼女のヤキモチに照れろよ‼︎そんな俺達友達だよなって感じで、照れ臭そうにこっちチラチラみながら言うのやめてくれよ!!飛田くん彼女の殺意が僕に行きかねないからさぁ?!
僕は恐る恐るアンネロゼさんの方を伺う。彼女は俯き暫くプルプル震えた後ああ聞く息を吐いて、こちらをみた。
「じゃあ、そこのビギナー行くよ。私に着いてきな!!」
「おい、アンネ!!マナーが悪いぞ!!ごめんなキル」
「ヘイ姉御何処までも着いていきやす」
「あれ、?」
僕の順応性を不思議そうにしている鈍感野郎を背に、僕は恋する乙女の頼もしい背に付いていくのだった。
30分後、今現在僕はナイフラットの攻撃弾いている。「おりゃーーー」カキンと金属音がなり、僕の下から上に切る逆袈裟斬りによって大きく開いた銅をすかさず切った。
「出来た」
「そう。それがパリィ」
そうアンネロゼの姉御監修の元教えられた技パリィなんでも、ゲーム用語で敵が行う特定の攻撃に対してタイミングを合わせて攻撃することで、敵の攻撃を無効化しつつ追撃を入れられる戦闘システムの事を指すらしい。
戦闘が終わると終始アドバイスをくれていたアンネロゼさんの隣で見守ってくれていたフライが、労いの言葉を掛けてくれる。
「やったなキル‼︎パリィ初成功だ」
「うん。ありがとうフライくん」
「それでさ、新しくスキルが生えてたりしねぇか?」
「スキル?あっ本当だ‼︎リジェクトってスキルが手に入ったって画面が出たよ‼︎」
「本当か?!そのスキル条件が緩い割に使い勝手が良い防御系スキルだから役立つぜ」
「わあ、ありがとう」
「いいってことよ」
「あんたは、何にも教えてないでしょ。何先輩風吹かしてんの、それよりパリィとリジェクトとを覚えたんたんなら次行くよ」
「へい、姉御」
姉御もといアンネロゼの指摘に僕の横で項垂れているフレイを慰めつつ彼女の後を追う形で靡きの草原を進んでいく。
「で今あんたなんレベなの?」
「えっと今ので1つ上がって4レベですね」
「低すぎ、今から私達が使ってた狩場に行くから、しっかり着いてきなさい」
「ハイ‼︎」
「なんで、アンネが、俺のやりたかった上級者ムーブを次々と叶えていくんだ……」
なんか背後から師匠ポジを奪われ拗ねてる情けない男がいるが、気にしない事にした。
地図で確認すると大分町から離れたところにやって来る。場所も所々穴が開いてるけどなんだ此処?
戸惑いながらアンネロゼの顔を伺うと彼女は邪悪に笑っていた。今日1番の笑顔いただきました。
「あんたには此処でレベル上げして貰うはナイフラットやゴブリンより経験値は美味しいし此処は沢山いるし直ぐにレベルが上がるはずだから頑張りなさい」
嫌な予感がしてフライの方を向くとなんか顔を合わせようとせず穴に小石を投げていた。おい、こっち向けその穴一体なんなんだ。
嫌な予感がした通り穴からなにかて何かシルエットを確認して、僕は剣を構えて気を引き締めた。