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アルナイル~光を求めて~  作者: 伊藤おかし
4/28

4話時間が無いんだ

誤字などありましたらコメントお願いします。

「ギャーーーーーー」

「ふぅ、これでネズミは3体目かな」

ナイフ持ったネズミ、名称をナイフラットというらしい。奴らは奇襲を仕掛けてくるが、音がするので一撃でやられる事は無いしなんとか倒せているんだけど。


HP(ヒットポイント)は薬草齧れば回復するけど武器の耐久値がなー」


そうこのゲーム耐久値なる物が存在している為、過度に使いすぎると破損もしくは全損してしまうのだ。


まだ、耐久値はあるけどこのペースでどんどんモンスターを切って行ったら次の街に着く前にポッキリ折れる事間違いなしである。


「さっきネズミを倒したとき、手に入ったラットナイフがあるけど……」


耐久値バーを見ると随分と減っていた。2体目は突技でネズミの防御を突破したから倒したから手に入ったが、1体目も3体目も武器を破壊して一撃入れたのだ。


当然ながら初期装備でも何発か叩き込めば破壊出来るほどの耐久値しか無いのでこれを当てにするのは良く無いと、素人の僕でもわかった。


まあ、本当は相手の急所に直接叩き込めればベストなんだろうなぁー。どうやって立ち回れば良いんだろう?


 こうか、こうなのかと少し剣道のフォームで長剣を振り回していると、前の茂みから音が鳴り出す。


 次もネズミかそれとも別のモンスターかと剣を構え直すと、ナイフラットよりも遅いが、それでも早いと感じざるを得ないスピードで飛び出して来た緑のモンスターの攻撃を転がってよける。


直様体制を整えて武器が地面に突き刺さったのを抜こうと頑張っている緑のモンスターを観察する。


ナイフラットより少し大きく、緑の体表に少し尖った耳、なんか全体的にキモい見た目をしている。上の名前を見るとゴブリン表示されている。


なんか俺でも知ってる名前来たな。と少し和んでいると、相手は再び飛びかかってくる。今度は横降りの攻撃を剣で受けるが、衝撃で少し僕の体勢が傾く。


慌てて距離を取り、剣道の技を忘れ胴を狙って攻撃を繰り出すも受けられてしまう。


よしこの感触的にあのゴブリンの黒曜石みたいなので出来た手斧もそんなに耐久値が無いはず、蓮撃で武器が壊れたところを……ッ‼︎


僕は自分が知らず知らずのうちに剣道の上達より相手を倒す事を優先していた事に気づき自分の頭を小突く。


甘えちゃダメだ、2年も無いんだ。あの人が、栗花落先輩が部に居れるのは、だから他の人より何倍も努力しなきゃこのゲームすら血肉に変えて成長しなきゃあの人の居るうちに結果なんて出せない。


僕は記憶の中のショウちゃんに教えてもらった事を思い出す。


『いいか、まず感動で試合に勝つのに大切を説明するぞ。忘れない様に頭に叩き込め、忘れたら死ぬと考えろ』


『オッス‼︎』

『よし、先ず剣道は一対一の心理戦だ。何を狙って何をしているのか、これを見破る洞察力これを鍛えろ』

『オッス‼︎』

『本当お前返事だけは良いよね』

『オッス』

『……』

「洞察、洞察、相手の癖を見抜く。ぶつぶつ」

口ずさみながら中段に構え直す。そして今までのゴブリンの動きを思い出し予測を立てる。


2回とも飛びかかって頭をかち割ろうとしてきただから、僕の予測通り今回も飛びかかってきたゴブリンの攻撃を身を捩りスレスレで躱す。

 でも体を傾けすぎて体制を崩してしまい、結果として通り過ぎていくゴブリンに一撃見舞うことが出来なかった。


だけど観察して避ける事は出来た。次は反撃だ、僕は次のショウちゃんの教えを思い出す。


『そして次に大事なのは足捌きこれだ』

『オッス?』

『返事に?を入れるな‼︎』

『オッス』

『たく、まぁ説明すると足捌きの基本4つの送り足、歩み足、継ぎ足、開き足、だ。基本と特徴は全部教えたしやり方はわかるよな?』

『オ、オッス』

『おい……いいか?すり足にこの4つのを組み合わせろこれは正しいフォームを繰り返し反復するしかないだから、死ぬ気でやれでなければ先輩に振り向いてもらえると思うな‼︎』

『オッス‼︎』

僕は体勢を立て直し今度こそ反撃を加える為に側面に移動できる開き足の体制をとる。

「開き足、左に開く場合は、左足を左ななめ前に出し、右足を後方に引きつける。ぶつぶつ」

そして再び飛びかかってくるゴブリンの左側面に回り込み最後にショウちゃんの言葉を思い出しながら腕を振るう。


『最後は胆力切り結ぶってのは、怖いし決断力がいる。だからそれらを胆力でねじ伏せろ』

「オォッス‼︎」

声を出して腕を振り切ると、ゴブリンは真っ二つに切れていた。


ゴブリンはそのまま空中で光になって消えていった。僕は精神的に疲れてその場に地面に仰向けに寝っ転がる。

「はぁーーーーーー疲っれたぁー‼︎あっ、レベル上がってる」

レベルアップの音声が聞こえ成長したしたステータス画面が表示されるが、気にする気力が湧かない。

でも、なんか今のいい動きができた気がするな、ログアウトしたらリアルで練習しよ。


「これでちょっとは近づけたかなー」

仮想の空を眺めながらポツリと溢す。あの日勧誘してくれたあの人を思い出す。


絶対あの人に振り向いてもらえる男になって見せる。僕は決意を新たにし、飛び起きると次の街の方角に向かって再び歩き出した。

バトルシーンって難しい

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