3話ファーストエンカウント
僕は噴水から大通りの方に出ようと意気揚々と歩き出す。
「僕の偉大なるぶった斬り伝説の幕開けだぁー?道こっちで合ってるよね?」
出鼻をいきなり抉られ少しなんか閉まらないなーなん
なんて考えていると横から綺麗なおねいさんに話しかけられた。
「新たな旅人様。ようこそ始まりの町ガランサス へこの町随一のガイド、アイリスです。先ずは何処から見て周りますか?」
「あの俺先を急いんで、!!」
やんわり断ろうとした矢先に目の前にチュートリアルと書かれたウィンドウが表示される。これはもしや、出口聞けるのでは道を聞かなければと思っていた矢先に無償ガイドしてくれるというNPCが現れたのだこれに乗っかれば最後に出口に連れて行ってくれるにちがない。
「よろしくお願いします」
「はい、では私の後について来てください」
本当にNPCか疑わしい程に人間の様な振る舞いに驚きつつ僕は彼女の後を追った。そして、ここからは大きな町を回る苦行の巡礼が始まった。
「こちら道具屋になります」
「いや、あの僕興味ないから次に」
「早速入ってみましょう」
「ああー」
結局店の店主にも商品を押売りされて薬草を買わされた5個も、次に案内されたのは宿屋だった。
「宿屋に泊まるとリスポーンポイントを更新できます」
「あのそろそろ出口に、いけ」
「宿代は500ゴルそれ以上は負けないよ」
「いやぼく」
「お休みなさる際には是非宿屋に泊まってくださいね」
「あ、はい」
ウィンドウには宿屋に泊まる事でリスポーンポイントを更新できる。と書かれている一様お役立ち情報もあるだな。結局500ゴル支払う事になった。
そこからも自称随一のガイドアイリスさんと数々の店に押し切られ装備を整えて行った僕の財布はすっかり痩せ細ってしまった。泣いてなんてないんだからね‼︎
「最後に此処が町の門です。此処から先に真っ直ぐ進むと次の街ナイトレラにいけます。しかし道中には凶悪なモンスターが出るので旅人様は行く際はお気をつけてくださいね。では此処でガイドは終了です。又の利用をお待ちしております」
そう言って彼女は新たなカモを見つけたのか噴水の方に去っていった。ふっ精々君もぼったくられれば良いさ、僕は哀愁を漂わせて始まりのぼったくり町ガランサスを後にした。
雑貨屋で買わされた地図によるとここは、靡きの草原という場所らしい。
何処までも続くと思わせるほど広い草原と着々立っている木の風景に少し圧倒されるが、直様強くなるという当初の目的を思い出し歩みを再開させる。
草原の開けた道を景色を楽しみながら進む。偽りの風であると知っているのにこの風を心地いいなんて感じられるんだからやはりフルダイブゲームの凄さを改て実感する。
もしかしたらこのゲームが凄いだけなのかもしれないが……
そんな事を考えていると背後の草むらから音がする何かと振り返ると目の間には刃が迫って来ており避ける事など出来ず喰らってしまう。
自分のアバターから切られた箇所にダメージエフェクトが発生する。慌ててチュートリアルで教えてもらったHPバー確認すると2割ほど削られていた。
きっとこの程度で済んだのも防具やで買わされた革鎧で耐久値を上げておいたおかげだろう。
まだ大丈夫と自分を落ち着かせて腰に刺した剣を抜剣し気を取り直し初めてのモンスターをに構えを取る。
僕の初めて敵は膝下ほどの大きさのナイフを持ったネズミだった。なんかモンスターの上に名前が書いてあるが、知った事ではない僕は中段の構えから相手の面目掛けて長剣を振り下ろす。
相手のネズミのナイフに受けられる。それから僕は連続して面を狙って剣を3回撃ち下ろすが全部受けられた。
しかし、4撃目で相手のネズミのナイフが折れて光になって立ってしまう。僕は無防備になって慌てふためくネズミを一刀両断する。
僕の一撃でネズミ爆散し光となって消えて行った。
「一撃で倒せるものなのかな?まぁ、序盤だから敵もそりゃ弱いよね」
初めて敵を倒した僕のステータス画面にはレベルアップと表示されていた。
「そう言えばこのゲームステータスとかってあったんだっけ」
改めて自分のステータス出す画面を確認する。
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PN:キル
LV:2
JOB:戦士
50ゴル
HP(体力):28
MP(魔力):10
STM (スタミナ):21
STR(筋力):13
AGI(敏捷):10
TEC(技量):8
VIT(耐久力):20
INT(知力):8
LUC(幸運):10
スキル
・なし
装備
左右:
頭:旅人のバンダナ+5
胴:皮の鎧+7
腰:無
足:旅人のブーツ+5
アクセサリー:無し
スキルポイント:5
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なんか戦士って感じだ。侍とかになりたかったらどんな感じにステータスを伸ばしていけば良いんだろうか?まぁ、職業とレベルアップで倒し方に応じてステータスが伸びるのと別に、貰えるポイントの振り分け次第で戦い方が変わるとか飛田くん言ってたな。
よしなんか怖いから後できめ貯めて後で飛田くんに色々聞いてみよう。よし次だ、次のモンスターを切りに行こう。
僕は自分のステータスウィンドウを見ながら歩みを再開させた。
初期ステータスなんてどう設定すればいいのやら