表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アルナイル~光を求めて~  作者: 伊藤おかし
13/28

13話 今後の計画


「俺たちでギルドを立ち上げないか?」

そのビックリ発言に僕は、飲んでいたリンゴジュースを吹き出す。


 勿論ギルドなる存在を知らない訳では無い。僕も聞いてばかりでは悪いと調べて得た知識もあるのだ。寝落ちしてあんまり知らないけど。


「ギルドってあの入るとアイテム貸してもらえたり、ボスモンスター討伐の為の資金作りとかの色んな恩恵があるやつだよね?」

「おお、知ってるのか!!まぁ、小規模だとキルが言ってた様な大型ギルド程の恩恵は、ないかもだけどそれでも利点は多いと思うぜ」


それは知ってるんだ。問題は姉御だよ、杉原さん(妹)あの人絶対ギルド作るなら誘って欲しいでしょ。なにビギナーの僕にこんな話持ち込んでんの?


「なんで僕に?僕より強い人と立ち上げた方が楽しくない?ほらアンネロゼさんとか」

「なんでアンネが出てくるんだ?あいつはエンジョイってよりストレス発散でやってる感じだし、縛られるの嫌がるんじゃないか?」


このバカ!!真の目的は別にあるんだ。寧ろ此処で誘われず、2人でギルドなんて立ち上げようものならリアルでキルされかれない。


 そんな恐ろしい未来の道を一緒に進めるか、と考えている僕の前で人の気も知らないで勧誘を続ける。


「そんなに自分を卑下するもんじゃない。お前は、初心者なのに初見でエリアボスを倒すという結果を出したんだ。結果を出したら賞賛され投資されるって俺の親が言ってたぜ」

「えへへ、褒めてもなにも出なよー、って違うんだよ!!僕が言いたいのは、この話を最初に持ってくる人は別にいるんじゃないってこと!!」


 僕は身を乗り出しテーブルの対岸にいるフライをジッと見つめる。此処で間違えようものならリアルで関節技決めてやる。


「えっ、えーと……アンネか?」

僕は勢いよく自分の席に座り直しゴミを見る目で、なんだよ?今の間はよ?と訴えながら鈍感野郎を叱咤する。


「そうだよ。アンネロゼさんは、を先ず誘ってあげなよ。幼馴染みで小さい頃からのゲーム友達なんでしょ?僕が先に誘われてたら悲しむと思うよ」


「そうなんだけどな。最近なんか話しかけにくいっていうかどう察したらいいかわらないというかだな」


歯切れが悪い弁明を聞きながら僕は、何となく察した。


つまりあれだ。漫画によく描かれてる歳が上がるに連れ成長した彼女との差に話しかけ辛さを覚え疎遠になるあれだ。これは、杉原さんに報告せねば。だがしかしコイツ何処までラブコメの世界に生きてるんだ?


「まぁ、嫌いじゃ無いならさ。いきなり邪険に扱ったら可哀想だよ」


「そうか、うんそうだよな。俺あいつを誘ってみるよ!!ありがとうなキル」

「お互い様だよフライ君。又姉御の事で困った事があったら相談くらいならなるよ」

「本当か!!お前本当いいやつだよな」


僕の前で嬉しそうにオレンジュースが入ったジョッキを煽る鈍感野郎を見ながら、杉原(妹)に同情するのだった。

「で、話は戻るけどさギルド作ってなにすんの?」


気を取り直しギルドを作る事でフライ君がなにをしたいのか聞いてみる事にした。これを聞いてからじゃ無ければ


「ふっよくぞ聞いてくれたな。それは、」

「それは?」

「秘密だ」

「えーなにそれ!!それじゃ何にもわかんないよー」


僕の訴えを鼻で笑ったフライはこの世界での常識を僕に教えてくれた。


「いいか、キルMMO RPGってのはリソースの奪い合い。上手い情報ってのそれだけで宝と同価値なんだぜ。だからいくらフレンドでも簡単には話せねぇよ」


その言葉で僕は、理解した。フライは信頼出来る者達をギルドに誘い何か大きい事をしようとしていると。


「それって、ギルドに入ったら教えてくれるの?」

「なんだキルわかってんじゃん。当然入るよな」

「話を持ち掛けた順番はアンネロゼさんが最初って言ってね」


ニヤリと笑う彼がチラつかせた普通じゃない未知に僕は、抗うことも出来ずに乗ることとにした。


誘った側のフライはというと、ギルドメンバーが集まった事でテンションが上がったのか、大規模マップをテーブルの中心に表示して今後の冒険の方針を決めるぞと言い始めた。

「じゃあ早速、今後の冒険計画を立てるぞ」

「ゴクリ冒険計画」

「そうだ。まぁいつ迄に此処まで攻略するみたいな簡単なものだから、そう固くなるなよ」

「オッス!!」

「じゃあ説明するな。絶対に夏休み前迄に2つの街を超えた先にあるこの王都パイオニアンに辿り着く。以上だ」

「はい、先生ー」

「はい、キル君」

「どうして夏休み前迄に辿り着く必要があるんでしょうか?」



フライが指差した王都に何があるのかも、知りたいが、もっと気になったのは、何で夏休み前なのかという事だ。


生徒のロールプレイをしながらの僕の質問にフライは、良い質問だと言いながら教師のロールプレイでわかりやすく説明してくれた。


「さっき説明したMMOは、リソースの奪い合いって言ったのは覚えてる?」

「?覚えてるよ」

「このゲームujは、今年の1月下旬に発売されてからどんどんユーザーが増えてる。多分夏休みに入ると、今の上昇率から更に跳ね上がるだろうな」

「あっ?!」

「そう。単純に人が増えるとモンスターの狩場1つ見つけるだけでも一苦労する様になる。此処も直ぐに参加プレイヤーだらけになるだろう。だから、ハイペースでも1つのターニングポイントとも言われる王都に夏休み迄に辿り着く必要があるんだ。」


今まで気にしていなかったMMOオンラインゲームの特性を教えられ、フライの計画に納得すると同時に1つの疑問が浮かぶ。


先程の話に出てきたターニングポイントとは何だろうか?質問すると驚きの答えが返ってくる。


「そのターニングポイントって?」

「ああ、王都は大陸の中心にあって旅人に5つの選択を迫ってくるんだ。」

「5つも?!」

「そうだ。王都からの冒険は主に北、北西、西、南西、南にルートが分岐するんだ。勿論選択し直す事も出来る。今後の冒険拠点にするには、もってこいだと思わないか?」


僕はこの世界のスケールのデカさに改めて驚くと同時に興奮で口角が釣り上がるのを止める事が出来なかった。あのイタチより強い奴らやそれを倒すプレイヤー達と戦えると思うとどれだけ自分の経験になるのかを想像するだけで口角が上がるというものだ。


「凄い凄いよフライくん。まだまだ僕は強くなれるんだね!!」

「そうだ。部活や道場それに勉強もある分かなりハードな攻略スピードになると思うけど、行けるか?」

「勿論だよ!!」


僕はこれから旅するモンスターやエリアボスに思いを馳せるのだった。

誤字脱字のご指摘ありましたらよろしくおねがいします。高評価モチベーションに繋がるので宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ