仮もやめて、その先の先まで予約してくれ
「結衣の未来を仮予約させてくれない?」
そんなメッセージをくれるものだから、私は笑わずにはいられなかった。
どうしてそんな言葉が出てくるんだろう。ただ、今度遊ぶ日を相談していた。お互いに予定が変動しそうで、この日だったら都合がつくか摺り合わせていたら、この発言。
未来の仮予約だなんていくらでも勘ぐってしまえる発言じゃなかろうか。意識していないんだろう。きみにしてはキザったらしい言葉選び。まったく。私はその字面に吹き出して大爆笑だよ。このあとに続けて来ていたメッセージは普段通りのものだったのに。
意味を間違って捉えてしまったのは他でもない私だったからだとも思った。たくましい妄想とは裏腹に、胸がちくりと痛い。
そうだね、十二日と二十日のどっちかになるね。確定したら教えてほしいな。私は「いいよ」と答えたあとにそう付け加えて、ベッドにスマートフォンを投げた。
すぐに毛布の上から電子音が聞こえてきて、告げられる返信。早い、もう少し落ち着かせてほしい。義務感で返してくれなくても、今は良いよ。
深呼吸して天井を見上げる。電球の眩しさに頭がクラクラした。こみあげてくる笑いとため息。どうせなら仮じゃなくてもいいじゃないかと、不満と一緒に涙があふれてくる。もどかしさが渦を巻いて、胸がさらに痛んだ。
泣き終わったらとりあえず「やっぱり仮は駄目。キャンセルも不可で」と送ってやるとしよう。
きみと遊べる日が、私はとても待ち遠しい。




