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09「全知の神剣に俺の能力を数値化してもらってみたんだが」


 俺はムニスを抱えて駆けていた。

 ムニスは俺の腕の中で笑っている。

「よくもまああれだけ次から次へと口から出まかせを吐くものよ」

「神剣サマはお許しにならないか?」

「許すも許さぬもない。全知なる存在(モノ)は知恵を使う者を好むからの」

「そいつはありがたきしあわせ」


「それはそうとタクシ」

「あん?」

「勘違いがあるといかんので言っておくがの。我を使う時、身体能力が高まったかのような錯覚をしておるであろ?」


 俺は頷いた。

 あの、なんかめっちゃ身体がきびきび動く感覚ね。


「って、アレ錯覚なのか?」

「正確を期するならば、全知による身体操作の最適化が行われておる、というところじゃな」

「ははあ、そーゆーことか。つまり筋力や体力は上がってないわけか」


 パワーを引き出すとか与えるとかそっち系じゃないってことね」


「その通りじゃ。がっかりしたかの?」

「んなこたねーよ。最初っから助かってるよ」

「くふふ」

「なんだよ。急に笑って」

「そう素直に礼を言われるとくすぐったい気分じゃの」


 そうやって笑うムニスは大変愛らしい。


「特別じゃ。タクシの現在の才を数値化して示してやろうかの」

「お、ステータスってやつね」


__________

タクシ・ワタラセ


筋力 12

体力 10

器用 20

敏捷 17

知性 07

精神 90

魔力 01

幸運 99

__________


 うわー、貧弱貧弱ゥ。


「ちなみにコレ、最大値いくら?」

「人間だと100かそこらが限界じゃろ。にしても精神力と幸運値のみ飛び抜けておるの。やはりおぬしは面白いのう」


 えっ、俺の知性、低すぎでは……!?


「あのさあムニス。俺、魔王のとこに行こうと思ってたんだけどさあ」

「ふむ」

「今見せてもらった数値で魔王とやりあえる?」

「いいや」

「やっぱりステ不足かー」

「いや、そうではない。辿り着く前に死ぬの。絶対。確実に。間違いなく」


 ひょっ。股間が縮み上がったぜ。


「そっかー、死んじゃうかー」

「即死じゃの」


 くふ、とムニスは笑った。


「魔王の居城までは全知の我が案内できようがの。城内は敵がウヨウヨおる。それらをやり過ごすことができたとしても側近クラスに首チョンパされて終わりじゃなかろうか」


 首チョンパは嫌だなあ。


「首飛ばされて死ぬときってどんな視界なんだろうな?」

「我は全知ゆえ知っておるが、聞きたいか?」

「いいえ、結構です」


 しかし即死は困ったな。

 このまま大聖宮側の領域に留まるわけにはいかない。

 ヘタクソな絵だったが、手配書が出回ってる以上安心は全くできない。


「さて、どーしたもんかね」

「ひとまずは()()()()()()()()、じゃな」

「ムニス、意味わかって言ってる?」

「①弱者が強者に連れられて、本来なら倒すことのできない相手を倒し経験値を稼ぐこと。②無理目な格上の敵を裏技で倒して経験値を稼ぐこと。通常は①を指す」


 だいたい合ってるな。


「ムニス、この辺りに強者の当てでもあるのか? あ! 全知だから知ってるとか?」

「タクシは何を言うておるのかの。やるのは②のほうに決まっとるじゃろ」

「えっ?」

「んっ?」


 以下、次回! 修業回の予定!


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