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04「聖剣の実力と魔王の影(文字通り影)」


 このタイミングでワイバーンの群れとかどうなってんだ!?

 そんで大聖宮とやらの防御態勢はどうなってますか!?


「勇者よ! 今こそその力を示すのです!!」


 超他力本願じゃねーか!


 そもそも折れた聖剣(というか折った聖剣)でやれるのか?

 それともやれないのか? それが問題だ。やれー……ない! って言いてえー。


 そんな転生前の筋肉芸人ギャグはさておき、俺と聖剣はなんとなく意思疎通できてるみたいで、


 やれる?

 やるしかないのであろ?


 くらいの感じでわかり合えている。へし折ったことは気にしてない模様。

 大変大らかな聖剣(ヤツ)で誠にありがたい。


 そんならまあ、いっちょやってみっかあ!

 俺はへっぴり腰で聖剣を大上段に構えて、


「どうりゃあー!」


 と振り下ろした。


 振り下ろしたらどうなるかは、以下の3パターンを想定していた。

 その1、ビームが出てワイバーン全滅

 その2、 圧倒的剣速でワイバーン全滅

 その3、聖剣がなんか本気出して以下略


 とにかくワイバーンが全滅する予定であった。


 結果をお伝えしよう。

 ワイバーンの群れは全滅した。

 折れた聖剣の先に光の刀身が生成され、空間ごとワイバーンの群れを一発で切り裂いたのだ。


 大聖宮の壁ごと。

 それも縦にな。

 張り切りすぎだ、聖剣おまえ

 ちょっとやりすぎたの。てへ!

 てへ、じゃねえんだわ。叱られるの俺だぞ多分!


「勇者よ!」

「ワイバーンは一掃しましたよ!」


 と、俺はドヤ顔。

 褒めてくれていいんすよ! ほら!


「大聖宮の壁が!!」


 そっちかよ。


「補修すればいいっしょ。ワイバーンにやられるよかマシですって!」

「それはそうですが。では、地下から元勇者候補《犯罪者》を何人か連れてきて労役に充てなさい!」


 あんたの指示の方がワイバーンよりこええよ巫女長。

 と、俺がビビっていた時だった。


【なかなかやるではないか勇者よ】


 俺が(というか聖剣が)切り裂いた空から声がした。

 空が歪み、闇が広がり、そこに人型のシルエットが現れた。


「あの姿形は魔王!」


 シルエットクイズに強いな、巫女長。

 それにしてもはえーよ登場が。もう魔王かよ。

 ワイバーン倒しただけでラスボス顔見せすんのかよこの異世界は。


【どうだ? その力、余のために使わんか?】

「はいきたお約束」

【む?】

「待遇は? どの程度の地位と権力を確約できる?」


「勇者よ! あなた何を!」

「巫女長は黙ってて!」


【ふむ。魔王軍幹部の最高位を確約する。そうだな、領土としては人間の領域の半分までなら自由を赦そう】

「なるほど」


 ほんまかいな、と思いながら俺は頷いた。


【して、返事は】

「要らね。俺はのんびり生きていきたいんだ……よっ!」


 聖剣にもう一仕事してもらい、魔王の映像を吹っ飛ばしてもらった。

 シルエットだけにしても登場早すぎだと思うぞあの魔王。



 以下、次回! 魔王側の待遇より勇者側の待遇が良いことを期待しつつ!


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