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26「これからの俺の行動方針」


 怒涛の闘技会初日が終わり、俺とムニスはここ数日泊っている宿に帰った。

 食事も取らずに部屋に戻りベッドにダイブする。


「疲れた。見てるだけでこんなに疲れるとは思わなかった」

「目がついていっただけマシになっとるということじゃの」

「そうかもな」

「してタクシよ、明日の決勝勝ち抜き戦(トーナメント)はどうする?」


 そうそう。それなんだが、


「別に見なくていいかなと思って」

「ほう」


 ムニスは興味深そうに俺の顔を見た。


「ドラコノースの直剣が見れなかったのは残念だったけど体捌きとかは滅茶苦茶参考になった。見たいものは見れた」

「ふむ」

「強さにも色々あるってのもわかったしな。それより先にやるべきことも見えてきた」

「申してみよ」


 と、ムニスは楽しそう。俺が何を言うのか、もうわかってるんじゃないだろうか。


「魔王に会いに行く。討伐じゃなくてな」

「くふ。そう来たか」

「聖王宮は絶対話にならんけど、魔王は話くらいはできそうな気がするんだ。あいつらが何をどうしたいのかを確認しに行きたい。この街は隠れるにはちょうどいいのはいいけどな。長居するには胸糞悪い」


 闘技場の奴隷剣闘士のこととか。


「でまあ、西に行ってみようかと」

「我が主の決めたことじゃ。否やはないがの、果たして魔王に会えるかどうか」

「実力不足は道中の修行で埋めるさ」

「その意気や良し、じゃの」


 ムニスはうむうむ、と師匠ヅラで頷いた。


「だから明日の決勝は見ない。次にあの闘技場に行くのは俺が出る時か……いや、うん、その時だな」

「ここ数日で良い面魂(つらだましい)になってきたの」

「褒めてる?」

「無論じゃ。褒美に撫でてやろう。膝枕でも良いぞ」


 完全に子供扱いだな。

 まあいいか。精神年齢的にはまだまだガキっぽさが抜けん俺ではあるし。


「んじゃ、お言葉に甘えて膝枕で」

「うむ」


 ムニスがベッドの枕側に上がって準備する。


「よし来い」

「ほい」

「お疲れ様じゃの、我が主よ」


 柔らかい手に撫でられて俺はいつの間にか眠りに落ちていた。


 以下、次回! 断っておくが俺はロリコンではない。念のため。

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