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Episode 2【銃】の異能

今回から一人称です。

暗闇へと吸い込まれた私は、ある程度強制的に進まされてから、頑丈そうな扉の前へと立たされた。

立たされたというのは正確ではないかもしれないが、現状で私は立っているのだから、立っていると言ってもいいだろう。

制服のポケットから封筒を取り出そうとしてはみるものの、暗闇の中で封筒の中に入っている、コピー紙に記載されている文字を、正確に読み解けるほど、私の目は猫目ではない。

暗闇に目が慣れてきているわけでもないので、周りの様子すら正確に掴めない私の目に、暗闇で文字を読むという難題を行うことは出来ないと思われる。


『皆さん配置に着きましたね、これからバトルロワイアルの1st seasonが始まります。1st seasonでは3回戦行われます。皆さんは異能を使用したことがないと思いますので、一度練習時間を設けます。』

スピーカーから聞こえてくる合成音声は、もちろんシンクのような声で、しかも音が反射しているため何重にも連なって聞こえる。

しかし練習時間とは何なのだろうか・・・?


『これから5分間、自分の異能を試してください。どんな強い攻撃でも構いませんし、応用も試してくださって結構です。しかし5分後には正面の壁が開き、異能による戦闘をしてもらいます。』

なるほど・・・反響していて半分ほどしか聞き取れなかったのだが、ある程度は理解できた。

練習時間を設けてくれるのは、有難いというほかないだろう。

そして私は暗闇に射した一筋の光の先へ、進んでいった。


そこは縦5メートル、横10メートルほどの部屋だった、教室のように机と椅子が立ち並ぶ部屋には、不似合いの灰色の壁が周りを覆い、天井には蛍光灯ではなく普通のライトが取り付けられている。

ライトからの強烈な光から両目を守るために片手で目を覆い、封筒を取り出す。

微弱な量の弱々しい光が差し込む中、手の感覚だけでコピー紙を封筒から引き出す。


少しの光でも文章を読むことは出来る、そして私はコピー紙の文字を読んでいく。


――――――――――――――――――――


【銃】の異能


解説

銃を生み出すことができる。

弾は手動で変更できる。

人類史上最強の武器。


――――――――――――――――――――

【銃】の異能とは・・・?

私は銃には触れたことも関わったこともないのだが、銃というのは弾が勢いよく進んでいくあれの事だろうか・・・

しかし生み出すことができるというのは、どういうことなんだ?

しかし思考を続けている間にも、時は一刻一刻と進んで行く。


銃を生み出す。それにはいろいろな意味があると思う。

しかし、銃という物騒な武器を生み出す、というのには危機感しか感じないのだが、私はすでに生み出す方法を知っている。

何故だか理由を知ってはいないのだが、どうやって銃を出すか。それは既に理解していた。


私は【銃】が欲しい。と願った。

私は神を信じているわけでも、両親のように科学だけを信頼しているわけでもない。予想外というのは常に存在しているし、運が収縮し運がいい方向から悪い方向へ常に変化するわけでもない、常に尋常ではないほど運がいい人間もいる。


そして私の手には希望通り銃があった。

それはコルトパイソンと呼ばれる、銃の色が黒く、銃身が少し長い銃だった。

回転式拳銃リボルバーと呼ばれる銃は、回転弾倉シリンダーに鉛球が6発入っている銃だ。

銃は振出式スイングアウトでシリンダーを横に振りだすことで、球を取り出し再装填が可能な銃になっている。

私は人殺しにはなりたくないので、物騒な拳銃の鉛弾をシリンダーから取り出し、麻酔弾を掌に出現させ、弾の種類を切り換える。


私は、コルトパイソンを一発だけ試し撃ちをしてみることにした。

私はグリップを握り、ハンマーを引く。そしてハンマーを引くことでシリンダーが回転し、銃身に麻酔弾が込められる。


跳弾する危険性を考え、自分に当たらない位置を判断する。

マズルを動かし、フロントサイトとリアサイトで狙いを付ける。

グリップを両手で握り、反動による衝撃に備える。

両手の人差し指をトリガーに付け、肘を伸ばして肩を締める。

そして私はリボルバーの引き金を引いた。


パンッッという音が、空気を振動させる。

流石に火薬による硝煙の匂いはなかったが、麻酔弾を発射した瞬間、エジェクターロッドから薬莢が飛び出した。

麻酔弾は秒速約360m/sのスピードで銃身から飛び出した。

麻酔弾は一瞬のうちに灰色の壁にぶつかり、あわや跳弾するかと思われたものの、跳弾する前に麻酔弾は消滅した。


私は【銃】の異能という、この能力が物理現象を超越していることを確認した。

私は、ピピピピピピピと5分が経過したことを知らせる、スマホのストップウォッチ機能を止め、ゆっくりと左右に動いている壁を見ながら、向こう側にいる敵を確認する。

命がけのバトルなのだから、敵という表現は正しいはずだ。


ハンマーを下に引き、カチッという音を出したリボルバーを構え、敵に狙いを定める。


そして、私の生き残るための『バトル』が始まった・・・・・・かに見えた。


『第1戦目が始まる前に、ルール説明があります。これを無視し戦闘を開始し、異能を発動した場合。ルール違反として処分します。』

スピーカーから聞こえてくる声に驚き、引き金を引きかけたが、ギリギリのところで止まった。

私は情報を得るため、敵の顔と開ききった壁の向こう側を見る。

向こう側を見るのは、どんな異能を使っていたかを確認するためだったが、残念なことに、素人が適当に見てすぐにわかるような明確な判断材料はなかった。

シンクの言う処分するというのは、殺されて灰にさせられる事だろうと勝手に推測する。


『ルールはほぼありません。いくら強烈な戦闘を行おうが、相手を殺してしまっても構いません・・・ですが、勝ち負けについては説明しておこうと思います。』

敵の顔は何か熱狂的で、このバトルロワイアルに参加できたことを喜んでいるようだった。


『参った、降参、surrender等々、降参を意味する言葉を相手側に伝えた場合、相手側はそれ以上の攻撃を行うことを禁止します。そして死亡、気絶等による勝敗の判断はこちらでします。具体的には、数十秒間全く動かなくなった方が敗北です。相手が動かなくなった時点で、こちらの指示を待ってください。』

250戦もあるのに指示が的確にできるのだろうか、と勝手に想像するが多分大丈夫なんだろう。


『では1st season第1戦目、開始!』

スピーカーから、開始の始!という声が聞こえてきた瞬間、私は引き金に人差し指を当てた。


黒川瑞樹、バトルルーム『BATTLE,START』

次回第一戦目不死の異能

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