紅葉という女の子。
部活動二日目・・・・
和弥は授業が終わると、部活のために部室へ向かう。
部室の前に着くと和弥が上を見上げ、苦笑する。
「おいおい、なんだよ、この名前。」
和弥が見たのは、部活動の名前が書いてある表札だった。
「おーい」
和弥が扉を開け部屋に入るや否や、質問をした。
「何?あの名前」
部室には、紅葉しかおらず、紅葉が答える。
「さぁ。私も来てビックリしました。名前を決めたのは多分、白雪さんですから、白雪さんに聞かないとわたしもわかりません」
「そうか。紅葉他のみんなは?」
「まだ、来てないみたいです。」
和弥は近くの椅子に、座るとカバンからスマホを取り出しゲームを始めた。
「何してるんですか?」
紅葉が問うと、
「ゲームだよ、今、世界中で人気のRPGなんだけど、ハマってて。」
「へー。もしかして、マジック・クロニクル・ワールドですか?」
「知ってるの?」
「私も、やってますよ。」
「面白いよね。マジクロ」
-マジック・クロニクル・ワールド-
自分で魔法を作成したり、仲間と協力して、特大魔法を作成したりと、自由度の高い魔法ファンタジーである。通称マジクロ。
他にも、家を作ったり、ゲーム内で結婚できたりと、まるで、現実のようなこともできることから、全世界で、二億人もの人がプレイしているスマホゲームである。
「紅葉は、今レベルどんくらい?」
「私は、全然ですよー。」
そう言いながら、スマホを取り出す紅葉。
「俺は、この前やっと上級魔法が使えるようになったんだよね。」
「え?。上級魔法ですか?。」
「そそー、半年前にリリースされてから、ずっとやってて、やっとこの前ね。結構大変だったんだよ。」
和弥が自慢げに話していると、
「上級魔法なんて、リリースの三日後には私は覚えましたよ?」
「ん?三日前に覚えたんじゃなくて?」
「いえ、リリースの三日後です。」
「・・・・・・」
黙る和弥を見て、首をかしげる紅葉が、
「あっそうだ、私「もじみー」って名前でプレイしてるんですけど、今、中央広場に居るので一緒にクエストに行きませんか?」
「・・今、もじみーって言った?」
「はい。」
キョトンとしている紅葉に対し和弥が、
「もじみーって言ったら、マジクロの伝説のプレイヤーじゃないか!!」
「え?」
戸惑っている紅葉を横目に和弥が、熱弁を始めた。
「マジクロユーザー全二億人が、一度は聞いたことのあるプレイヤー。トップギルドが数十組で挑むクエストをたった一人でクリアしているという。しかもまだ、誰も見たことのない裏魔法を使えるなんて噂も。」
「もしかして、その「もじみー」ですか?・・」
恐る恐る聞く和弥に対し紅葉が、
「さあ?その、「もじみー」かは、分かりませんが裏魔法ならつかえますよ?」
「・・紅葉が、あの・・伝説の・・「もじみー」だと・・」