表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

一、誘い

「あぁ~死にて~。」

 毎日のように口にしてきた言葉を今日もまた発する僕は松場木マツバギ アザミ

 俗に言う陰キャというやつの典型的な例だ。体は細く運動は苦手で髪は癖毛、ファッションに興味もなく家から出るのは登校する時くらいなもので、唯一の救いと言えば眼鏡をかけていないことだろうか。

 中2でいじめのターゲットになったのを機に友人に逃げられ,彼女にまで捨てられ、人間不信・コミュ障・人見知りをわずらい現実を捨ててゲームとネットに溺れてはや3年。高校に入学して環境が一新してもその生活が変わることはなく、授業中以外は延々とスマホをもてあそび友達など無論おらず、クラスで完璧に孤立してた。

 だが、それを全く気にも止めず僕はただただ目標も生き甲斐もない堕落した人生を浪費していた。

 そんな状況は家に帰っても変わらない。家は何の変哲もない賃貸のアパート。3階建ての2階というなんとも言いがたいところだ。

 母は専業主婦。という名を借りた半ニート。買い物以外は滅多に家を出ずタブレットでゲームをしながらTVを見て一人で喋ってる。だから家に帰るといつも

 「アハハハハ、あっおかえり。」

 と、この調子だ。だが僕は母ともう何年も口をきいていない。いや正確には受験のときに“ここ受ける”くらいは言ったかもしれないが日常会話なんてものはない。

 おかえりの一言は虚空に吐き出され、居場所を失ったように無へと帰着する。それが我が家の日常だ。

 ――さて

 学校から帰った僕は自室に直行する。この世で唯一僕が安らげる場所、それが「ドアと窓を締め切って誰もいない」自室だ。

 さして広くもないし暖房も冷房もなく古いちぢれた絨毯じゅうたんに堅いベッドと、小1から変わらない学習机があるだけの居心地の悪い部屋。その居心地の悪さにはうんざりするが、誰もいない、誰にも何も言われない、誰のことも考えなくていいこの空間程落ち着ける場所もなかった。

――今日もJoutube見るか~

 そう思ってワイヤレスイヤホンを起動しながらベッドに寝転ぶ。

 「うっ……」

 頭がベッドのあまりの堅さを感じるが早いか。

 ――眠い……。異様なまでに唐突に、かつ猛烈に、それが何故かを考える間もなく眠りに吸い込まれていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ