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ミルフィーの冒険 3

 僕はミルフィー。かわいい黒猫だ。


 今はわけあって、銀河帝国の皇帝、アンソニー・ウェル・サザーランドの寝室で飼われている。


 アンソニーは最新の就寝ベッドで寝ている。ベッドの周りには様々な機器が備え付けられ、その機器から管が伸び、アンソニーの体に結合されていた。


 アンソニーの体は生身ではない。全身機械。サイボーグなのだ。うなじには電脳用プラグ接続部があり、そこを経由して、アンソニーの自我はネットに流れる。そして、ネット上の仮想世界を旅する。


 電脳化された脳に直接電気信号を送ることにより、仮想世界をリアルに体験できた。


 その仮想世界はもう一つの世界。もう一つの現実。もう一つの幻想。みな、本当の現実から逃れて、楽な世界に逃避する。


 アンソニーが目覚めた。


「おはようございます」


 機器の一つが喋った。


「おはよう」


「今回の仮想世界は満足されましたか」


「いや、ダメだ。僕は仮想世界上で平穏を得たいだけなのに、また核戦争が起きて、仮想世界が消滅してしまった」


「別のプログラムを書き換えましょうか」


「頼むよ」


 アンソニーは結合部を外して、豪奢な帝国軍服に着替えた。


「やあ、ミルフィー、元気だったかい」


 アンソニーが僕を抱き上げる。うん。元気だったよ。


「これから軍事指令室に行こう。みんなが待っている」


 アンソニーの部屋は銀河帝国軍宇宙艦隊本艦、アウグストゥスの中にあった。


 現在、銀河帝国は解放軍と名乗る反帝国組織と内戦状態に陥っていた。戦況は激化。帝国宇宙領の国民はいつ終わるかわからない戦いに疲弊していた。


 アンソニーは僕を抱いて、本艦内にある軍事指令室におもむく。すでに多くの軍人がいた。軍事会議を開始。喧々諤々。今後の軍事作戦はいっこうに決まらない。こんな軍人たちが帝国を操っているのだから、解放軍に痛いようにやられても仕方ないな。


 長い会議を終えて、アンソニーは僕を抱えて、自室に戻ろうと廊下を歩いていた。


「ミルフィー、神様っているのかな」


 いるよ。気まぐれ屋だけど。


「僕は平和な世界を作りたいんだ」


 同感だよ。でも、平和な世界を作れたためしがない。


 そんな時にアウグストゥスが大きく揺れた。


「反乱軍の奇襲攻撃発生」


 艦内に警告放送が響く。アンソニーは再び軍事指令室に戻っていった。


 アンソニーは健闘した。しかし、アウグストゥスは炎上し、宇宙の藻屑になろうとしていた。


 この世界もダメか。僕はアンソニーから離れた。そして、誰もいない廊下で、僕は念じた。すると、猫が通れるほどのゲートが現れた。これを通って、また別の仮想世界に行こう。


 僕はプログラム。仮想世界を行き来できる。。


 さて、次はどこに行こうかな、仮想世界は広大だし。


 次は君たちの世界に行こう。そうしよう。


 だって、君たちが住む世界も、誰かが作った仮想世界なんでしょう?



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