表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/48

第44話:これで終わりと思ったか? 残念、あともうちょっとだけ続きます


 ―― 『油断しちゃだめですよ』――


「ああ、わかってる」


 先の一振りはまさしく必殺の一撃であり、手応えからして間違いなくとどめはさせたと思っている。

 だがミアが忠告する様に、このまま油断する様な愚行は起こさない。

 俺は暁の死を確認すべく前に出た。

 周囲では今までの静寂が暁のテレキネシス能力の影響が消えた事で再び戦場の騒音が戻ってくる。

 俺は慎重に歩を進めた。

 だがこの時、俺はある可能性を失念していた。それは……。


「!?」


 突如俺は空間の異様な流れを感じ取り、後方に跳ぶ。

 同時に視界に割り込んだのは黒い影。

 それは逃げる俺を追う様に方向を変え迫ってきた。


 ――速い!


 俺は咄嗟に腕を振り上げ、瞬間腕を襲った衝撃と火花に顔を顰める。

 俺は何者かに斬りつけられた。

 影はそのまま俺の横をすり抜け後方へ。

 俺はその影から十分に距離を取る形で着地し、影の抜けた方へと向いた。

 すると数メートル離れた場所に見知らぬ女性の姿が。

 それは黒と白を基調としたドレスに黒鋼の鎧を着込んだ女性。右手には長刀、背中には女性が扱うには巨大すぎる西洋剣が挿してある。

 そしてドレスの右腕部分はがらんどうで布生地のみが風に揺れて空虚を舞っていた。

 片腕の女剣士……。


「なんだ、おま――――っ!?」


 言葉は最後まで口に出せなかった。

 突如現れた乱入者は一人だけではなかったのだ。

 躱せたのは第六感による賜物。

 俺は首筋を掠めた熱源に背筋を凍らせる。

 同時に吹き抜けた熱風によって地面を転がされた。

 視線を上げた時、対峙する相手が男だと知る。

 黒鋼で軽装な鎧に身を固め、両手に脇差しと言われる分類の日本刀を二刀持ち、さらに二刀を腰に括りつけた青年。


「何なんだ!? お前らは……」


 暁の仲間? そんな考えが一瞬頭をよぎるも、それは違うと直ぐに知った。

 男は名乗りを上げる。


「俺達は【聖なる鎖(ホーリーチェイン)】の騎士隊に所属する【主人公(ヒーロー)】。名は――如月玄(ひさらぎくろ)

「同じく【聖なる鎖(ホーリーチェイン)】――如月謳歌(きさらぎおうか)


 続けて彼女もそう名乗った。


「【聖なる鎖(ホーリーチェイン)】だと……!?」


 ここにきて本当の【主人公(ヒーロー)】の登場に俺は困惑する。そして何より――


「そんな奴らが一体何で……っ!?」


 俺が失念していたというのは正しくこれ。

 いくら暁が裏で悪と手を組み謀略を働いていようと、今は表向き街を守る為に戦う【主人公(ヒーロー)】。

 ならばその【主人公(ヒーロー)】を葬ろうとする今の俺は、それを目撃した者にどう映っるのか。

 それは火を見るよりも明らかで……。


「お前が今吹き飛ばした人はな、俺らの先輩なんだよ」


 暁は過去に【聖なる鎖(ホーリーチェイン)】の【主人公(ヒーロー)】であったという事実が存在する。対して俺は……。


「お前、何だ?」


 昨日今日覚醒したばかりの俺を知る者など誰も居ない。そもそも……。


「お前、街がこんな状況だって時に何してんだ? アァッ!?」


 男は双剣を構える。


「ま、待て!」


 俺は何か弁解の言葉を口にしようとするも――


「玄、時間がない。こんな奴とっとと片付けて他に行こう!」


 やたら好戦的な女騎士がそう言って長刀を振り上げて襲いかかる。


「ーーーーっ」


 直後ーー代わりに周囲に拡散したのは剣戟の響きだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ