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スラムレーシング後篇

【クライマックスシーン0:スラムレーシング開催当日】


RL:お待たせしました。   

   では、いよいよスラムレーシングが始まります。


凱:何か、レース開催前夜から朝までがすごく長かった気がするぜ!!

  具体的には1週間くらいな。


りん子:リプレイだとわずか数行だけどね。


つみれ:書く時はプレイする時の何倍もかかるのにね〜。


銃:・・・(ソリッドファントムの手入れに余念がない)


RL:というわけで始めるけど、準備はいいかな?

   経験点の消費もないから、特に準備することもないだろうけど。


一同:お願いします!!


RL:まず最初に、今回、敵対的に神業を使う可能性のあるゲストについて説明しておきます。

   「グレーター殺サス」「“帝王”カーシム」「クセルクス」「アルフレーシング」「主催者」「“野豚の”カール」の6ゲストになります。

   神業の内容までは公開しませんが。


凱:つまり、厳しいレースだということなんだな!?


RL:それは、「スラムレーシング」ですから。


つみれ:そっか〜。


RL:では、今回のクライマックスシーンについて説明しておきます。

   ちょっと特殊なシーン構成なので。


凱:ん?

  クライマックスシーンは1シーンじゃねえのか?


RL:はい。

   今回のレースはN◎VAを1周半するわけですが、スラムのモーターコロシアムをスタートしてスラムを駆け抜け、N◎VA市街をぐるりと回って、ゴールであるモーターコロシアムに戻ってくる感じになっています。

   当然、レース参加者以外の人たちはモーターコロシアムにいて、超大型スクリーンでレースの状況を観戦するわけです。

   なので、ハイライトシーンとしてスクリーンに映し出される場面がそのままシーンになっています。

   ですから、今回は、クライマックスシーンをレースの進行にあわせて、いくつかのカットシーンに分けました。

   全部で4つですが、

    (1)スラムレーシング開催直前

    (2)レース開始直後

    (3)デッドヒート

    (4)ゴール直前

   になります。


りん子:どういうこと?


RL:スラムレーシングは、N◎VAを1周半するレースですから、それぞれの場面をハイライトシーンとしてやるわけです。

   「(1)スラムレーシング開催直前」のシーンは、レースが始まる直前の状況で、それぞれのチームの売り込みなどができるシーンです。また、最後に金を賭けることができるシーンでもあります。

   「(2)レース開始直後」のシーンは、レースが始まって少ししたころの概ねの順位確定の場面になります。多分、先頭グループ、中間グループ、それ以外になるんじゃないかと思います。

   「(3)デッドヒート」は、中盤から終盤にかけて勝負が動く場面。

   「(4)ゴール直前」は、そのとおりレースの最後の場面です。

   それぞれのシーンは、カメラが回っていて、基本的にモーターコロシアムの超巨大スクリーンに映し出されていると考えてもらって構いません。


凱:なるほどな。


つみれ:神業は使えるの?


RL:神業の内容と状況次第ですね。


つみれ:わかった〜。


RL:そういえば、銃は、「グレーター殺サス」を狙撃するということですが、どの場面でやるつもりですか?

   前に説明したとおり、混戦状態の時なら、狙いにくい代わりに大会主催者にバレにくい。

   バラけている時なら、狙いやすい代わりに大会主催者にモロバレですね。


銃:でも、《とどめの一撃》なら狙いやすさは関係ないんだよね?


RL:関係ありません。


銃:じゃあ、モーターコロシアムで。

  スタートのところとゴールのところが同じ場所だから。


RL:わかりました。

   では、始めます。

   ということで、舞台裏はなし。しません。

   やることもないだろうし。


凱:ちょおっと待ったぁ!!


RL:何ですか?


凱:俺のクワドリガに音響設備をつけたかったんだが・・・。


RL:ああ。まあ、そのくらいならホムラがやってくれますよ。


凱:よっしゃ!!


つみれ:こだわるのそこなんだ・・・。


RL:では、スラムレーシング本番始めるよ〜。




【クライマックスシーン1:スラムレーシング開催直前】


RL:いよいよ、スラムレーシングが始まります。

   このモーターコロシアムに各チームのレーサーがそれぞれのマシンとともに続々と入場していきます。

   バイクとライダー、そして、それを支えるスタッフがモーターコロシアムの観客に囲まれるような状態です。

   そして、微調整を終えたチームレーサーからスタート地点に並んで行きますね。

   まず、最初に“帝王”カーシム。頭にターバンを巻いているアラブ系のいい男です。


つみれ:ターバン?


RL:そうです。

   もちろん、レースの時はヘルメットを被りますよ。

   年齢は、180?くらいでスラリとした30代後半の男性です。

   黄色い声が聞こえます。女性ファンも多いですね。


りん子:カメラで撮っておくよ〜。

    パシャッ!!パシャッ!!


RL:次がグレーター殺サス。

   グレーター殺サスも身長は180?くらいあります。スキンヘッドの20代前半くらい長身の男です。ゴテゴテと悪趣味に飾り立てられた黒のレザースーツに身を包んでいます。

   バイク自体はレーサー系ですね。


銃:・・・(殺殺殺殺殺殺)。


りん子:一応、撮っておくよ・・・。

    ぱしゃぱしゃ。


凱:やる気ねーなー。


りん子:だって〜。


RL:次は“グレイファントム”ことクセルクスです。

   黒色のレーサースーツに身を包んで、黒色のフルフェイスを被っています。


つみれ:頑張って〜。


りん子:写真を撮るよ!!

    パシャッ!!パシャッ!!

    グレイファントムさ〜ん!!こっち!!こっち!!


RL:グレイファントムは、あなた方に向かってサムズアップします。


りん子:頑張れ〜!!


RL:さて、“野豚の”カールは、先ほど説明したとおりです。

   マシンの方は、「え?これバイク?」というぐらいの大きさです。タイヤとかバカみたいに太いし。

   ちなみにノーヘルです。

   もちろん、最後尾に位置しています。


凱:最後尾?


RL:もちろん。

   この特等席から、追い上げつつ、相手に好きなだけ暴れるわけです。


つみれ:ひえ〜。怖いね〜。


りん子:撮るよ〜。

    パシャッ!!パシャッ!!


RL:で、そんな中にザコ田ザコ夫になりすました凱がいるわけですが。


凱:おう。

  俺もメロディちゃんの曲を大音量で流しながら登場するぜ!!


つみれ:キャー、凱サン、カッコイー。


りん子:キャー、ダモン、カッコイー。

    違った、ザコ田ザコ夫さんだった。


RL:さて、ここでもう一度、それぞれのスタート位置を確認しておきます。

   先頭が、“帝王”カーシム。

   次が、グレーター殺サス。

   3番手が、“グレイファントム”クセルクス。

   その後にその他大勢のレーサー。

   最後尾が、“野豚の”カールと“ザコ田ザコ夫”こと凱。


凱:そう言えば、ここでも賭けられるのか?


RL:賭けられますよ。


凱:じゃあ、グレイファントムに残りのシルバー3枚を賭けるぜ。

  あれ?そう言えば、俺はレースに出るんだが、賭け自体は大丈夫なのか?


RL:ザコ田ザコ夫さんとして出るんだから問題ないでしょ。


凱:なるほど。

  それぞれの倍率はどうなってんだ?


RL:予選の時の活躍ぶりも加味されてそれぞれの倍率が決まっていますよ。

   えーと、

       “帝王”カーシム・・・2.5倍

       グレーター殺サス・・・3.5倍

       “グレイファントム”クセルクス・・・4.0倍

       “野豚の”カール・・・0倍

   ですね。

   クセルクスは、予選の時は10倍がついていましたが、人気が上がって倍率は下がりました。


つみれ:“野豚の”カールさんが0倍って、どういうこと?


RL:あの人は完走したことありませんから。


つみれ:なるほど〜。


凱:あれ?俺は?


RL:賭けの対象外です。

   そもそも完走すること自体できないし、その気もないでしょ?

   それに、このレースの優勝候補たちは、神業を使うわけです。

   少なくともカゼの神業《脱出エクソダス》を。

   《脱出》で先頭に追いついたり、引き離したりするわけですよ?

   凱にはムリでしょ?


凱:まあ、ムリだな。

  ところで、“野豚の”カールが暴れながら追い上げる時、グレイファントムも巻き込まれたりするのか?


RL:当然、その可能性はあります。

   ですから、そういう時に《脱出》を使ったりするんです。


一同:なるほど〜。


RL:ただ、もし、レース中に神業を使い切ってしまうと、最後のデッドヒートの時には、神業を残している他のゲストの相手にはならないでしょうね。


凱:最後のデッドヒートの時にグレイファントムのところにいた方がいいな・・・。


RL:どうするつもりなんですか?


凱:確か、スタート地点とゴール地点は同じなんだな?


RL:そうです。同じですね。


凱:そうか・・・。

  フフフ・・・「俺に秘策あり!!」だぜ!?


RL:へー。


りん子:どんな〜?


凱:フッ。聞きたいか?

  だが、まだ言わないぜ!!


つみれ:つまんな〜い。


りん子:きっと考えてないんだね。


凱:やかましい!!考えてるわ!!


RL:えーと、誰か何かやりたいことはありますか?


りん子:はいは〜い。

    えーと、グレイファントムさんの取材をしたい〜。

    近くにいるお客さんにインタビューする〜。


RL:わかりました。

   では、近くにいる観客に取材をどうぞ。


りん子:は〜い!!

    こども新聞の天見りん子で〜す。

    こちら、スラムレーシング会場に来ています!!

    すごい盛り上がりですね〜。

    えーと、グレイファントムさんをどう思いますか?

    すごく調子良さそうですよね!?

    優勝しそうですよね!?


RL:すごい誘導的な報道だね・・・。


つみれ:ホラ、特ダネは自分で作るものだからじゃない?


りん子:そんなことないよ!!

    きっと、この人もグレイファントムさんを応援している人だよ!!


RL:まあ、じゃあ、そういう具合に上手く話をさせることができるか、〈心理〉で判定して下さい。

   達成値に応じていいコメントを引き出せるということで。


りん子:グレイファントムさん、優勝しそうですよね!?



   りん子〈心理〉判定。―達成値21。



RL:おお!!


観客:そうだね〜。

   やっぱり優勝はグレイファントムに決まりだね!!

   調子良さそうだし!!


RL:ということで、りん子は観客から最高のコメントを引き出せました。


りん子:やったね!!

    これで特ダネにまた近づいたね!!


凱:まあ、優勝しないとダメなんだが・・・。

  実際のところ、グレイファントムが優勝するには、障害が多すぎるな・・・。

  レースに出ているのは俺だけだしなあ。


つみれ:“野豚の”カールさん、何とかした方がいいかな〜。


りん子:何とかって?


つみれ:RL、“野豚の”カールさんのところへ行きたいんだけど〜。

    スタート地点にいるようだけど、行っても大丈夫?


RL:大丈夫ですよ。


つみれ:じゃあ、カールさんのところへ行こうっと。


RL:わかりました。

   ところで、つみれの格好は何ですか?


つみれ:昨日作っていた天使のコスチュームだよ〜。

    頭に輪っかがあるの。

    かわいいよね〜。


RL:天使!?

   まあ、すごく目立ってはいますよ。


つみれ:じゃあ、目を引くようにカールさんの方に近づいていく〜。


RL:“野豚の”カールはバカみたいに大きなバイクにまたがって、周りには金髪の女性を何人も侍らせていますよ。


つみれ:ねえ、カールさ〜ん。


カール:なんじゃ、お前もワシのハーレムに入りたいのか!?


RL:そう言うと、“野豚の”カールは持っていたモーニングスターでつみれを絡め取ってバイクの上に引き上げます。


つみれ:わ〜。すご〜い!!

    っていうか、大丈夫!?


RL:というわけで、つみれは望みどおり、“野豚の”カールのすぐ近くまで来ましたが、どうしますか?


つみれ:こんにちは〜。

    えーとね、カールさん?

    私のお友達のグレイファントムさんっていう人がレースに出てるんだけど、戦うのはやめてもらいたいな〜。


カール:何だと?

    何でそんなことしなきゃならないんだ!?


RL:つみれのやりたいことはわかりました。

   でも、“野豚の”カールにそれを頼むのは、交渉だと難しいですね。

   この人は暴れたくてレースに出ているわけですから。


つみれ:《プリーズ!》は?


RL:神業の《プリーズ!》・・・何をお願いするかにもよりますが、まあ、あまり無茶なお願いじゃなければ可能でしょう。


つみれ:じゃあ、《プリーズ!》を使うよ〜。



   つみれが神業《プリーズ!》を使用。



つみれ:ねえ、カールさん。

    私の友達のグレイファントムさんと戦うのはやめて欲しいの。

    それに暴れるのはゴール前までとっておいたらどう?

    ゴール前で暴れた方がカッコいいし、盛り上がるよ!?


カール:・・・ゴール前でか。

    わかったぜ。

    そっちの方がおもしろそうだ!!


RL:というわけで、“野豚の”カールはつみれの「お願い」を聞き入れました。


つみれ:やった〜。

    カールさん、ステキ〜。


りん子:つみれちゃん、ナイスだよ〜。


つみれ:あ、そうだ。RL?


RL:何ですか?


つみれ:凱のヘルメットにイヤホンマイクつけておいていいかな?

    トランシーバー。


RL:ああ。通信用のやつですね。

   いいでしょう。そのくらいなら、ホムラがすぐにつけてくれますから。


つみれ:声が届けば私の神業《ファイト!》も使える?


RL:使えますよ。

   通信用イヤホンマイクがあれば、会場のモニターに映っていなくても、凱の様子がわかりますし。

   で、銃の方なんですが・・・。


銃:はい。


RL:銃は狙撃ポイントに向かっています。

   さっきの廃ビルですね。


銃:向かいます。


RL:ところが、廃ビルに入ることができません。


銃:え?どうして?


RL:廃ビルの周りにテレビ局のスタッフがたくさんいます。

   ですから、とても入ることができません。


銃:・・・。


RL:まあ、説明すると、ゲストの誰かの《買収(M&A)》の効果が発動して、この廃ビルが買収されたってことですね。

   それで入れない。


銃:うーん・・・。


RL:ところで、銃。

   〈知覚〉判定を。


銃:何かあるんだね?



   銃〈知覚〉判定。―成功。



RL:では、これは、銃のスナイパー感覚でわかるのですが、このエリアには、自分以外にスナイパーがいます。


銃:あ、さっきの・・・。

  じゃあ、テレビ局の人たちがスナイパーを守っているってこと?

  レースに出ている誰かを狙っているのかもしれないってこと?


RL:どうでしょう?

   そうかも。


りん子:まさか、グレイファントムが・・・。


凱:それはマズイな・・・。


RL:いない人は黙っていて下さい。

   銃、どうしますか?


銃:・・・別の狙撃ポイントを探すよ。

  そのスナイパーも見えるところ。


RL:わかりました。

   では、もう一度〈知覚〉判定を。


銃:これは、失敗できないね・・・。



   銃〈知覚〉判定。―成功。



RL:では、銃は、別の狙撃ポイントを発見することができました。


銃:・・・良かった。


RL:銃が、新たな狙撃ポイントを発見したところで、このシーンは終了です。

   もちろん、舞台裏はありません。




【クライマックスシーン2:レース開始直後】


RL:じゃあ、いよいよスタートだね。

   大会主催者の合図と同時に一斉にバイクがスタートを切ります!!


凱:俺はやるぜぇ〜!!


りん子:あ、RL、私はずっとカメラ回しておくからね!!

    いつ、何があっても特ダネを取れるように!!


RL:はい、わかりました。

   では、レースのスタートと同時に“帝王”カール、グレーター殺サス、“グレイファントム”クセルクスが集団から飛び出します。


つみれ:がんばれ〜。


RL:で、“野豚の”カールも飛び出します。


つみれ:あれ?


凱:おいおい、話が違うんじゃないか?


RL:違いませんよ。

   “野豚の”カールは挨拶代わりのスタートダッシュで、取りあえず通り道にいるザコを蹴散らします。


つみれ:《プリーズ!》は〜?


RL:“野豚の”カールは待てないんです。グレイファントムもそばにはいませんしね。


つみれ:え〜?


凱:まあ、俺は、“野豚の”カールよりも後ろにいるから大丈夫だな。


RL:何言ってるんですか?

   “野豚の”カールは最後尾です。

   凱の方が前。


凱:俺も蹴散らされる側!?


RL:というわけで、通り道の凱は〈操縦:地上車両〉の判定を。


凱:そんなもんないわ!!


RL:え?ない?

   ああ、バイク乗れないのにレースに出た、と。


凱:って、わかってるだろ!?

  ・・・もし、避けられないと?


RL:もちろん、轢かれますよ。

   轢かれてみる?大変なことになりそうだけど。

   轢かれても、凱なら神業《黄泉還り(フェニックス)》があるから問題ないでしょ。


凱:いや、問題はある。問題はあるぜ?


RL:じゃあ、〈回避〉判定を。

   代用判定ですから、達成値は上がりますよ。


凱:なんじゃそりゃあ!!

  こうなりゃ根性じゃあ!!



  凱〈回避〉判定。―達成値21。



RL:へー。

   まだいいカード持っているんじゃないですか?

   じゃあ、凱は“野豚の”カールの挨拶代わりの突進を避けることができました。

   あわれな参加者のみなさんが“野豚の”カールのバイクの下敷きになってリタイアですね。


凱:くそったれがぁ!!

  俺を轢こうとしたこと後悔させてやる。

  通り過ぎざまに一発喰らわせてやるぜ!!


RL:あ、そういうことする?


つみれ:え!?ちょっと!?


りん子:ダモン、何やってんの!?


凱:コケにされて黙ってられるかってんだ。

  やるぜぇ!!

  ・・・と、言っても挨拶代わりだけどな!?


RL:じゃあ、《白兵》で判定をどうぞ。



  凱《白兵》判定。―達成値17。



RL:へー。挨拶代わりというわりには、なかなかですね。

   ・・・しかし!!



  カール《回避》判定。―達成値17。



RL:凄い勢いで凱の拳が迫りますが、カールは身をかわします。

   ここで、喰らうわけにはいきませんからね。


凱:まあ、そりゃあそうだな。


RL:しかし、カールは、凱の方に凄みのある笑いを浮かべて一瞥します。

   今の一撃で、顔を覚えられたかもしれませんね。

   フルフェイスヘルメットを被っていますけど。


つみれ:ふぅ・・・。


RL:でも、まあ、凱はカールと拳を交えたので、カールのスタイルがわかります。

   ペルソナは、◎アラシ●カタナですね。


凱:なかなか手強そうだな・・・。


RL:でもまあ、カールはつみれからの「お願い」もありますから、スタートダッシュをした後は抑え気味に走っています。

   ですから、この時点で先頭集団のグレイファントム以下は、カールの突進に巻き込まれることもありませんね。


つみれ:良かった〜。


RL:というわけで、概ねの順位が確定する集団ができましたね。

   先頭集団に、“帝王”カーシム、グレーター殺サス、“グレイファントム”クセルクス。

   ちなみにグレーター殺サスは、手下のレーサーたちを集団で従えて走っていますので、先頭集団は3人と殺サスメンバーで構成されています。

   やや離れた真ん中の集団として、カールの突進を逃れた他のレーサーたち。

   最後尾に、カール、ザコ田ザコ夫こと凱とその他のレーサーたち。

   なお、カールは、一番最後に陣取ったままで、いつでも前を轢き殺す準備ができています。


つみれ:こわ〜。


実況:今大会は、カール選手が静かですね〜。

   どうしたんでしょう?


りん子:あ、いつもと展開が違うんだ?


RL:はい。

   だって、いつもはカールがバカみたいに暴れてメチャクチャですから。

   カールに轢き殺されたくなくて必死に走るんですけど、今回はカールが静かですから、全体的にレースがスローペースなんですよ。

   先頭集団は別ですけど。


つみれ:なるほど〜。


凱:まあ、俺は、このまま先頭集団が1周してくるのを待つんだけどな。

  止まっててもいいくらいだぜ!?


りん子:え?

    ダモンの「秘策」ってそれ?


凱:フ、フハハハハッ!!

  俺の秘策にやっと気付いたか!?


りん子:イヤ、そういうレベルじゃないし。


つみれ:秘策っていうほどじゃないよね〜。

    っていうか、愚策?


凱:なん・・・だと!?


RL:まあ当たり前ですけど、そんなこと大会実行委員が許すわけありませんよね。

   そもそも予選じゃなくて、決勝ですし。レースなんで。


実行委員:ザコ田ザコ夫選手!!

     やる気がないなら失格にしますよ!?

     もっとスピードを上げて!!


凱:イヤ、ちょっ!!

  俺は一生懸命走ってるぜ!?


実行委員会:何でもいいから、きちんと走って、走って!!


RL:というわけで凱は〈操縦:地上車両〉を。達成値は10でいいですよ!?


凱:〈操縦〉なんて持ってないわ!!


RL:知りません。


凱:俺は必死に走ってるぜ!?

  ちょっとマシンの方が重くてよ?

  見逃してくれよ?な?

  金を握らせてでも。〈交渉〉で。

  あ、金はもうなかった。


りん子:うわ、カッコわる〜。


つみれ:泣き落としだね・・・。


RL:じゃあ、〈運動〉判定でもいいですよ。

   代用だから、達成値は15ね。


凱:イヤ、マジで、マシンの、調子が。


RL:できなければ、失格になる可能性が高いですけど。


凱:仕方ねぇ。

  ・・・ここでハートは使いたくなかったが・・・。

  っていうか、俺がバイクを担いで走った方が速いんじゃ!?



  凱〈運動〉判定。―成功。



RL:やればできるじゃないですか。


りん子:やれば出来る子なんだね!?


つみれ:がんばれ〜。


凱:まあ、バイクで走っちゃいないけどな!!

  くそ、レースに最後まで残るだけでも大仕事だな・・・。


RL:まあ、残ってないと話になりませんからね。


凱:でもまあ、これでしばらくは大丈夫だろう。


RL:ところで、今度は銃の方ですが。


銃:はい。


RL:銃が新しい狙撃ポイントを見つけてそこにいます。

   そこからは、会場が見えて狙えますよ。


銃:さっきの廃ビルの方も見える?


RL:見えますね。

   銃、〈知覚〉判定を。



   銃〈知覚〉判定。―成功。



RL:じゃあ、銃は、あのテレビ局が占拠している廃ビルにスナイパーがいるのが見えます。

   ちょうど銃が狙撃しようとしていた場所ですね。


銃:誰か狙っているのかな・・・。

  スナイパーを狙って撃てるかな?


RL:撃てますけど、一撃で殺さなければ、銃の方も反撃はされますね。


銃:よし、スナイパーに《とどめの一撃》を。


RL:カブトワリの神業《とどめの一撃》を使うんですね。どうぞ。


銃:・・・死ね。



   銃の神業《とどめの一撃》使用。



RL:では、銃の《とどめの一撃》で、廃ビルのスナイパーは倒れます。

   死亡しました。


銃:よし!!


RL:・・・すると、モーターコロシアムのスタジアムの巨大スクリーンに銃の姿が映し出されます!!


銃:え!?


RL:ゲストの誰かが使用した神業《曝露エクスポーズ》の効果です。

   今のところ、銃の姿と言っても顔の辺りは隠れていて、りん子たちが見れば「あれ?山崎銃じゃない?」という程度にしかわかりません。


銃:良かった・・・。


RL:今のところ、です。

   おそらく時間が経つにつれ、銃の姿がはっきりと映し出されることになります。

   具体的には、このまま特に何も手が打たれないまま、アクト終了まで行くと、山崎銃は「抹殺」されます。


銃:「抹殺」!?

  ってマズイの!?


RL:社会的な死ですからね。マズイですよね。


銃:どうすればいいのかな!?


RL:と言っても銃にはここではどうすることもできませんね。


つみれ:うわ〜、大変だね・・・。


RL:まあ、とりあえず、このシーンはここで終了です。




【クライマックスシーン3:デッドヒート】


RL:では、スラムレーシングもいよいよ佳境。デッドヒートの場面です。

   現在の順位は、先頭が“帝王”カーシム、続いてグレーター殺サスとその配下集団、それに阻まれて“グレイファントム”クセルクスとなっています。

   グレーター殺サスの配下はフォーメーションを組んでいるので、さすがのグレイファントムも簡単には抜くことができません。


りん子:フォーメーションってズルくない!?


RL:別にルール上では特に問題にはなりません。

   やり方はまあ、きれいとは言えませんが。


つみれ:でも先頭は“帝王”の人なんだ。


RL:そうですね。

   さすがに前回の優勝者ですからね。


りん子:グレイファントムさん、大丈夫かな〜?


凱:そろそろ先頭集団が俺たちのところに来るのか?


RL:では、そろそろ、もう1回判定してもらいましょうか?

   凱、〈操縦:地上車両〉・・・はなかったんですね。

   最後の〈運動〉判定を。達成値16で。


凱:なにぃ!?

  何か難しくなってるじゃねぇか!?


RL:そりゃあ、佳境ですから。

   できなければ・・・。


実行委員:あーキミキミ。

     先頭集団が来たら邪魔になるじゃないか。

     これ以上遅いと棄権してもらうよ!?


凱:イヤ、あのカールってヤツは?


実行委員:あの人はいいんですよ。


凱:いいのかよ!?


RL:カールはヤバイですからね。


つみれ:わかる〜。


RL:さぁ、凱、判定するか、棄権するか。

   早く選んで。


凱:・・・。

  正直、そんなに手札の中にハートはねえ。

  仕方ねえな・・・。

  最後の切り札だったが・・・。



  凱〈運動〉判定。ジョーカー。―達成値21。



RL:おやおや。

   まだ抱え込んでいたんですね?


凱:最後の奥の手として取っておいたが・・・。

  まあ、グレイファントムたちが来るまで残ってなきゃ意味がねえ!!


RL:そりゃそうですね。

   では、凱は大会実行員にせかされましたが、何とかクワドリガを力づくで操り、そのまま走り続けることができます。

   ・・・が。


カール:だぁー!!

    もう、我慢できん!!


一同:!?


RL:あまりのスローペースに、カールのストレスが最大になり、ここに来て堪忍袋の尾が切れ・・・。


つみれ:え!?

    《プリーズ!》は・・・?


RL:カールは、もう我慢できませんね。

   まあ、一応、制御判定をしてみますか。



   カール〈理性〉制御判定。―失敗。



RL:あ〜、じゃあ、しょうがないですね?


つみれ:ちょっ!!カールさん!?


りん子:しょうがなくないよ!?


カール:もうやめだ!!やめ!!

    我慢できんわ!!


RL:ここに来てカールは暴れだそうとします。


凱:俺は、カールの近くにいるんだよな!?


RL:いますよ。


凱:じゃあ、カールに話しかけるか。

  できれば鎮めたい。


RL:どうぞ。


凱:おい、アンタ。

  どうせ暴れるならゴール前で、とか言ってたんじゃねぇのか!?


カール:何だ?お前は!?


凱:俺か!?

  俺は、「ザコ田ザコ夫」・・・じゃねえ。

  河渡組の桜田門凱ってンだ!!

  ワケあって、このレースに参加してんだが。

  まあ、お楽しみはゴール前まで取っておこうじゃねぇか。

  そっちの方が面白ぇだろ!?


RL:・・・その途端、“野豚の”カールがバイクを止めます。


一同:!?


RL:“野豚の”カールの雰囲気が一変しています。

   目つきがヤバくなってます。

   いわゆる本気モード。

   どうやら、触れてはいけないところに触れたようです。


凱:なにぃ!?

  名乗ったのがマズかったのか!?


RL:そのようですね。


凱:・・・まあ、そういう流れになるとは思わなかったが・・・。


RL:いずれにしても手遅れですね。

   話を聞く雰囲気じゃありません。


凱:仕方ねえ・・・。

  どうせやらなきゃいけねえ相手だ。

  マーダー・インクの幹部だしな。


つみれ:ちょっ!?

    凱!!何言ってるの!?


RL:どうしますか!?

   “野豚の”カールは、モーニングスターを構えてバイクから下ります。


凱:面白ぇ・・・。


実況:あーっと!?

   これはいけない!!

   カール選手、失格です!!


一同:!?


つみれ:どういうこと!?

    あ、バイクから降りたから!?


RL:そうですね。

   バイクから降りたらその時点で失格のようです。


凱:・・・しかし、これは引けねぇな・・・。

  RL、俺もクワドリガから・・・。


つみれ:ちょって待って!!

    RL、私と凱は通信機で会話できるんだよね!?


RL:通信機があるからできますね。


つみれ:凱さん!!何言ってるの!?

    カールは勝手に下りたんでしょ!?

    それで失格なら失格にさせとけばいいじゃない!!

    それにつき合う必要はないわ!!

    あなたは、やらなきゃいけないことがあるんじゃないの!?


凱:・・・確かに。

  “野豚の”カール、アンタには悪いが、勝負はお預けだ。

  俺はヤボ用があるんでな。


つみれ:そうだよ!!

    早く行っちゃいなよ!!


凱:RL、カールには悪いが、そのままクワドリガを発進させるぜ。


RL:うわぁー、“野豚の”カール、かわいそ〜。


つみれ:気にすることないって!!


凱:つみれ、悪ぃな。


つみれ:いいって。


RL:というわけで、“野豚の”カールは失格になりました。


実況:あーっと、ここでカール選手が失格!!

   ・・・ということは、今回の撃墜数は、過去最低記録の14機です!!

   これは大穴だぁ〜!!


つみれ:あ、そんな賭けもあったんだ!?


RL:はい。

   “野豚の”カールは、完走しないのですが、リタイアするまでの撃墜数は賭けの対象ですね。


りん子:いつもは何機なんだろうね〜。


RL:何機でしょうね?

   今回の14機は過去最低ですから。

   いずれにしても“野豚の”カールはレースから退場しました。

   “野豚の”カールが退場したことで、レースに残っている選手が一斉にスパートをかけます。

   先頭集団もデッドヒートの模様です。


つみれ:順番は変わらないの?


RL:はい。

   ・・・と、そこで異変が!!


一同:!?


RL:突然、グレーター殺サスの率いる集団がフォーメーションを解きます!!

   そして、殺サスの一団のバイクが一斉に横倒しになります!!

   アイスマンの顔が青ざめます!!


アイスマン:グレイファントム、大丈夫か!?


りん子:グレイファントムさんが!!

    何でだよ〜!!


つみれ:ちょっと、どういうこと!?


RL:つみれとりん子は〈知覚〉判定を。



  つみれ〈知覚〉判定。―成功。

  りん子〈知覚〉判定。―成功。



RL:了解。

   では、2人にははっきりとわかります。

   何か人為的な装置でも使わない限り、バイクが一斉に横倒しになるなんてことはあり得ない。


りん子:それって、いいの!?


RL:ダメですね。

   明らかに反則行為です。


つみれ:何それ!?

    ひどいね〜。


りん子:ダメじゃん!!

    報道してやるー!!

    《曝露エクスポーズ》で!!

    あっちのニュースもこっちのニュースも全部使って!!


RL:では、今起こったことを神業《曝露》で報道する、ということですか!?


りん子:・・・うーん。

    もう少し待つよ・・・。

    もっと決定的な証拠を掴むまで・・・!!


つみれ:あ、凱さんにも説明しておかなきゃ。


凱:ああ、聞いてたぜ!?

  どっかの阿呆がイカサマしたってヤツだろ!?

  俺の儲けがダメになったらどうすんだ!?

  ふざけやがって!!


RL:という具合に情報を把握したと・・・。了解。

   では・・・。

   地面からはもの凄い土煙が。

   そして視界を奪われた先頭集団、続いて後続の集団とすべて巻き込まれます!!

   レーサーたちは、地面に転がったバイクに衝突したりして次々と転倒します!!


つみれ:クセルクスは!?


RL:当然、巻き込まれます。

   巻き込まれるのは先頭の“帝王”カーシム以外のレーサー全員です。


りん子:でもグレーター殺サスもいるんでしょ?


RL:はい。

   しかし、グレーター殺サスは神業《脱出エクソダス》で、この状況を切り抜けます。

   もちろん、“グレイファントム”クセルクスも《脱出》で切り抜けます。



   グレーター殺サスが神業《脱出》を使用。

   クセルクスが神業《脱出》を使用。



凱:なるほどな・・・!!

  こりゃあ、カゼじゃないヤツは勝てるわけねぇな・・・。

  ・・・しかし、これは、もしかして神業を使っちまった分だけ、グレイファントムが不利になるんじゃ?


りん子:え〜、それはマズイよ〜。


RL:もちろん、そうですね。

   あ、ところで、最後尾の集団は巻き込まれませんよ。


凱:まあ、周回遅れで、むしろ先頭よりゴールに近い場所にいるんだからな。

  とはいえ、そろそろ先頭集団が俺に追いつくころだな。


RL:まあ、追いつくという表現が正しいかは置いておくとして。

   次のゴール直前のところで合流するんじゃないですかね。

   では、カメラ視点が変わって・・・。

   銃。


銃:はい。


RL:銃のいるビルにあちこちからエアカーが近づいてくるのがわかります。


銃:・・・スナイパーを殺したからだね?

  数は多いの?


RL:そうですね。

   大会主催者側のエアカーで、かなりの数です。


銃:このままだとどうなるの・


RL:マズイんじゃないですかね。


銃:それは困る・・・。

  神業《制裁バニッシュ》で退場させたい。


RL:なるほど。

   トループを退場させることができますからね。


銃:ブラックハウンドに連絡を取って追い払うよ。



  銃が神業《制裁》を使用。



RL:では、銃が《制裁》を使用しようとしたところ、何者かに妨害されます。

   ブラックハウンドに連絡を取ろうとしたのに、どういうわけか連絡がとれません。


銃:どういうこと?


RL:はい。

   ゲストの誰かが、神業を使って打ち消したんです。



  ゲストが神業チャイを使用。



銃:うーん・・・。


RL:どうしますか?

   ってどうしようもないですね。

   再び、モーターコロシアムの巨大スクリーンに、銃の姿が映し出されますが、先ほどよりも鮮明です。

   顔以外がほとんどはっきり映し出されています。


銃:ヤバい・・・けど、このままいるしかないよ。


RL:テレビ局のエアカーはどんどん近づいています。

   完全に包囲されています。

   このままだと銃は、アクト終了時には「抹殺」されるかも、ですね。


銃:「抹殺」されると?


RL:社会的身分を剥脱されてしまいます。

   もう2度と出番が来ることはありません。


りん子:え〜!?

    超マズいじゃん!?


銃:・・・。


RL:というわけで、次のシーンに行きましょう。




【クライマックスシーン4:ゴール直前】


RL:いよいよゴール直前です。

   先頭集団の熾烈なトップ争いが続いています。


りん子:グレイファントムさんは?


RL:そのグレイファントムですが、巨大モニターに映った姿を見て、ホムラが不安そうにしています。


ホムラ:おかしい・・・。もっと出るはずなのに・・・。

    もしかするとマシンが持たないかもしれない・・・。


つみれ:え〜!?


ホムラ:・・・あれは、もともと極限まで無駄をなくしたマシンだからね。

    さっきのクラッシュに巻き込まれそうになったあたりから様子がおかしかった・・・。


りん子:ねえ、どこが調子悪いの!?


ホムラ:フレームが歪んでる・・・。


りん子:どこが歪んじゃいけないの?


ホムラ:ほら、見て。

    ・・・あのメインフレームが歪んでいる。だから、マシン本来のパワーが出ていない。

    あの歪みさえ直れば、元通りのパワーが出るはず・・・だけど・・・。


りん子:(天に向かって)お願いします!!

    グレイファントムさんのバイクの歪みを直して下さい!!

    本当にお願いします!!

    ・・・《天罰ネメシス》!!



      「・・・了解。」

      「目標“グレイファントム”のバイクフレーム。レーザーを発射。」

      雲の隙間を抜けるひと筋の光。

      さながら軌道から垂らされた蜘蛛の糸のように。

      その白光がクセルクスの駆るバイクを射抜く。

      正確にはバイクの背骨であるメインフレームを。

      りん子の目にはバイクが一瞬震えたように見えた。

      まるで、マシン自身が最後の戦いを前に武者震いしたかのごとく。



    りん子が神業《天罰》を使用。



ホムラ:信じられない!?

    何が起こったの!?

    バイクの歪みが消えた?


アイスマン:信じられん・・・!!

      まるでマシンが新品に戻ったようだ・・・!!

      これなら・・・いける!!


RL:りん子の神業《天罰》により、“グレイファントム”クセルクスのバイクはパワーを取り戻しました。


りん子:やったね!!

    お祈りが効いたんだね!!


つみれ:すご〜い!!


RL:しかし、状況は“グレイファントム”クセルクスには不利なことに変わりはありません。

   なにせ“帝王”カーシムは未だ《脱出》を使っていないのですから。


りん子:こうなったら・・・!!

    どうか、“帝王”さんのバイクが故障しますように・・・。

    燃料が切れたり、オイルがなくなったりして走れなくなりますように。

    何でもいいから故障しますように!!


つみれ:確かにそうだけど・・・。

    何か呪いっぽいけど?

    大丈夫!?


りん子:いいの!!

    別に祈るだけだから!!

    わざとじゃないから!!


RL:わざとですよね・・・。


りん子:RL、バサラの神業《天変地異カタストロフ》を使用する!!


RL:わざとじゃなきゃ、許される・・・のか?

   了解。神業、どうぞ。



    りん子が神業《天変地異》を使用。



RL:うーん、さすがにそれは・・・。

   レースを妨害してつまらなくする行為ですから、当然、大会主催者が打ち消します。



    大会主催者が神業チャイを使用。



りん子:う〜。


凱:まあ、仕方ないんじゃないか?


つみれ:そうだね〜。


りん子:・・・まあ、そうだね!!

    でも、これじゃ、グレイファントムさんが・・・。


RL:というところで、凱。

   お待ちかねの出番ですよ。

   タラタラと走っている凱のところに先頭集団が!!


凱:ようやく来たか・・・!!

  っていうかタラタラやってねーよ!?

  悠々と走っていた、と言ってもらおうか?


RL:じゃあ、それで。

   いずれにしても、凱の後方に土煙が見えます。


凱:よっしゃ!!


RL:・・・で、どうするんですか?


凱:知れたことよ。

  当然、薄汚ねえグレーター殺サスの野郎をぶちのめしてやるのよ!!

  野郎のバイクに飛び乗って。


RL:えーと、時速300?で走ってるけど?


凱:できねえのか?


RL:凱さんは、時速300?で走ってるバイクに飛び乗ることが可能だと・・・?


凱:普通、できるだろ?


RL:アホか!?できるわけないだろ!!

   ちょっとは考えろ!!このクソレッガーが!!


凱:できねえのかよ〜。

  ホントはできるだろ?


RL:まあ、「死ぬ」つもりなら。

   引きずられてミンチになる覚悟があるならできますかね。

   つまり、《黄泉帰り(フェニックス)》を使用するならグレーター殺サスのバイクに轢かれつつしがみついていることはできる。


凱:なら、それで!!

  って、痛いのはイヤだけどな!?

  じゃあ、行くぜぇぇ!!



    “帝王”カーシム、グレーター殺サス、“グレイファントム”クセルクスのバイクが次々と周回遅れのクワドリガの脇を時速300?で駆け抜けていく。

    グレーター殺サスが通り過ぎようとしたその時。

    突然、クワドリガを駆る一際大きな影がグレーター殺サスに飛びかかった!!

    まさに狂気の沙汰!!

    ・・・しかし、時速300?で走るバイクにはねられたかのように見えたその影は、なおもしがみつく!!

    その脇を通り抜けようとした“グレイファントム”は確かに見た。

    自分に向かってサムズアップする薄紫色のフォーマリティーに身を包んだ、およそレーサーらしからぬ巨漢の姿を。



  凱が神業《黄泉帰り》を使用。



凱:テメェッッ!!

  この俺を殺そうとしたな!?

  ってアチチチチチッッ!!


りん子:あ、摩擦?

    引きずられてるから?


凱:変なツッコミ入れんな!!


G殺サス:・・・ッッ!!

     テメエッッ!!何のつもりだ!?


凱:ク、クハハハッッ!!

  ・・・何のつもりだとはよく言ったもんだ!!

  俺は、テメェには聞きてぇことがあったんだ!!


G殺サス:はあ!?いいから早く落ちろ!!

     死ね!!


RL:グレーター殺サスはスロットル全開のままです。


凱:RL、俺はこいつから話を聞きてぇ。

  《真実トゥルース》で。


RL:どうぞ。

   真実は一つしか明らかになりませんから、内容は良く考えて。


りん子:RL、私、凱の話はマイクから全部録音してるんだからね!?


RL:はい。


りん子:大切なことだから確認したんだからね!?


RL:わかりましたよ〜。


凱:・・・。

  おう、グレーター殺サス、とか言ったか!?

  テメェ、バックについてるアルフレーシングに頼んで、子分どものバイクに仕掛けして、一斉に転ばせるっつうイカサマをしやがったな!?


G殺サス:・・・だから、どうした!?それのどこが悪いんだ!?

     何しろ、俺にはアルフレーシングが着いてんだぜ!?

     イカサマしたからって、その証拠がどこにある!?

     どうせテメェも振り落とされて死ぬんだぜ!?

     ご苦労なこった!!

     ヒャーハハハハハハッッ!!


りん子:そんなことは、この天見りん子が許さないんだからねッッ!!

    録音はバッチリ!!

    ナイスなんダモン!!

    RL、今度こそ《曝露》使うよ!!


RL:どうぞ。


りん子:結城あやさんにポケットロンを接続!!

    あやさん!!

    大ニュースだよ!!


結城あや:りん子ちゃん!?

     どうしたの・・・って聞いてる場合じゃないみたいね。

     オーケー、任せて!!

     画像、回して!!早く!!


RL:結城あやにより、モーターコロシアムの巨大スクリーンだけでなく、観客のタップ、ポケットロンなどのあらゆる画面が一斉に切り替わります!!


りん子:臨時こどもニュースです!!

    こちら、スラムレーシング会場の天見りん子です!!

    今、レース中に重大な不正行為が発覚しました!!

    なんと!!

    優勝候補の1人、グレーター殺サスが、アルフレーシングとともに不正行為をしていたことがわかったのです。

    ババーン!!

    れが、その証拠です!!

    RL、さっきの録音した会話を流すよ!!

    問題のシーンも一緒にね。



    りん子が神業《曝露》を使用。



RL:了解。

   では、先ほどに行われたグレーター殺サスと凱の会話が放送されます。

   会場は大騒ぎです。


観客1:なんだって!?


観客2:ふざけやがって!!

    俺の賭け金、どうしてくれるんだ!?


RL:大会主催者もはっきりとグレーター殺サスの不正が明らかとなった今、当然ながら、失格を宣言します。


つみれ:りん子ちゃん、ナイスだよ!!


りん子:やったね!!


凱:つーか、りん子、消されるんじゃね?マジで。


銃:RL、ここでグレーター殺サスにとどめを刺したい。

  《とどめの一撃》を使いたい。


RL:さっきも説明しましたが、銃の様子はほぼ確認されていますよ?


銃:・・・いいよ。

  ここで撃つ。


RL:了解。

   では、どうぞ。



     グレーター殺サス。アイツは殺す。

     法で裁けないヤツは殺すしかない。

     僕はそう決めている。

     ―そう心の中で呟くと、銃はソリッドファントムの引き金に指を掛ける。

     銃の腕に衝撃が走る。

     そして同時に、グレーター殺サスは側頭部を撃ち抜かれ・・・



   銃が神業《とどめの一撃》を使用。



RL:銃の放った弾丸がグレーター殺サスの側頭部を正確に捉えます。

   間違いなく即死です。


凱:ってオーイッッ!!

  もしかして、俺は時速300?で走るバイクから放り出されるってことか!?


RL:残念ながら。


凱:何だ、「残念ながら」って!?

  つーか、もう《黄泉還り》は使えねぇけど・・・?


RL:ええ。

   ですから、受け身が取れれば大丈夫なハズですよ?


りん子:ダモ〜ン。大変なんダモ〜ン。


つみれ:キャー、凱さん頑張って〜。


凱:って、銃の野郎〜。


銃:ああ、そっか。(ぽむ)


凱:そっか、じゃねえ!!


RL:はい、では、凱は受け身を取って下さい。


凱:〈運動〉判定か?


RL:そうですね。

   失敗したら「I+10」のダメージです。


りん子:ひぃーッッ!!


つみれ:死んじゃう〜。


RL:あ、でも、成功したら「I+5」のダメージですから。

   それに、〈鉄身〉も使っていいですよ。

   というか、使わないと死ぬかも?

   ククク・・・


りん子:「ククク・・・」って何!?


RL:では、判定をどうぞ。


凱:・・・いっくぜぇぇぇ!!



  凱〈運動〉判定。―成功。



RL:取りあえず、受け身は取れた・・・と。

   〈鉄身〉は?


凱:こんなとこで死ぬわけにはいかねえだろ!?



  凱〈鉄身〉判定。―判定値10。



RL:では、ダメージいきますか〜。


凱:何か楽しそうだな?


RL:いえいえ。



  RLのめくったダメージカードは「7」



RL:じゃあ、ダメージ12点ですね。


凱:お、じゃあ、〈鉄身〉とフォーマリティーの2点でピッタリ止まるぜ!!

  無傷!!


RL:なにぃ!?


凱:まあ、そんなもんだろ。


RL:いや、時速300?で放り出されて無傷ってどんなだよ!?


りん子:ホントだよ!!

    おかしいよ、ダモン!!


凱:じゃあ、ゴロゴロと地面を転がって何事もなく立ち上がる。


RL:まあ、立ち上がれますね。怪我もないとわかったら、もうやりたい放題ですね。


凱:それらへんにグレーター殺サスは転がってるか?


RL:転がってます。


凱:死体を見てみるぜ。


RL:頭を撃ち抜かれて死んでいますね。


凱:銃か・・・。

  こんなことができるヤツは他にいねえな・・・。

  まあ、念には念を入れておくか・・・。


RL:どうするんですか?


凱:コイツの側頭部にもう一回拳を叩きつけておくか。

  そうすりゃ、グレーター殺サスの頭の弾丸もわかんなくなるだろ。

  へんなことで賭けがダメになってもつまらねえ。


RL:まあ、そうですね。


凱:じゃあ、やっとくぜ。

  フン!!

  あ、俺って失格か!?


RL:当然。

   バイクから降りてるし。

   ・・・で、大会実行委員が近づいてきますよ?


凱:じゃあ、さっさと離れるか。


RL:じゃあ、凱は退場で。


凱:まあ、そんなことより、グレイファントムがどうかなんだが・・・。


RL:はい、ついに優勝争いは“帝王”カーシムと“グレイファントム”クセルクスの2人に絞られました。


りん子:頑張れ〜!!


つみれ:頑張って〜!!


凱:頼むぜぇ〜!!


RL:しかし、ここで“帝王”カーシムが一気にゴールへ!!

   神業《脱出》を使用!!


凱:まだ使ってなかったな・・・。

  でも、グレイファントムの方は《脱出》を使っちまってる・・・。

  もう1回できないのか!?


RL:できません。


つみれ:私、まだ《ファイト!》が残ってる!!

    RL、《ファイト!》を使ってグレイファントムさんの《脱出》をもう一度使えるようにしたいんだけど。


RL:なるほど。

   いいでしょう。了解。


つみれ:グレイファントムさん、諦めちゃダメ!!

    頑張って!!



    つみれが神業《ファイト!》を使用。



RL:では、つみれの《ファイト!》の効果で、“グレイファントム”クセルクスは最後の力を振り絞ります。



    クセルクスが神業《脱出》を使用。



RL:引き離されていた距離を一気に縮めます。


凱:勝てるわけじゃねえのか・・・。


RL:まあ、《脱出》に《脱出》で追いついたわけですから。

   さらに《脱出》を使えば違いますが。


つみれ:もうできないよ〜。


りん子:できない〜。


凱:俺にできることは最初からひとつもねぇ!!


RL:まあ、でも、両者とも決め手がない状態ですから。

   後は、ガチの勝負しかありません。

   最後は〈操縦:地上車両〉の対抗判定で決着をつけることにします。


つみれ:頑張れ〜!!


りん子:もう、すごく応援するよ!!

    頑張れ〜!!頑張れ〜!!


凱:頼むぜぇ!!

  負けたら一文無しだ!!


つみれ:何か台無しなんですけど・・・。


RL:まあ、恨まないで下さいね?

   では、“グレイファントム”クセルクスから。


凱:頼むから、あんまり低いのはやめてくれよ〜。



   クセルクス〈操縦:地上車両〉判定。―スペードの7。



凱:うーん・・・。

  まあ、悪くはないが・・・。


つみれ:何か微妙?


りん子:微妙だね・・・。


RL:達成値は言いません。

   では、“帝王”カーシムの番。


りん子:低いの出ろ〜。

    低いの出ろ〜。


RL:そういうことを言うもんじゃありません。

   ・・・いくよ!?



   カーシム〈操縦:地上車両〉判定。―クラブの9。



凱:う・・・。

  どうなんだ!?

  相手が“帝王”だから・・・な。

  ・・・でもイケたんじゃないか!?


つみれ:そうだよね!?

    勝ってよ〜。


りん子:勝ったよ!!絶対に勝ったよ!!・・・たぶん。

    勝ったものとして報道するもん!!


凱:いいのか!?それ!?


つみれ:ダメでしょ!?


RL:ダメです!!


りん子:言っただけだよ・・・。

    でも、勝ったんじゃないかな!!・・・たぶん。


RL:・・・いずれにしても非常に僅差のため、写真判定による決着になります。


つみれ:う〜ドキドキするね。


りん子:ト、トイレに行ってくる!!


凱:おい!!

  それじゃ結果が聞けないぞ!?


りん子:じゃあ、やめた!!


RL:しばらくすると写真判定の結果が出ます。

   ・・・・・・・・・優勝は「グレイファントム」!!


りん子:やったね!!


つみれ:良かったね!!


凱:ホント、良かったぜ・・・。


RL:ゴールした“帝王”カーシムが独り言を言うのが聞こえます。


カーシム:・・・おかしい。

     私の方が0.01ミリ秒早かったと思うのだが・・・。


凱:ん?

  グレイファントムが勝ったんじゃねぇのか?


りん子:グレイファントムさんのバイクの先にピコちゃんが止まってたんじゃないの?

    その分早かったとか。


RL:いずれにせよ、“グレイファントム”クセルクスが優勝したことは事実です。

   会場にアナウンスが流れます。


実行員:今回の優勝者は“グレイファントム”選手!!

    では、“グレイファントム”選手のヒーローインタビューです!!


りん子:私がインタビューするよ!!


RL:確かに。

   りん子が“グレイファントム”クセルクスに独占インタビューをできます。


りん子:これは特ダネだよね!?


RL:はい。特ダネです。


りん子:グレイファントム選手、おめでとうございます!!

    良かったですね!!


RL:“グレイファントム”クセルクスも嬉しそうにしています。

   と、ここで、今大会を振り返った解説も流れます。


解説者:今回は、完走率は良かったですが、これは、カール選手がおとなしかったせいでしょうか?


つみれ:あ、完走率高かったんだ〜。


RL:はい。


凱:まあ、わかるけどな。


りん子:ところで、つみれちゃんも宣伝するけど!?


つみれ:お願いしま〜す!!


りん子:じゃあ、写真取るよ〜。

    パシャパシャ!!


つみれ:アイス&ファイアーレーシングの“血塗れの天使”海幸つみれで〜す!!


RL:何で血塗れ?


凱:何かひでぇセンスだな・・・。

  いっそ、“マミられの天使”の方が・・・。


つみれ:いいの!!

    カワイイからいいの!!


りん子:イヤ、あまり可愛くないし・・・。

    あ、でも宣伝するよ〜。


RL:みなさんがそうしていると、ホムラがクセルクスのバイクを点検しています。


ホムラ:おっかしいなぁ・・・。

    私の計算じゃあ、最終コーナーの辺りでフレームに限界が来ている感じだったのに・・・。

    まるで新品みたいだよ・・・。


りん子:まあまあ、結果が良かったんだからいいじゃん!?

    気にしないでも!!


ホムラ:うん、まあ、そうなんだけどね〜。


凱:・・・ところで。

  賭け金の払い戻しに行かねぇと!!


RL:おっと、そうですね。

   みなさん、クセルクスにいくら賭けましたっけ?


りん子:8枚だよ!!


つみれ:5枚〜。


凱:・・・フッフッフッ!!

  俺は最初に10枚、最後に3枚の13枚だぜ!!


RL:それは凄い!!

   “グレイファントム”クセルクスの倍率は4倍ですから・・・。

   りん子が32枚。

   つみれが20枚。

   凱は、何と、52枚!?


りん子:やった〜!!


つみれ:わ〜い!!


凱:これで、井上さんにまともな餞別を渡せるぜ!!

  ・・・ん?

  何だ?電話だと?

  ん?銃!?


銃:・・・。(ずっとタオルで顔を隠していたらしい)


りん子:何で顔を隠してるの〜!?


つみれ:・・・あ、顔が出ちゃってるから!?


RL:あ、そう言えば、銃はこのアクトが終わると社会的に抹殺されるんでしたっけ?


銃:・・・あの、山崎銃です。


凱:あん?

  イヌが俺に何の用だ?

  この金が俺が正当に稼いだ金だぜ!?


銃:あ、いや、そういうことじゃなくて・・・。


凱:あ〜、そういやさっき、お前の顔がモーターコロシアムの巨大スクリーンに思いっきり映ってたよな!?

  何か目の辺りだけ隠れてたけど。


銃:ねえ、あれ、何とかならないかな?

  ヤバイんだよ。


凱:・・・何で俺がイヌのためにそんなことしなきゃいけねぇんだよ!?


銃:・・・お願いします。


凱:・・・フン。まあ、今日は気分がいいしな・・・。

  じゃあ、まあ、貸し1つってことでな。


銃:貸し?


凱:何かあった時には俺の頼みを聞いてくれるんだろ?

  それなら、まあ、いいぜ?


銃:わかった!!

  ありがとう!!


つみれ:いいんだ・・・。


りん子:私はイヤだけどね・・・。


凱:じゃあ、RL、白夜の兄貴のところに電話するぜ!?


RL:では、ポケットロンに河渡白夜が出ますよ。


白夜:凱か。どうした?


凱:兄貴、実はちょっと頼みがあって、電話したんですが・・・。


白夜:何だ?


凱:知り合いのイヌが、ちょっとヤバイことになってて・・・。


白夜:ああ、あのモザイクのヤツか?


凱:そうです兄貴。

  何とかなんないスか?


白夜:それは、オイシイ話か?


凱:まあ、そいつは、あの“暴走課長”レイの子飼いなんスよ。

  恩を売っときゃ、役には立つと思うんですが・・・。


白夜:・・・まあ、いいだろう。

   上手くやってやる。


凱:スンマセン。


RL:では、白夜とのポケットロンが切れます。


凱:っつうことで、《不可触アンタッチャブル》使うぜ?


RL:どうぞ。



   凱が神業《不可触》を使用。



RL:では、銃の社会戦ダメージ「抹殺」の効果は消えます。


銃:凱!!

  ありがとう!!


凱:おい、馴れ馴れしくすんな!!

  そんなことより、貸しのこと忘れんなよ!?


銃:うん!!


つみれ:銃さん、良かったね〜。


りん子:良かったね!!


凱:チッ!!何かチョーシ狂うぜ・・・。


RL:はい、では、ここでシーンを切ります。

   エンディングに行きますよ〜。




【エンディングシーン:桜田門凱・・・新星帝国ホテルにて】


RL:では、凱から。

   スラムレーシングからしばらく経ったある日、井上さんの出立式が行われます。


凱:おう。

  いよいよだな・・・。


RL:・・・で、凱は、井上さんの出立式にどのくらい包むんですか?

   PSでは20点ということですが。

   結構稼いだよね?


凱:52点な。

  ということで、50点分包んで持っていくか。


RL:ほう!

   50点といえばなかなかのものですね。

   500万円くらいでしょうか。


凱:もちろん、現ナマで持っていくぜ。


つみれ:え〜、今時キャッシュなんだ?


RL:そりゃそうですよ。

   レッガーの世界は、見栄ですからね。


凱:RL、それから、酒も1本持っていきたい。

  合成じゃない上等なヤツ。


RL:了解。

   信用判定の結果に応じてですね。

   判定どうぞ。



   凱の〈信用〉判定。―達成値15



凱:残った報酬点2点も足して15だぜ?


RL:それなら相当いい酒が買えますよ。


凱:じゃあ、バリッと行ってくるか。


RL:では、井上さんの出立式になります。

   会場はざわざわとしています。


組員A:あれが・・・。


組員B:井上さんの後継者の・・・。


組員C:桜田門凱・・・。


組員D:藤咲の親父と白夜さんの弟分・・・。


凱:?

  何で俺が注目を集めてンだ?


RL:そりゃあ、知ってる人は知ってるからですよ。

   ポン・サンを殺ったのが凱だってことを。


凱:あー。

  まあ、いいや。

  それより井上さんは?


RL:別に嬉しそうにはしていませんよ?


凱:まあ、そりゃあ、そうだろうけどよ。


RL:というか、井上さんの顔には死相が出ています。


りん子:シソウ?


RL:近いうちに死ぬ運命にあるということです。


凱:・・・そうか。

  とりあえず、井上さんに酒と餞別を渡しておくか。


RL:では、凱が分厚い餞別を渡すと、周囲がざわつきます。

   天竜が凱の近くに来ます。


凱:お、天竜サン。

  おかげで助かったぜ?


天竜:桜田門・・・。

   すごい博才だな・・・。


りん子:バクサイ?


凱:つーか、りん子、言葉の勉強しろよ!?


りん子:わかるもん!!

    白菜でしょ?


つみれ:白菜!?


RL:博打の才能のことです。

   そして、凱のところに白夜がやって来ます。


白夜:・・・凱よ、さすがだな・・・。

   俺が余計なことをする必要もなかったな。


凱:RL、もしかして、白夜の兄貴、俺のことをハメようとしてる!?


RL:何言ってるんですか!?

   河渡白夜に至っては、絶対にそんなことあるわけないじゃないですか!?


凱:だよな!!

  ハハハハハハ!!


RL:というわけで、凱が報酬点20点を準備できなかった場合には、白夜さんが準備しておいてくれたハズでした。


つみれ:いや、それをもらうことになっていたら・・・怖いね〜。


RL:まあ、まあ。

   凱も用意できたんだから〜。

   いずれにしても、白夜さんも凱には感心してるね。


白夜:凱。

   井上の後継者はお前だという話を聞いても気にするな。


凱:ウス。


白夜:ところで、凱。

   前にも話をしたことがあったが、どうだ?

   藤咲竜二と河渡白夜の弟分が組なしってのも正直釣りあわねえ・・・。

   お前も組を持つってのはどうだ?


凱:・・・いや、俺はそういうのはあまり向いてないんで・・・。


白夜:・・・そうか。

   だが、まあ、考えといてくれよ?

   いっそ、俺と杯を汲み直したっていい。


凱:・・・考えときやす。




【エンディングシーン:山崎銃・・・ブラックハウンド警ら課にて】


RL:では、銃のエンディングです。

   銃は、有給休暇を終えて、ブラックハウンドの警ら課に出勤してきました。

   当然、警ら課長が待ちかまえています。


警ら課長:有給休暇明けのご出勤とはゴキゲンだね。


銃:はい。


警ら課長:そう言えば、こんな怪文書が出回っていたんだが・・・。


RL:そう言っている警ら課長の手には、明らかに銃の顔が写っている、あの写真が握られています。


銃:RL、僕は、その件については、凱に揉み消してもらってあるんだよね?


RL:そのとおりです。


銃:・・・何のことかわかりませんね。


RL:銃がそう答えると、警ら課長は面白くもなさそうにその写真を丸めて捨てます。


警ら課長:あー、山崎。

     まあ、今日のところは残っている書類仕事でもしてろ。


銃:・・・はい。


警ら課長:時に、山崎。


銃:何ですか?


警ら課長:最近、山崎、お前の口座が膨れあがっとるようだが?


銃:そうなんですか?


RL:そう言われて、銃が自分の口座預金を確認するとスラムレーシングの日に、バカみたいな金額が振り込まれているのがわかります。

   桁が間違ってるんじゃないかっていうくらい。


つみれ:あ〜や〜し〜い〜。


凱:確かに怪しい。


銃:・・・振込口座、変えてくれればいいのに・・・。




【エンディングシーン:天見りん子・・・マリオネット社員食堂にて】


RL:次は、りん子ですが。

   スラムレーシングから数日後、結城あやに呼ばれてチャンネル99のあるマリオネットの社員食堂に来ています。

   りん子は、「グレイファントムの素顔」というタイトルで写真をアップできたし、スクープもモノにできました。


りん子:インコのピコちゃんが頭に止まっている写真だよ。


あや:りん子ちゃん、やっぱりやればできるんじゃない!?


りん子:えへへへ。


RL:あやさんはとても機嫌が良さそうです。

   どうやら、スラムレーシングで一儲けしたようですね。


あや:今日は何でもおごるわよ!?

   といっても社食だけど。


りん子:やったー!!


あや:いい、りん子ちゃん?

   勝負に勝つっていうのはね・・・。

   絶対に勝つっていう意志が必要なの!!


りん子:石のように固い意志だね!!


あや:そうそう。


RL:というわけで2人、社食でバカみたいにいろいろ食べているところでシーン終了です。




【エンディングシーン:海幸つみれ・・・海幸つみれ芸能事務所にて】


RL:では、最後につみれのエンディングですが。

   つみれの事務所にいます。


中山:社長。お顔の方はどうなさいますか?


RL:つみれは、これから番組に出るための準備をしているところですね。


中山:今日、ご一緒する方は、何でもマフィアの幹部だとか・・・。


つみれ:え〜?

    どういうこと?

    有名になったんじゃないの〜!?


RL:なりましたよ。

   PSは達成したわけですから。

   でも、来るのは深夜番組ばかりで、いわゆるイロモノしか来ませんね。

   熱湯コマーシャルとか、そういうの。


つみれ:え〜!?

    まあ、仕事を選んでたらのし上がれないしね・・・。

    頑張るよ!!


凱:どんな「一般メディアの寵児」なんだよ?


つみれ:いいの!!


中山:この間のアイス&ファイヤーの人たちを見習って下さいよ・・・。


つみれ:そういえば、どうなったの?


RL:はい。

   あの後、アイス&ファイアーレーシングはイワサキに買収されました。

   いわゆる企業のお抱えになったわけですね。


つみれ:あ、じゃあ、クセルクスも・・・。


RL:はい、クセルクスも当然企業のお抱えレーサーになったので、コードXではなくなりました。

   N◎VA社会では、有能と認められれば、そういうことは優遇されますからね。

   というわけで、“グレイファントム”クセルクスはN◎VA市内の公式レースに参加していて、成績もなかなかです。

   それにたいしてアルフレーシングは完全撤退しました。


つみれ:そうなんだ。

    良かったね〜。


RL:ということで、つみれも頑張って下さいね。


つみれ:よ〜し。

    頑張るよ〜。


中山:ところで社長。


つみれ:なに〜?


中山:もし、アイス&ファイヤーレーシングに行くことがあったら。


つみれ:うん。


中山:グレイファントムさんにサイン貰えませんかね。

   「中山さんへ」の名前入りで。


つみれ:なにそれ〜!?




【ポストアクト】


RL:・・・というわけで、お疲れ様でした。


一同:お疲れ様でした〜。


RL:えーと、今回はレコードシートに沿った評価は割愛します。


一同:え〜!?


RL:今回の記録役の人が全員の評価を記録していないので。


りん子:え〜!?

    誰〜!?


つみれ:私じゃないよ〜。


銃:僕じゃない。


凱:オイオイ。

  この桜田門さんにそんなことをお願いした段階でわかってたことじゃねえか。


つみれ:カッコつけて言えばいいってもんじゃないと思うけど?


りん子:そうだよダモン!!

    何なってんの!?


凱:うるせぇ!!

  俺の分は秘書にきちんと記録させてんだよ!!

  なあ、ヒナ!?


ヒナ:まあね〜。

   一応ね〜。


つみれ:相変わらず、凱のところの人たちは、みんな気怠い感じだね・・・。


凱:そういうりん子は1回も記録してねぇじゃねぇか!?


りん子:え!?

    いや、ほら、私は記事を書くのが忙しいから・・・。


凱:オメェ、記事なんて書いたことねぇじゃねえか?

  いつも「臨時子供ニュース」とかいう特番だけで。


つみれ:そうだそうだ〜。

    りん子ちゃんも書け〜。


りん子:あ!!

    じゃあ、この話題はここまでね!!


凱:何が「あ!!」だよ・・・。


RL:まあ、今回は全員PSは達成ということで。


一同:やった〜。


RL:とはいえ、予想とは違う展開になりました。


つみれ:まあ、そうだよね〜。


凱:やっぱ、銃がレースに出るんだろうな、と思っていたんだが。


りん子:でも、ダモンの馬車、カッコ悪かったね!!


凱:「でも」って何だ!?


RL:まあ、正直、レイ課長がバイクに乗り出そうというところで、銃が「じゃあ、自分が代わりに出る!!」となるかと思っていたのですが。


凱:そりゃそうだな。


銃:えー、そうなの?


RL:バイクに乗ってデッドヒートを繰り返しながらの銃撃戦、という展開になるかと。

   でも、まあ、代わりに面白いものが見られましたからね。(にやり)


凱:オイオイ。

  まあ、俺は俺で、スラムレーシングに参加できて満足してるぜ!?

  しかも、大勝ちできたしな。


RL:まあ、そうですね。


凱:そういえば、クワドリガはその後、どうなるんだ?


RL:常備化して自分の物にしても大丈夫ですよ。

   レース仕様は、ホムラに頼めば普通の状態に戻してもらえますから。


凱:よし。

  じゃあ、記念にもらっておくか。

  チェリーブロッサムに飾っておいて、カチ込みの時にでも使うか。


RL:馬車でカチ込むってなかなかですね〜。


凱:だろぉ!?


りん子:バカっぽいけど、今度乗せてよね!?


つみれ:結局、乗りたくなっちゃったんだね・・・。


りん子:いいの!!


凱:あ、そう言えば、運転手が別にいるのか!?


RL:いや、ケンゴでも大丈夫ですよ。兼務で。


凱:よし。


りん子:何か、ダモンのところで働いているのって〈運転手〉のケンゴばっかりだよね。

    あと、女の人たちと。


RL:〈チンピラ〉のヒロシさんもいますよ?


りん子:あの人はサイアクだから。

    嫌い!!


RL:何で〜?

   ヒロシさん、いい人じゃん?


つみれ:何か、RLは、ヒロシに思い入れでもあるの?


凱:よくわかんねぇけど、若い衆の中じゃ、ヒロシの名前しか出てこないんだが・・・。

  ほかにも「シロウ」「ヤスオ」「タカシ」とかいるけどな。

  やっぱりヒロシに思い入れがあるんじゃねぇかな?


RL:そんなことありませんよ!?


つみれ:それはそうと、私も有名になれた〜。

    何か深夜枠だけど。


りん子:私もスクープが取れたよ!!


銃:そう言えば、僕の口座に振り込まれたお金はどうなるの?


RL:凄い勢いで遣ってしまうんでしょうね。

   ですから、残りません。


銃:そっか〜。

  残念。


凱:それよりそういう大金が、一介のイヌの個人口座に振り込まれていることの方が問題になりそうなもんだが。


RL:ですよね〜。


銃:え、ヤバイの?


RL:まあ、普通に考えたらヤバイ仕事ですから。


凱:ほとんど殺しの依頼ばかり・・・。

  というか、小上紫乃との取引とか、正直遠慮したいところだが。


つみれ:あ、RL、そういえば、“野豚の”カールとコネとりた〜い。

    ハートで。


RL:・・・まあ、取れますね。

   って、またハート!?

   つみれは、もう本当にコネの中味が酷いことになってるね。

   すべてのヤクザの、それも幹部クラスに繋がっているという・・・。


つみれ:えへへ。

    え〜でも〜?

    竜二さんが一番カッコいいから〜。


凱:何じゃそりゃ!?


RL:はっきり言ってアイドルなんて仮の顔もいいとこですね。


つみれ:そんなことないよ〜?

    つみれ、わかんな〜い。


RL:とまあ、つみれさんのクロマクぶりが明らかになってきたところで、今回は終了ですね。


つみれ:明らかになってない〜。


凱:というわけで、今回の「スラムレーシング」。

  提供はこの桜田門凱がお送りしたぜ!?


ヒナ:正確にはアタシが書いたんだけどね?


凱:細けぇことは気にすんな!!


ヒナ:アンタはメロディちゃんのPV観てただけだったけどね!?


つみれ:そうなんだ〜。


凱:・・・わかったわかった。

  今度ウマいもんでも食わせてやるからよ?


りん子:ダモンでホント役立たずなんだね・・・。


凱:オメェに言われたくねえんだよ!?

  記録しろや!!


つみれ:そうだそうだ〜。


りん子:あ!!

    そろそろ最後の挨拶しないと!!


凱:何が「あ!!」なんだよ!?

  話の展開がおかしいだろ!?

  オイ、何、勝手に締めようと・・・


りん子:(凱を遮って)それではみなさん!!

    お疲れ様でした!!


一同:お疲れ様でした〜。



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