0点目 俺はエアホッケーにしか興味は無い
このサイトで初投稿で初のオリジナル作品です!
それでは本編へどうぞ!
昼を過ぎた午後三時半、この時間帯になると結構人が集まってにぎわうゲームセンター。リズムゲームやレースゲームなどの音が何個も重なり合って出来る少し五月蝿めの音が耳の中に入り、煙草の煙のなんともうまく表現できないがなんとなく嫌な臭いが鼻腔を刺激する。
そんな空間の中、一人制服のブレザーを着た178cmぐらいだろうか。エアホッケーのような感じでエアホッケーとは違うゲームをしている彼の少し遠くの休憩所から頬づきしながら彼と同じ制服を着た、少しくせっ気のある黒髪で彼よりは少し小さい身長の少年、桜井蓮斗は半目でつまらなさそうに周りを見渡していた。
・・・だいたい25人ぐらいだろうか。小さいゲーセンでしかも平日なのにこの人数はなかなか良いほうだろう。いつもならほんの10人いるかいないかぐらいの少なさだ。それもそのはず、なんせまずさっきも言ったが小さい。そしてゲームの種類、数が少ない・・・まぁ、俺としては別にやることは一つしかないからそれさえあればそんなことは気にしないし、人数が少ない方が何かと落ち着けて良いのだが。
一人さっきと表情を変えずに心の中で呟いていると、いつの間に終わらせたのかさっきの彼が俺の目の前まで来ていた。
「よっ!終わらせてきたぞ。・・・それにしても蓮斗、お前ゲーセンにきてるんだからさもうちょっとゲームというゲームをやったらどうだよ?たとえばさっきまで俺がやってたゲーム。あれはお前の好きなあれに似てるし良いと思うぞ?」
「・・・いや、俺ははっきり言ってエアホッケーしか興味ないから・・・他のゲームはどうでも良い」
「はぁ、そりゃあお前はエアホッケーで負けるわけないもんな。なんせ「エアホッケー世界大会」で一位なんだから・・・ていうか一位の奴と戦わされる俺の身にもなってみろよな!?全く点取れなくてつまらないのなんのってっ!」
あーだこーだといちゃもんをつけてきてうるさい友人の声が聞こえないように蓮斗は面倒くさそうに指で耳を塞ぐ。
ぼさぼさしてくせっ気のある黒髪、日本人なのになぜか水色に近い蒼い瞳、何でもかんでも面倒臭そうなら速攻で諦めそうな見た目をしていて実際そういう性格をした蓮斗はこれでも「エアホッケー世界大会」で一位を取った実力者である。なぜエアホッケーに世界大会があるのか謎であるし、しかもこんな大会で実力があっても生活には全く役に立たない・・・。
「じゃあさ、俺じゃ無くて違う奴ゲーセンに誘えばいいじゃん。なんでいつも俺だけなんだよ」
「えっ?・・・そ、それは、まぁ、一番なじみがあるからな!」
本人はそういってるが実際は嘘だ。本当のことを言うとコイツ・・・友達が蓮斗しかいないのだ。結構ノリが良くて友達が出来そうな感じなのだが、親友以外と話すときになるとすごいモジモジし始めてキモイし話が出来なくて友達が出来ないのだ。
じゃあなんで蓮斗が親友になったかというと、それはたまたま蓮斗の近くにいたコイツが蓮斗に物を貸してほしいと言ってきてそれを続けていたら何か親しくしてきたという感じだ。・・・なんで物を貸しただけでそこまで親しくしてくるのかは蓮斗からしたら全く理解できない。
耳を塞ぎつつ蓮斗はふと何かを思い出したように右腕についている腕時計に目をやる。時計は午後7時にさしかかろうとしていた。いくら高校生とはいえ、これ以上長い時間家をほったらかしにしていたら怒られてしまう。
「俺、もうそろ帰るから。じゃあな」
「あっ!おいっ!待てよ!」
蓮斗は手だけを友人に振って別れの言葉を告げる。
友人は蓮斗を止めようとしたが、そんな声は元から聞こえなかったようにスルーしてゲーセンから出て行った。
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やっぱり7時ぐらいの時間帯だと、行くまでの明るさとは全く異なっている。
すでに辺りは暗くなり、夜空を見れば満天の星、雲ひとつ無く綺麗に見える三日月。ところどころ暗い道路にぼんやりと光る街灯。
本当は急がなくてはいけない状態だが、ゆっくり帰りたくなる・・・不思議だな。
周りの景色が見たくなってなんとなく横を向いてみた。すると、視界にあるものが映り、そのものの目の前で唖然とした顔をしながら立ち止まる蓮斗。
そこには・・・さっきまでいたゲーセンに負けないぐらいの小ささ、随分店の外見はボロボロしていて、全く手入れしてないような見たことの無いゲーセンがあった。
ゲーセンの位置は以前からあるコンビニと書店の間に無理やりねじ込んだような感じで入っている。なんともおかしい配置に蓮斗は訝しげな顔をしながら首を傾げる。・・・あれ?こんなところにゲーセンなんてあったっけ?
蓮斗には別に古びて小さいところが好きなんて趣味は無いが蓮斗はその場にたたずんで、中に入ろうとする。・・・理由はそのゲーセンの看板である。その看板は蓮斗の大好きなエアホッケーのパックなどを使っているのだ。
蓮斗は扉の前に立ってドアに手をかけようとしたところでその手がピタッと止まったかと思うとその腕がプルプルと震え始める。入りたく無くなった訳ではない。時間である。いい加減家に帰らないとまずい・・・でもこのゲーセンすごい気になる・・・どうしよう!?
扉の前で蓮斗が頭を抱え、迷いだす。・・・ちょっとなら大丈夫・・・だよな?
蓮斗はエアホッケーの看板の誘惑に速攻で負け、蒼い瞳を大きく見開き、ドキドキした様子で唾をごくりと飲み込みながら思い切った様子でドアを開けた。
「・・・うわぁ、暗いし誰もいねぇ・・・」
中は電気がついていなく、視界が良くなかった。蓮斗は目を凝らしつつ渡りを見回す。
やっぱり外見と似たような感じでこじんまりとした空間、客はもちろんいなければ店員もいない。どうやらこのゲームセンターは仕事して無い、と蓮斗は一人腕を組みながら頷く。
だが蓮斗はよく周りを見て気づいたことがあった。・・・それは
「なんでここ・・・エアホッケーしかないんだ?・・・まあ、俺にとっては聖地だけど」
そう、ここのゲーセンなんと遊べるゲームがエアホッケーしかないのだ。しかも見たことの無いボードばかりが設置されている。光沢を放つ黒い長方形のボードにはパックはある。だが打つものが何処を探しても見つからない。暗闇のせいでもあるが、さっきよりは慣れたから見えやすくはなっているものの、やっぱり見つからない。
「・・・何もねえな・・・って!そういえば速く帰らないとまずいんだったっ!ヤバッ!親に殺される!」
ふと思い出したように蓮斗はものすごい形相でドアをものすごい勢いで開けて、タッタッと音を立てながら走り、その場から去っていった。
誰もいなかったはずのゲーセンの奥に一人、走り去っていく蓮斗を眺めているものがいた。小学六年生ぐらいの身長しかない、フードを深くかぶった者。それは蓮斗をしばらく見た後、フフッと笑ったかと思うと後ろを向き、ゲーセンのさらに奥へと進んでいった・・・
初めてオリジナルを書かせて頂きましたがやっぱりオリジナルは初めてなので至らないところが多々あると思われます。
なのでこれはこうしたほうが良い、というのがあればジャンジャン言ってください!




