幼馴染3人
新章突入です☆
新キャラ出てきますけど、前回言ったあの2人とはまったくの別人です。。
「やっと着いたぁ~」
颯介がふあぁぁと大きく伸びをする。それをばしっと鈴が叩いた。
「颯にぃ!しっかりして、もう!」
「わかったよぉ……ふぁぁ眠ぃ」
大あくびをすると、また強烈なのを一発くらった。いってぇーなぁ、もう。
「で、あいつはどこにいるわけよ?」
亜里菜が口を開く。あいつ、とは多分あの友達のこと。
「いやぁ、わかんない……ホントどこにいるんだろうね(笑)」
「(笑)じゃないでしょ……なんか落ち合う予定とかないの?」
颯介の動きが突然止まる。表情もそのまんま……あぁ、ないんですね?
「い、いや!ないわけじゃないんだけどね!ただ……ちょっと……」
「苦しいからやめなさい……颯さんは、なんにもあいつと連絡取ってないってことよね」
「だから!そんなことない!……はい、すみません。京に来るということをすっかり連絡するのを忘れていました」
「どあほう、だねぇ」
鈴がにやにやしながらこっち見ている……そんな言葉どこで覚えたんだよ……
「やや、颯介じゃないか」
そう声を掛けられた。誰かと思うとあの『友達』――柳井佐之助だった。
「左之にぃ!」
そう言って鈴が佐之助に抱きつく。
「わぁ……鈴か!?元気だったか?」
「うん!あのねぇ颯にぃが、左之にぃにお話があるんだって!」
「颯介が?これまた珍しいな……」
「珍しいとはなんだ、珍しいとは!というか鈴!なに幸せそうに抱きついてんだよ!離れんか、この浮気者!」
「浮気者じゃないもん!ねぇ、亜里菜ねぇ……?」
鈴が言葉を切らす。その理由は亜里菜の顔を見れば一目瞭然だった。
あの妖艶な顔が歪んでる……同じ村出身の俺にはよくわかるよ、その理由。
「佐之助……よく生きてたわね……!」
「亜里……!待て!ここ街中!!」
亜里菜が佐之助に平手打ち……すっごい大きな音。佐之助の頬に紅葉型の赤い跡ができてる……あぁ恐ろし。
わからないみなさんにご説明。
亜里菜と佐之助。同い年です。いや、俺もだけど……子供っぽい?それは少し亜里菜が大人っぽいだけだ。俺たちまだ23だし。
俺たちは同じ村出身。というかあの村はなぜか孤児が多い。そして俺たち3人は孤児で寺で育った感じ。小さい時から仲良かったんだな、俺たちは。でも、もうそりゃすごかったぞ、亜里菜のぞっこん度が。
だけど佐之助がいいところの養子に貰われていって、なんか足利幕府の政所に就職したらしい……まぁ、あいつのことだから下っ端だろうけど。
それで亜里菜は大層怒ったらしい……佐之助のバカ!亜里菜をお嫁さんにするって言ったのに!とか言って泣いてたな……懐かしいなぁ
そんな亜里菜を見て俺が亜里菜をお嫁に貰ってやるよ、って言ったら、好みじゃないってあっさり振られた。くそー、ちょっと佐之助がかっこいいからって……別に嫉妬じゃないから!
「颯さん?なに一人でぶつぶつ言ってんだい?丸聞こえだよ?」
ばん、と頭を殴られる。
「痛っ!なんだよ、“あずさ組”の奴らは俺をいじめるのが得意なのか!?」
「そうだよ、今気づいたのかい?ふふふ」
怪しい笑み……俺はこいつには敵わない。隅っこの方で小さくなっていよう。
「それで颯介。話ってなんだ?」
「あぁー……ちょっと……」
手招きすると驚くほど速くこっちに来た……どんだけ亜里菜のこと怖がってるんだよ。
「あのさぁ……足利将軍家、あとどれくらい持つ?」
「お前なぁ……それ俺に訊くか?……うぅーん、でもなぁ……持ってもあと10年。尾張の織田がもうすぐそこまで来ている」
俺に訊くか、とか言いながら真面目に答える佐之助。
そうかぁ……と呟く。
「なんでお前がこんなこと聞くんだ?」
「いや、ちょっとさ、ある地頭に会ってよ……」
佐加村でのことを、うまく修正しつつ話す。するとふぅーっと佐之助が溜息をついた。
「逃げたか……それでもない幕府の経済は火の車なのに……」
あぁーあ、と頭を抱える。政所の下っ端の苦悶……笑える。それは幼馴染だからか?
「おい、俺が話に来たのはこんなことじゃない。お茶でも飲みながら昔話しようぜ!」
そう言うと亜里菜の顔が曇った。佐之助の顔から血の気が引く……あれ?俺、やっちゃった?
若干ラブの予感……がしないですwあの3人はそんな関係じゃないですからw
次で新キャラその1出るんじゃないでしょうか(わかりませんが)
では、読んでくださりありがとうございました☆