新たなる旅立ち
「おい、江奈!行くぞ」
「ま、待ってよ、颯介!あんたそういうところが強引なのよっ!!」
亜里菜と佐之助の結婚式が終わり、一段落したころでフェリス神父が国に帰ると報告しに来た。
帰るのが惜しそうだったが、やっぱり自分の国で生活するのが一番だ。
いつか手紙をよこすと言っていたので、楽しみに待っていよう。
そこで、俺たちもここを出ることにした。
目的地は、俺の産みの母親のところ。
手紙に「会いに来い」と書いてあったし、そろそろ会ってもいいかなと思ったので会いに行くことにした。
それに江奈が付いて来てくれるという。
草鞋をつっかけて走ってきた江奈に「遅いぞ」とぺしっと頭を叩く。
「ばっか……痛いじゃないの!もう行かないわよっ!」
「別にいいぞ?俺はひとりでも行けるし」
「い、やっぱ嘘!!一緒に行くわ!!」
江奈は焦ったように前言撤回。こういう素直なところも江奈のいいところだ。
「いってらっしゃい、颯さん、江奈!」
亜里菜が手を振る。
その隣には佐之助。そして鈴と沙耶がいた。
「颯さん、御土産よろしく☆」
鈴が元気よく叫ぶ。
「は!?御土産とかないし!!」
颯介が叫び返すと、鈴の笑顔は消えて、一気に冷めた目つきになった。
「えーうっそぉ……最悪ぅ」
「最悪とか言うなっ!!」
ぶーぶー文句を言い続ける鈴はとりあえず無視しよう。
「じゃあ行くか」
「うん!」
颯介と江奈は見送ってくれるみんなに手を振り、その先に続く道へ駆けだしていった。
最終回です。
ノリで書き進めてきたこのヘンテコな『咲かせ屋』ですが、今までお付き合いしてくださった皆様、ありがとうございました!
途中で書き方は変わるわ、ぶっつけで書いてきたので話につながりはないわ……とても読みにくい作品だったと思います。
でも、最後はノリノリで書きすすめ、一気に最終回まで来てしまいました><
作者の私自身、颯介たちをサヨナラするのは寂しいですが、この作品の反省点を踏まえて、次の作品を考えていきたいと思います。
このサブタイトルは、自分の今の気持ちでもあるのです!
今までありがとうございましたm(--)m